心何処ーショート アリャリャにして、ありゃりゃ。
               アリャリャにして、ありゃりゃ(1/6)
 ありゃりぁ、打ち掛けの文章が雲隠れしてしまった。保存キーをクリツクし忘れてしまった様である。これまた、トホホの極みである。元来が、駄目男である。昨日は、諦めてSOSを発信しようとして、ダメ押しを試みた処、難無く成功を収めて気を良くしていたのであるが・・・ 生まれ付き、運から見放された日々を送っている。早々は、胸を撫で下ろす事が続く訳が無い。

 朝一番で、ビデオの交換である。斜向かいさんは、如何やらクラシック・ムービーに『熱々の日々』らしい。生活に張りが出て来たとの事である。<然もありなむ>であろう。
 何しろ、コレクターの私は、病的な面食い男であるからして、貸出ビデオは、美形のオンパレードである。加えて、字幕スーパー物であるから、往年の洋画名作は、二回見なければ映画鑑賞出来ないと云う寸法である。
 先ずは、ストーリー展開を頭に収納する為に、目と脳細胞は、字幕追いに費やされる。大雑把なストーリー・台詞収納の次は、映画を観賞する為に、映像に目が釘付けと為る。名画は、原作・脚本・カメラ・音楽・監督らから為る総合芸術である。映像に展開されるのは、一世を風靡した世界の美形達の艶やかさ・一途さ・愛らしさ・人の生き方が、情感・詩情・旅情豊かに繰り広げられるのである。
それも、深夜・早朝の個人シアターで開演されるのであるから、錆び付いたとは云えロートル男の憧憬は、静寂の中に、一気に花開くと云った塩梅なのであろう。
「やぁ、お兄ちゃん、キム・ノバック、クリスチーヌ・カウフマン、好かったよぉ〜。」

      冷蔵庫も空き空きして来た。大手スーパーに買い出しに行く。
 同じ町内の幼馴染のご婦人に会う。「あら〜、困る〜。」と私の顔を見て、逃げて行く。
「これ、如何した?」と言うと、是非とも読ませろと云うものであるから、大分前に手元にあった分厚い文作のコピーを貸したのであった。それをガサツにしてソソッカシイ彼女は、古新聞と一緒にゴミに出してしまったのだと言う。

    とんでもない馬鹿女であるから、意識度120%で得意の強面で脅して遣る。
      (原本・コピーは保存してあるから、私には実害は無いのである。)

「そうか、罪滅ぼしに読書感想を此処で言って見ろ。」
「本当、許してくれる? 御免ね。あれだね。人は分からないものね。意外と文才あるじゃん。つくづく思ったよ。人は、外観で判断しちゃいけないって事が。アハハハ。」
「かぁ〜、俺は、つくづくと人を見る目が欠落しているわ。これじぁ、コピーも成仏出来わな。オンナも唯のカンナに為ったら、お終いだぞ。これ以上、害を世の中に撒き散らしちゃ、お天道様の罰が下るぞよ。悪い事は言わ無ぇ、早いとこ、成仏しろ。」
「何言ってるだ。あんなに厚い物、只で読んで遣ったんだよ。こっちの方が、労わりの言葉が欲しいわよ。アハハ、又、読んで遣るから、精進しなさいよ。Rチャ。」
「コリァ、駄目だ。<豚>の耳に念仏だぁ。じぁな。元気で暮らせ。」
「お母さん孝行しなさいよ。私は死じゃったから、後悔してるよ。親不孝したら、その禿頭、引っ叩いてヤッからね。」
「おぅ、有難うよ。」
お互い、ニヤニヤして、後ろ手を振って別れる。

 彼女は、同じ町内の小中学校時の同窓生である。年に何回か、散歩の途中で顔を合わせる。お互い還暦をパスして、彼女は、手八丁口八丁だった小母さんにそっくりになって来たものである。一つ下の弟は、私を兄と慕って来た野球の上手な、可愛い男であったが、姉の方は、昔から男を屁とも思わない面白い女であった。
 不幸中の幸いで、あんな者と同級生に為らずに好かった。机を並べ様ものなら、『大助・花子の夫婦漫才』を演じ切ってしまう。挙句の果ては、二人でバケツを持たされ、廊下で立たされてしまうのが落ちである。彼女は辛抱が足りんから、廊下で又、漫才で今度は、グランドを何周か走らされてしまう事だろう。
 彼女の乱暴な話術には、味がある。彼女は、飲み屋の女将をしている。彼女の小中高の溜まり場であるらしい。懐かしい面々に会えるから、顔を出せと言われているのであるが、その暖簾は、私にとっては『鬼門中の鬼門』である。
 従って、暖簾を潜った事は一度も無い。酒が廻って口が滑らかに為ろうものなら、あのダボハゼの様な分厚い唇とでかい口で、頭からバリバリと骨ごと胃袋に捕えられる事、必至の状況であろう。素面に於いても、私には荷の重い女傑なのである。
 
  私は、シャイにして奥深い男である。『君子危うきに、近寄らず』である。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

【2009/01/06 14:02 】
マイルド | コメント(4) | トラックバック(0)
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コメント
「君子危うきに近寄る」でないと、
な〜んも新しい発見はありやせんよ〜ってか、お互いこの年になると、どうも惰性になりやすね〜とほほの極み!
わしはふるさとの神奈川を離れて広島で33年目、じゃから、幼なじみは一人もおりやせん。便りがあれば・・・病気か・・・病死。やれやれ。便りのないのは良い便りでやんすかね〜、これまた・・・惰性の極み、にゃは!
【2009/01/06 15:46】
| URL | 釣りじいさん #-[ 編集] |
                釣りじいさんへ。
兄貴は、受験生・塾生に囲まれて居なさる。そして、人徳故に、コメント交換が活発です。傍目で読んでいて、若さピンピンで、羨ましい限りですよ。言われて見ると、幼馴染の<毒舌ごっこ>も、貴重な財産ですね。ウッシッシ。
【2009/01/06 17:12】
| URL | アガタ・リョウ #-[ 編集] |
初コメですo(〃^▽^〃)o
なかなか興味津々です( ̄m ̄〃)
また覗きにきますね♪
【2009/01/07 01:13】
| URL | ゆうきん #-[ 編集] |
       ゆうきんさんへ。
初コメありがとう御座います。
大した物じゃありませんが、遊びに来て遣って下さい。
時間だけは潰せますよ。
【2009/01/07 10:06】
| URL | アガタ・リョウ #-[ 編集] |
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