旅行編、ショート編。旅行編は、エロチィック・エッセイ。ショート編は、日常些事のショート・エッセイ。創作編は、短編小説。マイ・ギャラリーは、各編の自作挿絵の収録。

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心何処ーショート 雪は降る降る、カミ雪の水雪晒す為り。
          雪は降る降る、カミ雪の水雪晒す為り。(2/29/12)
 寝床から見る庭に雪が積もって居る。昨日の天気予報では、終日の雪マークであった。外では、雪搔きの音がして居る やれやれ、朝飯前に、ご近所付き合いをするしか有るまい。斜向かい吟さんが、通りの雪を掻いて居られる。玄関周りを竹箒で掃いて、庭に回り、雪の重みで倒れて居る南天の茂みの雪を払って、車の雪落としをする。

   降り頻る雪の中、へへへ、通りを掻く吟さんは、大分草臥れて来た模様である。

「これ、爺っさ、俺に貸して見ましょや。」
 
 強引に雪搔きを捥ぎ取って、通りの雪搔きを続行する。お向かいさん御夫婦は、不在の様であるから、物はついでである。その分も、努めさせて頂いた。

「やいやい、馬力が違う。丸で、人間重機見てえじゃ無ぇか。俺ぁ、ぶっ魂消た。」

「当たり前じゃねぇかい。俺ぁ、勃起ギンギンのまだ60代前半だぜや。男は肉体労働の馬力を以って、<合格点>だんね。インポテンツふやけ爺いは、休憩してましょ。あい。」

 今日は、まだまだ降るのであるから、区切りの好い所で朝の部を終了する。第八部の挿絵があるから、ご感想を賜る事にする。

「如何だいね。この<抱かれて>の絵は、好いずらい。上手く描けて居るずらい。想像の世界が広がるずら。まぁ、想像の広がりは、第八部を読んでからの<再味わい>って事にしてせ。今日は何部を持って行くだいね。」

「そうか、良し。この、一番厚いの借りて行くわいね。」

「そうかい。夢奇譚シリーズの最長編49頁を持って行くかいね。まぁ、読み出があるぜ、知恵熱出す前に、<ルル三錠>飲んでから、ゆっくり、ゆっくり読んでメキシコ・ユカタン半島のマヤの気分に浸っておくれや。あい~。」

「そうかい、そうかい、挿絵もタンと入ってるぜ、ニヤニヤお勉強でもさせて貰うわや。へへへ、どんなスケベ話が繰り広げられる物やら・・・ 興奮次第に依っちゃ、カカア、相手に頑張って見るか。イヒヒヒ。」

「何をこいてるだい。ついでだから、ぎっくり腰に為らねぇ様に、腰の回転運動して行きましょ。あい。」

 そう軽口エ~ルを贈呈すると、雪搔きスコップを担いで、腰クネクネを遣らかしながら去って行く斜向かい色白吟さんであった。へへへ、さてさて、如何なる読書感想が持たされる事やら・・・である。
 
 朝飯前の労働で、すっかり腹も空いて来た。朝食後の、日本茶をお代わりして飲んでいる処ではあるが、好く降る雪である。四畳半定位置に戻る前に、本日水曜日・ヤクルトコール日であるから、再び玄関周りの雪を竹箒で掃き清めて、PCに向かって居ると、本日パスと思いきやの やれやれ、待ち人のコール声である。

「あいあい、ちょっくら待っておくれや。」

 大雪で、大幅に時間が掛かってしまうとの仰せである。雪は降っては居るものの、然程の寒さが無いだけ有難いと云う物である。この時間帯に為れば、カミ雪の雪質であるから、通りは既にシャーベット状況にして、危険は殆ど無い。子持ち主婦の身であるから、時間オーバーは、お子さん達には可哀想である。セクハラトークのムズムズ感は、ロートルの嗜みとして、我慢するしかあるまい。へへへ。

 さてさて、本日は散歩を割愛するとして、本日分を打ち上げた後は、第八部に挿絵を入れて、小冊子に作って置きましょうかね。何はともあれ、身近な夢奇譚ファンは、大切にしなければ為らないのである。

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心何処ーショート これも、ご近所付き合い為り。
           これも、ご近所付き合い為り。(2/28/12)
 火曜のゴミ収集車は、油断して居ると行ってしまう事がある。先週がそうであったから、今週はおいてきぼりを喰らっては、ゴミが溜まる一方である。温い寝床は去り難いが、起きて着替えるしか有るまい。おお、寒い。嫌じぁ、嫌じぁ・・・

  薄い青空に、アルプスの峰々が、全くお寒い限りの白衣を纏って屹立して居る。

 昨日の予報では-8℃との事であったが、マイナス10℃を軽く超えたに違いない。トイレが凍って居る。ポータブル電気ストーブを入れて、私は寒いから布団の中で、本を読む事にする。

 本を読んでいる内に身体が温まって、暫しの二度寝をしてしまった。朝食の賄い夫をして、老母の部屋を開けると、寒い日は温かい電気毛布の中が一番なのであろう。へへへ、動かぬ白髪頭が、ポツンとベットの中である。

 昨日よりは、少しは気温が高くなるのだろう。冷蔵庫の中は空き空きして来たから、個人スーパーへ買い出しに行って来なければ為るまい。漬物ばかりに頼って居ては、栄養失調と為って終うばかりである。大分、戯け画も溜まって来た事であるし、この時間帯なら、客も少なかろう。絵ファイルを二冊持って、自転車のぺダル漕ぎである。

 戯け画は、気さくな感想会話の潤滑油とも為るから、自分で云うのも何であるが・・・兎に角、重宝な物である。中学の先輩後輩の65、64、63の数珠繋ぎの関係であるから、女2、男1であっても、中性域の馬鹿話が通うのである。ギャハハ~。

 歳を取ると、あっさり系が一番である。帰って来て、切干大根を仕込む。自転車漕ぎで、外気を感じて来た処であるから、遅く為らない内に散歩に出向く。昨日の不足分を補おうと、ジャンバー無しである。対岸渡りの橋を素通りして、土手道を街場に下る。これは、寒さ故の人恋しさの現われでもある。

 街場の一つ手前の橋で折り返し、今度は上り勾配の土手道をテクテク歩行している内に、漸く身体も温まって来た。町内の下の橋を渡って、散歩終了を考えて居ると、対岸に重装備にして、マスクをした斜向かい吟さんと思しき人姿である。橋を渡る吟さんも、下から歩いて来る私を見付けて、橋の上でこちらに手を振って居られる。

 まぁ、これもご近所付き合いである。これから、散歩に向かう吟さんのお伴をする事にする。72と63の散歩である。私は長幼の序を弁えた三下奴であるから、聞き役に徹して、相槌行進の様である。

 へへへ、嘗ての連隊長殿は、好くお喋りに為るものである。女家族だけの日々であるから、きっと男話に飢えて居られるのだろう。私の場合は、老母との日々ではあるが、日々、ブログ打ちを敢行して居る所為もあって、然程の男話への渇望は無い処である。思って居る事は、活字にして吐き出して居るから、渇望が溜まらないのである。

 私は年齢的には体格の好い方であるから、幾ら短足歩行と云えども、お付き合い歩調はスローテンポと為って終う。吟さんは、この処のインフルエンザ流行りで、家に閉じ籠もって居たとの事でもあるし、年齢から来る老いも当然にあるのだろう。心肺・脚力の負荷域に達したのだろう。・・・ベンチに座っての世相講義を、長々と拝聴させられてしまった。

 いやはや、如何応えて良いものやら、<長幼の序>を弁えるのも、多大の忍耐力を要するのは、致し方の無い処なのである。

 さてさて、私の9年後の世相講義は、如何なる色合いと為るのか・・・ 9年後と為れば、孫も10歳と為る。吾がスカンポ脳為れど、柔軟性を留保して置かなければ、孫合宿に際しては、ドクターストップの白タオル為らぬ、倅ストップのゲンコツが、吾がスキンヘッドに炸裂するやも知れぬ。


夢奇譚・第八部 ソウル病室道行にて
       煙草と妄想見えるかな~_001奇妙な道行_001
       マイピクチャバッカねぇ~抱かれて001


         夢奇譚・第八部 ソウルの病室道行にて
<その1>
 暫く光らなかった携帯電話の異次元回線が、チカチカ光って居る。

「モォーシ、モォーシ、お早うさ~ん。Rさん、元気~? アナコンダ王国の疲れは、とれた? 変な病気は無いですか?」
「もしもし、如何した? 何かあったか?」

「うん、直接、私には関係無いんだけど・・・ 異次元の魔法使いだから、一応、知らせて置くべきかなと思って・・・ 」

「ほぅ~、柄にも無く、いやに、思わせ振りだね。好いよ~。聞くよ。」

「そうか、そうか、・・・ 聞きたいか・・・ 面白く無いですねえ。Tさんとのスタバ・トークで、ほら、最後に残った韓国女が居るでしょ。私は、何でも霊視が利くから、霊界より姿形のある娑婆の方が、面白いでしょ。
それで、色々、人間界をリサーチしてるのよ。あなたも、第八部のストーリーを如何進め様か、困って居るでしょう。頭が働かないでしょ。アハハ、それも、全~部、分かっちゃってるんだから。
 先の見えて来たロートルさんだから、女の棚卸も大変よね。残り物には、毒があるしね。毒饅頭じゃ、中々手も出ないし。困りましたねぇ。アハハ。」

★ナターシャの奴、如何にも体裁振って・・・言うに事欠いて、毒饅頭とは云い得て居遣がる。<情報を握る者、高位に立つ>で、毒饅頭をチラ付かせて、深情けの俺様のキンタマを握ろうとしているな。<そうか、そうか、聞きたいか・・・>の台詞は、アリーサとの事で、聞き及んだ『言い草』である。こりゃ、益々、怪しい。

 情報贈呈でキンタマ握られ、異を唱えれば黒鞭の睾丸鞭を振り回されたんじゃ、そんな物ぁ、『半異界状態』じゃ無いか。奇麗な顔して、遣る事は、丸で『牡丹灯篭のお島』の深謀遠慮のザマじゃないのさ。

<おっと、これ以上、呟いたらナターシャに知られてしまう。口は、災いの元ですがな。おお、怖い。くわばら、クワバラ。スットコドットイ、俺様ぁ、鈍感ピエロにも為れるんだわさ。>

「いやいや、・・・ そうですか・・・全部、霊視されて居るんじゃ、お手上げですわな。まぁ、有態に云えば、そう云う事ですわ。」

★<生意気女>が魔法をマスターしたんじゃ、生身の俺には勝ち目も無いですわな。此処は往生際好く、ナターシャ様の母性本能に、素直に縋るしか無いでゴザンすよ。あい~。

「おぅ、偶には素直じゃないの。<人間、素直が一番~。>ですからねぇ。私、あなたの事なら、全~部、知ってるぅ。私には、何も隠せないですねぇ~、あなた、本当に可哀そうですねぇ。
でも、あなた、ロシア女のナターシャに惚れた。これって、運の尽きですねぇ~。アハハ。あなた、電話の声意外

 でも、私の悪口、一杯、言ってたでしょ。<生意気小娘、減らず口叩いて、喜んで居やがる。黙って居れば、好い女なのに、>でしよ。ウフフ。」

★ナロメ、何をこきぁがる。東洋じゃ『天は二物を与えず』って云うのに、生意気ライオン娘に、西洋の魔界は魔法をも贈呈するとは、正気の沙汰ではあるまい。どうも西洋文化圏の生き物は、豪欲の世界住人である。<足るを知らない文化>とは、困った異文化だわさ。
 TPP・tpp・TPPなんて、時代のバスに乗り遅れるな・・・なんて、浮かれて居ると、ケツの毛まで抜かれて、景気低迷で弱りに弱った肛門様にズッポリと腕を突っ込まれて、大事な臓物まで引き抜かれまするがな。丸で昨今の政治家の野郎共は、日本の協調文化と中国・韓国・毛唐達の強調豪欲文化の違いすら、脳味噌に入って居ないのであるから、笑止千万である。

 とは云え、彼女には、私の方が夢奇譚の中でも、何かと世話に為って居る処でもある。云って見れば、私=魔力の有効活用者が、その実態なのであるからして・・・
 頭を冷やして自問自答すれば、落ち目の三度笠、視界の単眼者が減らず口を叩いて、彼女の『逆鱗』に触れたら、一瞬の内に<異界>に引きずり込まれてしまう怖さもある。何事も、生きるとは、生き恥を晒すのも、現世の修行の一つでもあろう。何しろ、私としては、GW前の不良中年ショート・バカンスが控えて居るのである。イッヒッヒ!!

 そうかい、バレたんじゃ、しゃー無いわ。へへへ、ナターシャが言う通り、夢奇譚の最後の持ち駒・韓国は善花ネェさんを残して、使い果たしてしまった次第である。たかが人間界の単眼者が、霊視複眼の持ち主に叶う訳も無い。有難く、謙虚に受容するのが、<至らぬ側の作法>であろう。

 彼女は、その名の通り、善花なのか? はたまた、その本性・実態は悪花なのか? 渡部昇一先生の<歴史=虹>論では無いが、見る距離と角度次第では、善花にも悪花にも見える正体不明の美形さんであった。そして、ホステス女の実態の手解き、手の内を見せてくれたお師匠さんの一面も在った。

 思い出せば、<別れたり、撚りを戻したり>の云って見れば、二転三転。男と女の腐れ縁の様な関係も、体験させて頂いた物である。私へのプレゼント曲が、眉唾者の<運命の出会い>ではあったが・・・結果的には、純な男心の私は、振り回され、翻弄されて、彼女の手の内も十分学習させて頂いてしまったので、私の中の<ほ>の字が、とうとう草臥れてしまっての欧陽菲菲の名曲『ラブ・イズ・オーバー』の腐れ縁終焉と為って仕舞った美人さんである。

 それでも時々、テレビなんかで、高島礼子さんが出ると、彼女に面影が重なって、ついついニヤニヤして、事もあろうに、有名女優さんの衣服の中身、<開脚秘仏>まで透視して仕舞う大戯けを遣らかして居る次第なのである。<馬鹿は死ななきゃ治らない>の森の石松状態が、男の純情と云う物である。

「コラッ!! さっきから、何をニタニタ思い出してるのよ。私は、テレパシィ以上の霊視が利くのよ。忘れないで下さ~い。その後、善花については、あなたは、何処まで知ってますか?」

「最後の方は、毎日、何回も早朝、昼間、深夜に電話が掛かって来てさ。大体、酔っぱらって居るんだ。もう、その頃は、こっちの『恋のハシカ』も退けて、生返事の応対だったんだけど、後で、おふくろさんの花屋を手伝うと云って、<国に帰った>って話をママさんに聞いてさ。韓国の電話番号を教えてくれると云ったんだけど、・・・妙に、その気に為らなくてさ。電話番号は受け取らなかったのさ。

 なんでも・・・俺が余りにも人が好過ぎて、お釈迦さん見たいで、騙し切れなかったんだってさ。思い通りに行かないと嘆いていたらしいけどさ。<日本での宝物が、俺と知り合って付き合った事>だってさ。素面(しらふ)で、心の丈を素直に云えば、情も復活したんだろうけどさ・・・女の強がりと、意地が災いしたのかも知れない。

 ライオン娘のナターシャさんと、其処が違ったんだろうね。ホステス女の男垂らし込みのテクニックが、ブーメランで自分の処に戻って来ちゃったんだろうね。グットフラワーでも在り、バットフラワーでも在った。
 俺に取っちゃ、女族に対する一種の<予防尺度>を教えてくれたお師匠さん見たいなものでね。うん、女の選球眼を広げてくれた美形さんだったよ。決して、悪い女じゃ無かったよ。彼女は、如何? 元気で遣ってるかね?」

「うんうん、為るほどね。好い処だけ見ようとしている。それって、凄くあなたらしい感想ですね。あなたはベースが、優しくて、素直で、筋を通す真面目なスケベちゃんですからね。
 でも、あなたの前で好い子振るのは、結局はダメなのよね。相手の女が考えてる程、あなたは甘ちゃんじゃ無いですからねぇ~。フフフ。あなたの本質を見抜けなかった。その女は、身の程を知らなかった<単なる馬鹿な女>よ。勿論、同情なんかしないけど。

 そこへ行くと、最後は、生意気、口煩い、直ぐ怒るライオン娘。でも、理由が分かれば、ケロリの好い女。奇麗可愛い、頭良い話上手、素直の一途さ。この好い女の三拍子は、やっぱりナターシャでしょ。如何したの? 拍手が聞こえませんねぇ~。モォーシ、オイ、オイ。」

「ハイハイ、拍手、拍手拍手。聞こえたましたかな。(糞生意気に。)」
 
「ハイハイ、聞こえま~した。でも、最後の言葉は、要らないですねぇ。アハハ。
 正直に言うわね。彼女、国で結婚したんだけど、うまく行ってない見たいよ。今、病院に居るの。癌で長くは無いのよ。想い出の中に、あなたの事が良く出て来て居るんだけどなぁ~。・・・ちょっと可哀想なんだけどなぁ~。・・・異次元トリップで一緒に行って上げようか・・・ 

 話し相手に為って上げるのも、あなたの情よ。私も、日本に来た時は、毎日、あなたに電話していたから、女の気持は良く分かるよ。何故か、落ち着くのよね。如何する? 行くでしょ。」

「ほぅ、ライオン娘は、優しいんだな。お前さんも、人が好いな。俺達は、似た者同士かね~。ボランティアに行きますかいね。ハハハ。」

「勿論、そう来なくちゃ、Rさんらしくないですねぇ。下らない意地張って、何時までもソッポ向くのは、馬鹿な男と女。アンハッピーは、ショートタイムで沢山。利口な男と女は、正直に話し合って、悪い方がその場で謝って、ハッピーなロングタイムがお似合いって、あなたが私に教えてくれたでしょ。あなたは、ホントウに頭も心も良いですよ。私達、フィーリング・ピッタンコだったでしょ。ウフフ。

 だから、喧嘩しても、直ぐ仲直りしたでしょ。でもね、今回は、私も女だから、あなたの体は無しの形よ。心だけの異次元行よ。それと、『私~も、一緒よ。』OK? 分かるでしょ。これって、<複雑~>でしょ。生身でケンカ出来ないでしょ。だから、体無しの方が良いでしょ。グットアイデア、私、頭良いでしょ。アハハ。」

「あいよ。この歳に為れば、ボランティアして<女族様に恩返し>をして回るのも、男の誠意・嗜みって事か。それじゃ、お見舞いに行きますかいな。へへへ。」

★それとも、ナターシャと云う奴は、中々の芸達者であるから、<幽霊さんの弟子入り、予行訓練>かね? 和して同ぜずの距離間は、残して置くべきであろうか? <奇麗なバラには、痛い刺が在る。>って、西洋の諺もあるからして・・・
          
 <その2>
 眉に唾する間も、心の準備をする間もなく、グィとばかりに、私はいとも簡単に、異次元へ連れて行かれてしまったのである。光の速さ以上の瞬間移動が、霊界の特徴らしい。

★夢奇譚の常連者と云えども、肉体の無い感覚と云うのは、如何にも勝手が違って・・・真に以て、『違和感満載』と云った処である。
 
 こんな感覚は、幽体離脱(体外離脱)??とか云う類の物であろうか・・・

 これに似た体験と云えば、小学一年の時に高熱の続く麻疹(はしか)に罹った。高熱を発して、その高熱の狭間の中で、意識は無意識と意識の蘇りの中を、一人彷徨って居る・・・私は、そんな感覚の何日かの中に居た。高熱の虚脱感と身動きの取れない意識朦朧の中で、<有体離脱>した記憶をはっきり持って居る。

 私は、雲の上に居た。いや、雲の上の無重力の中に在ったと云う方が、感覚の実態により近く、合致して居た。
 
 確か、あれは、現在の母の居間=オヤジの仏間で寝て居た。その部屋の天井すれすれの高さで、私は布団の中で寝て居る『物体としての私』を見下して居たのである。表現・表記では、<幽体離脱>と云うそうだが、意識と肉体が同体である筈の人間の身体から、意識だけが抜け出て、魂が蛻(もぬけ)の殻の自分を見下ろして居る。・・・その感覚は、正に在るべき<意識と肉体の同根=有体>から意識だけが抜き取られて居る・・・そんな感覚であった。

 それは、人間の魂=人霊なのであるから、年端の行かない学童の私でも、生死の堺くらいは、想像が付いた。それで・・・ぼんやり、死んだと感じて居たのである。

 そして・・・それは、肉体から脱した私の意識だけが、黙って、感情も無く無感覚で、じっと、私の肉体を、恰も一つの物体として、ただ、上から見下ろして居るだけなのであった。感情が湧かないと云う不思議さ・・・無感覚さなのであった。それで居て、深くて不思議な、未だに実に『確りとした記憶』の一つでもある。←これらの表現は、年端の行かない小学一年の実体験を、現在の私が言葉表現と云う形で、再現して居るだけの事である。

 後年、旅客機で雲の中、雲の上を飛行するシーンを数多く見て居るのであるが、窓から見る同様の視界・視覚に遭遇する度に、小学一年時に体験した有体離脱の感覚と重ね合わせて見るのではあるが、それは<有体の中の重力の世界>でしか無いのである。従って、あの時の不思議な感覚とは別個の物でしか無いのである。

 <その3>
 それがナターシャに手を曳かれて、異次元の世界へ誘われると、あの時の不思議な無重力感覚の中に居るのであるから、これは不思議である。

「あなた、私も女だから、少し遊んで行きま~す。好いでしょ。」

★<私も女だから、>と云う表現を使うナターシャは、大した女である。

<女心を理解しなさい。決して軽い思い付きで、こんな誘いはしてないんだよ。これは、女には勇気の要る誘いなんだよ。何も言わないけど、あなたは、分かって居るんだよね。ウフフ。恩に着なさいよね。>

 きっと、『私も女だから』の言葉には、それらの<言外語>が込められているのであろう。こんな処が、言わずもがなで送って来るのであるから、ウクライナのライオン娘・ナターシャは、頗(すこぶ)る好い女なのである。加えて、鼻の下をビローンと伸ばし捲って居ると、手痛いしっぺ返しが待ち構えて居る。ライオン娘・ナターシャとは、そんな怖さも併せ持って居る・・・詰まりは、彼女自体に、緩急のウエートを忍ばせた緊張感が在る。

 緊張感があるから、相手の表情と言葉の同調、差異を読まなければ、推理が稼働しない。推理が稼働して、それが妥当域為らば、先回りして待ち構える事も出来る。それは良い意味での、仲の好い人間同士の知能と五感のゲームの様な物なのである。それも相手が、特上の美人美形さんなのであるから、きっと病み付きに為って仕舞うのであろう。←私にとっては、こんな女鑑賞眼を満足させる美人美形さんは、稀有の存在である。

 まぁ、こんな異次元行で、然も『殺生与奪の権能』を持つナターシャに、確りと手を繋がれて居る身なのであるから、本より私には<選択権>など1mmも無い処である。こう為れば、気の弱い男としては、外観だけでもまな板の上に乗った鯉を演技し通す事で、三船敏郎張りの日本男児を振る舞うしか無いのである。これは、論理から来る帰結であるから、私は好きにさせるしか有るまい。

 それでも、私は私で、この<有体離脱>の不思議な感覚を、通常の有体感覚の違いとの比較をする気持ちで眺めて行く。

☆ウフフ、Rのやつは、またまた、何を考えているのやら・・・変にチャチを入れると、<観察、脳内散歩の邪魔をするな、お節介はするな。>の冷たい一瞥の横眼で睨まれちゃうから、自由にして置いて上げるわね。付かず離れずの知らん振り、知らん振~り。

 ハイハイ、これも、永続きさせる為の距離間、距離間よね。全ては、間合いが大事でしょ。その代わり、女のHな妄想なんかして居たら、即睾丸鞭をピシッと飛ばすからね。ナターシャは、異界の魔法使いだからね。それを忘れたら、悶絶気絶よ!! そっちには見えないけど、黒鞭はちゃんと携行して居るんですからね。男の股間だけが、『伸縮自在物』じゃないのにね。アハハ。あなた、馬鹿よね。能あるナターシャは、黒鞭隠すよ。

★異界回線が通じて、彼女が霊の世界を説明してくれた様に、それは夏のかそけきホタル火の様に、スー、スーと薄い黄色の光を放つ様に、時空を進んで行く感じなのである。スー・・・スー・・・スーの<・・・>の中が、きっと、すさまじい迄の高速度移動を、瞬間的に断続させて居るらしいのである。

 スーの光の輝きの間が、意識の間なのであろう。<スー>が意識の間で、<・・・>が無意識の間なのであろう。そんな意識と無意識の狭間を繰り返して、浮遊する霊魂の世界とは、私の現在の感覚からすると、正に魂の存在も如何にも<生物体の一つ>の様な感覚がして来る。

 そんな処から考えると、成程と、ナターシャの夢奇譚での助力の出所は、極普通の有体者の感情であり、行動の様に考えられて来る。詰まりは、肉体と云う有体の世界or次元と離脱されては居ても、意識=霊魂の存在、思いには一切変化が無いと云う結論なのである。そう考えるならば、ライオン娘は、最高・最強の相棒なのかも知れぬし、可愛い一途な女と云えようか・・・

「オゥ、あなたも、私と私の居る世界が、大分分かって来た様ですね~。如何? 悪くないでしょ。このピッタンコの相性は、誰にも真似出来ないでしょ。でしょ!! 

 普通は、次元の違う世界同士だから、交信だって出来ないのよ。でも、ラッキーな霊魂は、こうして、異次元間を自由に行き来出来るの。あなた、ウクライナのライオン娘と巡り合って、ハッピィでしょ。私は、あなたの守護神でしょ。そうでしょ。素直に認めて、感謝しなさい。ウフフ。」

「守護神様か、そりぁ良い。上手い事を云うもんだわさ。レディファーストに、脅しの黒鞭鳴らして、口先だけのゴマス~リと来た日にぁ、小心者、奥深い内向性の大和男には、荷が勝ち過ぎるわな。」

「何よそれ、こんな好い女の純情心を踏み躙るの。あなたと居れば、口上手の女にも為るわよ。それって、異界に対して、<失霊>でしょ。」

「ハハハ、ライオン娘は、頭が良いと自慢するだけあって、失礼の拡大語で、失霊と来たか。でもな・・・後生だから、その反対語の<憑依霊>に為るなよ。
 お前さんは、ヒステリー起こすと、美形さんだから、西洋の般若の形相に為るからな。般若が意地悪な魔法使いに為ったら、それこさぁ~、あの世でも、こき使われて、俺なんざぁ、『無限地獄の性奴隷』にされちゃいまするがな。おお怖~い。

 これだけは、言わせて貰うぞ。美人・美形さんの最大の化粧は、魔法じゃ御座んせんぞえ。零れる慈愛の笑顔、笑みであるぞよ。その元は、中身の充実ですがな。お前さんは、馬鹿じゃ無いから、分かってるだろうねぇ。

 俺あ、馬鹿と自惚れ屋は大嫌いだからねぇ。あい~。外の化粧は、嘘ばかり言ってると、冷や汗で禿げるんって物ずらよ。」

「アハハ、勿論で~す。私、外も内も、三拍子揃った好い女ですよ。でも、本当に、あなたは洋々の云う様に、<口上手の人>ですね。普段は黙って、怖い顔をしてるのに。第七部のククルカン王の役が、長過ぎた見たいですね。でも、それも悪い才能じゃ無いから、大目に見て上げ~る。

 じぁ、確(しっか)り私のウェストの縊れに、抱き着いて居て下さ~い。道草をした分、超特急よ。さぁ、深呼吸をして!! 未だ、あなたは人間界の人だから、窒息死すると、異界夫婦にしちゃいますよ。それじぁ、未だ早いでしょ。<日本男児>なんだから、気絶なんかすると、睾丸鞭喰らわせるわよ~。」

★ヒヒヒ、『日本男児』の行を、確り読心されて居りまするがな。はいはい、アッシャ、まな板の鯉に徹しまするがな。若しかしたら、ナターシャの奴、鯉を恋に自分勝手に錯覚してるんじゃ無いだろうね。牡丹灯篭のお島は、旧ソ連圏だとナターシャと発音するんじ無いだろうね。あい~。

「何、馬鹿な事をグジャぐじゃ遣ってるの。行くわよ。ソレー!!」

 おいおい、速過ぎる、呼吸が出来ん、血の退いて行く、・・・グルジィ、ダジュケテ~・・・ 
・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 まぁ、それはさて置き、いやはや、本当である。余りの高速時空移動に、私は不甲斐無くも暫しの間、気を失ったらしい。勿論、急所を両手で、確り、徹頭徹尾、防御してではあるが。ギャハハ~!! 

 <その4>
 ソウルの街は、意外と小さい。ボーダレスの現在は、どの国も現代都市の様相であるから、世界の大都市は眺めに於いて、然程の差は無い。大きな病院の大部屋のカーテンで仕切られた病床の天井辺りに、私とナターシャが居た。見る影も無くやつれた善花が、口を半開きにして細った血管の浮き出た白い喉を、大きく波立たせて眠って居る。ベットの横には、見舞い人の椅子がポツンと置かれて居る。

 他のベットからは、小さな声での話声が聞こえるが、韓国語を一切解しない私には、国は変わっても、極普通の病院の雰囲気でしか無い。

「あなた、呼べば、彼女に伝わるわよ。あなたの声は、誰にも聞こえないから、安心して、普通に話すと好いですよ。」
 
 促されて、私は善花、善花と呼び掛けて見る。何度か呼び掛けると、善花は、その特徴である大きな幾分焦点の定まらぬ様なトロンとした瞳を見開いて、夢か現実の声の在り処を怪訝(けげん)そうに、ぐるりと力無く動かして居る。それは、彼女の見馴れた目の中の瞳の動きである。

「驚かなくて好いよ。姿形は無いけど、Rだよ。久し振りだな。大分、きつそうだな。」

「えっ、何、Rさん? 居る訳が無い。これって、夢??? 何、何!! 声はしっかり聞こえたのに。何処に居るの?」

★この身は、有体離脱の意識だけなのである。説明のしようも無いから、夢にして置いた方が、病人に無用の神経を使わす事も無かろう。

「ああ、そうだよ。だから、大きな声は必要ないぜ。小さな声でも良いし、声を出さなくても、話は出来るから、負担の掛からない楽な形で良いぞ。」

 如何やら、私の声は、確りと善花の脳裏に聞こえて居るらしい。最初の怪訝な表情は消え、確信の色が芽生えて、・・・ それは、瞬く間に、懐かしそうな瞳の色に変わって居る。

「ええっ、本当に、Rさんなのね。久し振りね。元気にしてた? こんな姿で恥ずかしい。私、奇麗じゃないでしょう。見ての通り、私の人生、上手く行かなくてね。とうとう、こんな惨めな姿に為って仕舞ったの。人生って、辛いわね。

 声はしっかり聞こえるのに、顔が見えないのが残念ね。相変わらず、男前なんでしょ。時々、こんな毎日だから、Rさんの事なんかが、頭に流れるのよ。

 う~ん、感じる。うんうん、確かにRさんの気配がして居る。ああ~、Rさんの顔が、はっきり浮かんでる。これって、病人の願いが通じたのかな? 

 そう、会いに来てくれたの。ありがとう。やっぱり、Rさんは何時も、好い人だ。私の惚れた人だからね。嬉しいよ。如何なの。偶には、私の事を思い出す事がある?」

「ああ、あるよ。へへへ、色んな事が、あったからな。覚えて居るか。引っぱたき合った事もあるしさ、酔っぱらったお前さんを、オンブして、川へ下りて吐かせた事もあったしな。お前さんのテクニックに、騙された事も何度もあったしな。歌の文句じゃ無いけど、<もう、こんな生活は嫌。連れて逃げてよ>の事もあったしな。アハハ。」

「何よ、<俺には、立派な女房子供がある。裏切る事はご法度>って、度胸無しだったくせに。バカヤロ。」

「へへへ、そんな事もあったわな。兎に角、お前さんには、とことん振り回されましたわな。まぁ、<スケベな男族を騙すのが、ホステス女の仕事だ>と、豪語してた罰が当たったと思ってさ、そうクヨクヨしなさんな。人生なんか、所詮、多かれ少なかれ、そんな物だわさ。」

「ちょっと、Rさん!! 相変わらず、<耳の痛い事>を平気で言うわね。私、怒るよ!! ホホホ。そうそう、色んな事が在ったわね。Rさんとの事は、『私の中の宝物』よ。

 私はダメな女だったからね。それでも、必至で変わろうとしたんだよ。努力が足りなかったんだよね。心が離れてしまって、自分の馬鹿さ加減に気付いて、手遅れの酔っ払いして毎日泣いてた。そぅ、覚えて居てくれたんだ。嬉しいよ。」

「ああ、そうだよ。俺は、真面目だからな。涙も、後悔も無い恋なんか、恋じゃないからな。恋をする以上、男も女も、真面目が第一よ。傷付いたり、傷付けたり・・・兎角、男女の心の問題は、厄介な生き物さね。アハハ。

 まぁ、<時の健忘症>で角が取れてくれば、お互い、記憶に残る男女の仲だったんだから、良しとしなくちゃな。後は楽しい思い出の引出しに入れて、時々、虫を食われたり、カビが生えない様に、陰干しするのが、人間の過去との愉しみ方だぜ。

 杓子定規に、過去と奇麗さっぱり決別するなんて、エネルギーの浪費だと思うよ。浮かぶまま、思い出すまま、自分と付き合って居れば好いのさ。人間ってヤツは、そんなに感情でも理性でも、決意だけで割り切って生きて行かれるものでもあるまいよ。

 お前さんは、背伸びをして恰好付け過ぎたんじゃないの。男と女は、黙って居ても、その関係に為るとか、愛の無い肉体関係は駄目とか云って見ても、付き合う前提には、お互いに惹き合う物が在るから、関係が維持出来たり、関係が復活するんだろ。
 自然体が一番よ。恰好ばかりを優先させちゃうと、疲れちゃうし、真意がボヤけちゃうのが、行き着く先の姿だからさ。俺は物臭だから、永続きさせる為には、自然体の女が一番だったんだけどね。へへへ。男にチヤホヤされ過ぎたんだろうな。あい~。

 やれ、意地だ、プライドだ、男の見栄、女の見栄だ、周りの目だと云って、相手の優位に立とうと、手練手管、テクニックを弄しても、<所詮、詰まらない事だ。自問自答の客観視の葛藤を経て、上辺に惑わされずに、本質を見抜け。>と俺みたいな人間は、考えるものさ。嘘も演技も、所詮は化粧にしか過ぎんわね。心が無かったら、自然体には為らんからね。人間の言動の軌跡は、冷静な目で見れば、正直な物だからね。

<痘痕も笑窪の内>は、可愛さの範疇だけど、ついつい自信過剰の自惚れ状態で、匙加減を間違えてしまうと、距離間、敬遠、嫌悪感、蔑視の対象に落ち込むのが、人間の落ち込む『落とし穴』だからね。想いの丈を正直に、愚直にぶつけて来る方が、心の氷解を促す確率は高い筈なんだけどね。過ぎたる月日は、心に重いでヤンすよ。

 へへへ、人間は馬鹿なドーランを塗っちゃうから、ややこしくも為るし、<後の後悔、先立たず>の取り返しの付かない悲哀も見まするがな。ははは、人間は愚かで哀しい生き物なんだろうね。

 世の中には<急がば回れ>も、<思い立ったが吉日>もあるんだし、へへへ、世渡り、男女の仲も、ケース・バイ・ケースで、蓋を開ければ、其々、一対に合う一品料理、調味料、香辛料の振り掛け具合なんだろうね。へへへ、でもなぁ~、それが、必要な時には、それが出来ないのが、人間の愚かしさだからな。困った物だわさ。」

「ああ、そうね。Rさんは、全然変わって居ない。懐かしいですね。ああ、私が大バカだった。」

☆ああ、この二人始めちゃったわ。私が横に居るのに、好い気なものよね。頭に来るわ。

「Rさん、覚えてる? 電話で喧嘩してたら、ルームメイトの○○が、私の携帯を取り挙げて、<アナタ達は、好き合って居るのに、こんな電話で喧嘩ばかりして、意地の張り合いをして馬鹿馬鹿しい。今日、お店が終わったら電話するから、必ず来て。私が、二人にお説教して仲直りさせて上げるから。それまで、寝てなさい。>って電話切られちゃったでしょ。 二人とも○○に、大きな貸しが出来ちゃった物ね。

 R節を久し振りに、生で聞けたわ。Rさんは、私のユル・ブリンナーだったものね。私、怒られても、R節聞くのが、本当は楽しかったんだよ。今、どんな顔してるの? 見たいよ。」

「退職して、金が無いから、スキンヘッドして、ユル・ブリンナーしてるわさ。今の若い連中は知らないから、ブルース・ウィルスに似てるってさ。」

「そう、うんうん、分かる分かる。ほら、私もスキンヘッドにしたら、絶対に似合うからって言って、床屋さんまで連れて行こうとした事があったでしょ。そしたら、<馬鹿野郎。少ない貴重な毛だから、愛おしい。そんな酷い殺生が出来るか。剃ったら、生えて来ないんだ。>ってムカッとした顔・・・覚えてるわよ。本当は、大笑いしたかったのに、笑いを堪えるの大変だったのよ。ムカッとすると、Rさんは、子供だもんねぇ。アハハ。

 そう、私の手で、奇麗にツルツルに、スキンヘッドにして上げたかったのにね。そう、この部屋の中に居るのに、見れないのが、残念ね。絶対に似合ってる筈よ。ふふふ。」

「うぅ~ん、・・・ ちょっと、Rさん、若しかしたら、他に誰か居ない? なんか、別の人の気配がする。女の嫉妬・殺気の様な物を感じるわ。あなた、誰よ!!」

 善花の大きな瞳が、天井の私の横に居るナターシャの方に向けられ、キィッと睨み付ける様な眼差しで、その気配に対峙するかの様である。ナターシャの頭に血が逆流した空気が、私の傍らには張り詰めて居る。こりぁ~、一発触発。大変な事態が始まろうとしている。

★遺憾いかん・・・此処は病室である。他の入院患者さん達に悪い。強調ばかりで、何故協調が出来ぬのか・・・常識ある者は、スマートな行事役をするしかあるまい。ニャロメ!!深呼吸して、スローテンポのマイルドボイスで、割り込むしか無いか。

「ハハハ、女の勘かね。実は、ウクライナのライオン娘・ナターシャに、此処に連れて来て貰ったのさ。そんな仇を見る様な眼は、失礼だぜ。お前さんの心の呟きを、聞き届けてくれたんだぜ。云って見れば、<慈悲深い女神さん>だぜ。」

「オゥ、善花。初めてね。私、ナターシャ。そうかそうか、アナタ達、そんなに深い仲だったか。私、物凄~く面白くないね。でも、仕方無い。善花の事を教えて、ここに連れて来たのは、このナターシャだから。

 それでズーと、我慢して聞いてたよ。うん、分かるよ。結局は、アナタは<大馬鹿女>だったのよ。この人の本当の好さが、見抜けなかったのよ。アナタ、本当に馬鹿でしたね。

 でも、それ、私にとっては、物凄~くハッピィだった。アハハ。サンキューでしたね。」

★アッジァ~、ライオンが、前足で土を掻き始めて居やがる。吠えるか、ナターシャ。薄い唇噛んで、眉毛、眦(まなじり)を吊り上げて御座る。ヤバイ、ヤバイ。

「おいおい、ナターシャ、お前さん、ナンチュウ事を言うんじゃい。幾ら、正直が一番でも、そりぁなかんべよ。病人相手に、何を言い出すんじゃい。この馬鹿垂れが!!」

 ベットから半身を起き上げて、善花姐さんが大きな黒い瞳を、天井の一点に見据えてやつれた白い頬が、ピクピク小刻みに痙攣している。背筋をピンと立てて、腕組みをして居る。

「大丈夫!! 韓国女とロシア女は、日本人と違う。本当の感情を言葉に出しても、何も心配無いですよ。お体裁の日本女よりも、気持ちがスッキリします。私も、ナターシャの立場なら、同じ事言うよ。お体裁は、関係無い。○×はっきりさせないから、日本も日本人も、軽く見られるのよ。お体裁は、日本だけで通じるものよ。私達には、関係無いよ。」

「そうです、Rさん。全然、問題無い。そこの女、本当の事、言っただけでしょ。当たってるでしょ。私の親切な心・気持ちが無かったら、こんな場面は生まれなかったでしょ。物には、全て裏と表が在る。コインと同じでしょ。分かるでしょ。アハハ。

 上等じゃないの。善花、言いたい事、全部聞いて遣るわよ。その代わり、私も言うわよ。遠慮は、要らないよ。相手に為るわ。カモン~、コリアン。」

★いやはや、全く、ライオン娘の言う通りである。ベットの善花も気しょくばんで、凄い形相を呈して居る。生憎と云うか幸いと云うか・・・天井の私達の姿形は、彼女に見えないから、取っ組み合いの女のバトルには至らなそうで・・・あるのだが・・・

<おい、ナターシャ、こんな時は、日本の男の嗜みで、場を外そうか? 女の修羅場を見せ付けられたんじゃ、勝者、敗者の区別無くバイアグラも役に立たない心の痛手ぞね。>

<馬鹿ね。今はあたなは、異界の者よ。私の傍からは、何処にも行けないのよ。>

<それでもさ、こりぁ、拙いですわな。バイアグラに頼る男女間より、ナチュラル・ラブの方が、好かんべさ。お前さん、頭良いんだろ。何か、考えろよ。>

<如何してこんな処で、バイアグラが出るのよ。クレィジーね。何よ、こんな事位でオタオタして、男は駄目ね。
そうか、そうね。ナチュラル・ラブは好いですねぇ。でも、困ったですねぇ、如何する? >

「ちょっと、何、二人で内緒話してるのよ。男らしくないね。Rさんは、どっちの味方よ!!」

「善花、何か、紐見たいな物無いの? 在ったら、頂戴よ。」
「何するの、それで私の首絞めるの? 冗談じゃないわよ。ロシア女の化け物!!」

「だから、お前は馬鹿なのよ。この人が、場を外したいんだって。この人、まだ人間だから、私から放す訳に行かないのよ。
 そんな事したら、<有体離脱中>だから人間界に戻れなくなるの。だから、紐付けて、別の所に放して上げるしか方法が無いのよ。アンタも好きだったんなら、その位の協力をしなさいよ。それに、また、お見舞いに来て貰いたいでしょ。」

「そう? Rさん。」
「ああ、そう云う事だ。俺には、自由が一切無いんだわ。」

「そうなの。じぁまた、きっと来ると約束して。
あっ、そうか。ナターシャの力が要るのね。おい、其処のロシア女、それを約束するか。約束するなら、出して上げるよ。如何なのよ!!嘘言ったら、承知しないよ!!」

「約束するよ。でも、私と一緒だよ。善花、如何するの!!」
「一緒じゃないと、来れないのね。そうか・・・分かった。我慢する。」

「何よ、それ。我慢する? 我慢するじゃ無いでしょ。お願いしますでしょ。礼儀も知らないの!! 本当に、お前は馬鹿ね~。全然、お話しに為らない女ね!! フン!!」

「ううぅー、Rさん、何とか言ってよ。このロシア女、本当に生意気よね。姿形が在ったら、思い切り、引っぱたいて、蹴飛ばして遣りたいわね。どんな顔してるの、顔見せな!!ロシア女。」

「怒っちゃ行けねぇよ。何しろ、ナターシャ様は、異界の魔法使い様だぜや。到底、生身の人間が、四の五の言えるご存在じぁ無いぜや。早い処、折り合って、女の言い合いを締め括ってくれや。俺は、男兄弟だけで育ったから、女のバトルは、苦手だわさ。へへへ。」

「ううぅー、Rさんは、こんな生意気な小娘の、ロシア女の肩を持つの~、フン。ッタク、Rさんは、何時も思い通りに為らない男ねぇ。本当に、薄情男ね。」

★何をこきゃがる。薄情男は無いだろ。女同志のバトルを見ちゃ、100年の恋も、一瞬にしてお陀仏だぜや。そんな日にぁ、目の前が真っ暗闇にも為らな。それを避ける為の男の深情けってもんだろうが。

「ナターシャ、今の聞いた? これが、この男の正体だわ。アホ臭いから、止めましょ。私の方が、感じからするとお姉さんだから、折れる事にするわ。

 Rさん、如何って事も無いホステス同士の鞘当てだと思って、下で煙草でも吸って来てよ。言いたい事を吐き出せば、女は、カラリとするから。そんなに、心配する事は無いから。大分、すっきりして来たから。」

「オゥ、それ、グッドアイデア。そうかそうか・・・善花も、そんなに悪くは無い女ね。うん、分かった。初めてだからハードルが高いから、仲間には出来ないけど、一応、認めて上げるわ。アハハ。」

 善花にも異界存在の気配が察知出来るらしく、大きな瞳を私、ナターシャに交互に向けながら、チャッチャッと口を鳴らしながら、カリカリした手付きで、ベットの引出しから何色かの紐を出す。赤、黄色、白、青、緑。

「フン、誰が、<赤い紐>なんか渡すもんか。危険信号の『黄色の紐』で、我慢しなさいよ。ほら。何で、私がこんなサービスしなくちゃ行けないのよ。」

★アジャジァ、善花も執拗な女である。相手は、ロシアン・ウーマンだべや。何もこんな処で、<瀬川瑛子の大ヒット演歌>を引き合いに出すまでも無かろうに・・・竹島問題、教科書問題、従軍慰安婦問題と、いやはや・・・半島文化は、怨の文化ザマでは無いか・・・

 ヒステリー域のふてぶてしいシナを作って、善花は天井のナターシャを睨み付ける様にして、黄色の紐を投げ付けるのであった。それが、私の顔目掛けて飛んで来たから、私がキャッチするしか無い。キャッチした私の手から、ナターシャが黄色の紐を苛々した感情その儘に捥ぎ取る始末である。

☆フン、子供みたいに、聞き別けの無い女だ事。これじゃ、私の方が上だ。ウフフ。

 そんな呟きを私に聞かせて、ナターシャは、自分の手首と私の手首を、黄色の紐で結んで、悪戯ぽくウインクして見せる。善花は、天井近くで紐がクネクネと動く様を見ながら、

「Rさん、喫煙所は、廊下の角を曲がった右にあるからね。一緒に行こうか?」
 
トーンを変えた善花がそう言って、ベットから下りようとする動きが下にあった。
 
 紐が結び上げられて、ナターシャが私の頬をサッと撫でると、紐は見えなくなった。

「チィッ、本当にロシア女は、意地悪ね。紐が消えたら、分からないでしょ。全く!!」

「アハハ、ナターシャは、甘くは無いのよ。私を誰だと思ってるの。異界の優等生よ!!」

★嗚呼、其処まで女達は、奇麗な顔をして言うのかね。<女は、嫌だ嫌だ。> 何事も、中立、中立の立ち位置こそが、男のエチケットで御座りまするがね。本人様達は、真剣口バトルなんだろうけど、速記者の筆記再現をしたら、こりぁ~、滑稽漫才ですがな。ギャハハ~、おお、腹痛ぇや。あい~。

 ええと、廊下を曲がって、右の部屋か・・・ 紐の長さが足りるのだろうかと不安な気持ちもあったが、其処は異界の魔法なのだろう。伸縮自在の紐に変身らしい。

 幸い、喫煙室には数人がタバコを吸って居たから、私は透明人間が宙に浮いたタバコをプカリ、プカリと遣って居る不思議な光景を晒す事も無いだろう。幸い相撲取りか、レスラーの様な大男が居る。その背中に隠れて、煙草を二本吸って居ると、手首にクイクイの戻れコールである。

★はいはい、終わりましたかね。お疲れ様。

 煙草を灰皿に消す。すると、紐がスイスイと手繰られて、帰って来た次第である。

「善花、また来るからね。もう、寂しくは無いでしょ。」
「うん、ナターシャ、今日はありがとう。今度は、三人で楽しく話しましょ。Rさん、女は好いものよ。女を大事にしなさいよ。またね、待ってる。約束よ。」

★ほぅ~、これはまた、大したナターシャの<魔法使い振り>である事か。これも、交友録の始まりなのだろう。ハハハ、夢奇譚も第八部とも為ると、自ずと主役美形さんが、鎮座して、『仕切り役』を務めて下さる様である。ふ~む、ナターシャは、大した女である。

 <その5>
 その後も数度、<有体離脱の見舞い>をしている次第である。善花の容態は私の眼には、余り変化の見えない処である。どちらかと云うと、精神的に張りが出て来たと云うのか、気持ちが穏やかに為って来たと云うのか・・・悲嘆の<萎れ花>から、弱いながらも<往時の善か花>の様相が見られる処でもある。

 心境が穏やかに為って行くと、人間の表情は魅力的に為って来る物であるし、穏やかさは、穏やかな空気を伝えて、穏やかさを三人の胸に醸成して行く。その穏やかな気持ちが、冷たく為って居た夫婦の関係の中にも、好い兆しが生まれて居る様子である。

 どんな経緯で夫婦に為ったかは、善花は話さなかったし、私も聞かなかった。男女が恋に落ちて、考えて夫婦に為った以上、途中で多少のゴタゴタが在っても、夫婦で終わるのが善い事なのである。夫婦の気持ちが戻りつつあるのであるから、善花を看取って遣るのは<亭主の専属権利・義務>である。

 そんな気持ちをナターシャも持って居るのか、はたまた、読心術もマスターして居るのか・・・ ナターシャの私を伴っての有体離脱行は、夫婦の病室での語らいの様子を見せる様にして、セットされているらしい。私達の見舞いも、善花夫婦の見守りの時間が多くなって来た。この頃では、病人の友人への勇気付けの見舞い言葉が、比率を高めて来ている次第である。

 <その6>
 ナターシャは斯様にして、面白い女である。口では生意気、自分だけの我道スタイルを見せ付けて居るのだが・・・内面と外面は、別人の違いを持って居るのだろう。そんな処が、ロシアのホステス仲間の中に在っても、<信頼出来る>の人望が在ったのだろうし、その彼女の人望が、彼女のロシア仲間からの私への数々のアドバイス、繋ぎ役を果たして呉れて居たのだろう。
 それは、幾ら私への生意気振りを発揮して居ても、友達内では正直に自分を語って居たからなのだろう。自分自身を語る正直さの中に、友達のアリーサ、スエータもナターシャの真意を見て、何かと私とナターシャの仲を取り持ってくれたのだろう。言って見れば、これも<情けは、他人の為ならず・・・>のブーメラン効果の一面であろう。

 テクニックのブーメラン効果も、正直さ故の人望のブーメラン効果も、ブーメランの本態に違いなかろう。そんなロシア女達の交友を思い浮かべると、ウラジオストクのヤナとオルガの関係も、ロシアン・スタイルとも受け止められる。彼の地に行くと、親友オルガが必ず顔を出すのであるから。きっと、ロシアでは男女の仲は、日本人の感覚では考えられない程の、友人間ではオープンな情報開示なのであろう。

 善花への<有体離脱の病気見舞い行>からは大分脱線して、この頃ではすっかり有体離脱行は、帰りの道草行にシフト替えをしてしまっている。

<その7>
「あなた、私と同じで記憶力が物凄~く良いから、覚えてるでしょ。初めてお店に来た時、あなた見て、ピンと来たのよ。この人だって。

 あなた、最初はアリーサ好きだったでしょ。私の方に向けるのに、大~変、苦労しまし~た。アハハ、私は電話でアリーサに為り澄ませていたのに、私、頭賢いでしょ。つい、アリーサからナターシャに戻って、あなたにゲラゲラ笑われて居たけどね。ウフフ。

 あなたは役者だから、そういう処、凄く上手。自由に泳がせて、観察して流れを作って行って、ハッピィエンドに持って行くのよね。でもね、分かる人間だったら、好いんだけど、性質が悪いと相手が一方的に自惚れちゃうんだけどね。それが、最終的には自業自得のブーメラン効果なのにね。ウフフ。

 小さい事、ウジウジした事なんかは、私もあなたも、余り気にしないでしょ。相手の心、気持ちが確り伝われば、そんな事はスルーしてくれるでしょ。これって、似た者同士でしょ。相性がピッタンコだから、長い付き合いに繋がってるでしょ。私達一緒に居れば、ハッピィで顔も気持ち、心もハッピィでしょ。これって、<論より証拠>でしょ。ウフフ、私の日本語は、Rさん譲りのオンパレードでしょ。本当に、私はあなたの影響、物凄~く強いでしょ。

 善花の言葉じゃ無いけど、<騙そうとしても、頭が良いから騙せなかった。思い通りに為らなかった。>・・・なんて言ってる処が、私に言わせたら、馬鹿な女なのよ。質とレベルの違いを弁えて居ないから、そんな馬鹿な反省?言葉しか出来ないのよ。ダメに為ったのは、そんなの当然の結果でしょ。

 そんな顔して、また、<この生意気女>って顔してる~。この位ズケズケ言わないと、あなたの日本語、話し方マスター出来ませんねぇ。本当よ。このテンポ、ボリュームで行かないと、話は面白くないでしょ。あなたも私も、眠く為るでしょ。

 あなたは人が善過ぎるから、女を外観で買い被って仕舞う性向があるでしょ。女はね、顔・スタイルが良いほど、中身は好くないですよ。そんなの当たり前よ。外も中も、化粧だらけよ。あなたは<見掛倒し>に弱いから、馬鹿ですねぇ。可愛そうですね。ウフフ。」

★いやはや、異界女ナターシャの眼力は、手厳しい限りである。そうですかいね・・・言われて見れば、俺は<女の餌食>にばかりされて来た。小娘にお説教されたんじゃ、逸物は立っても、立つ瀬がないですわ。ニャロメ!!

「そんな<女の見掛け倒し>に辛い葛藤を味わってしまう。私は似た者同士だから、痛いほど<心の中>が分かるのよ。だから、そんな事をする性質の悪い女、レベルの低い女が、絶対に許せないのよ。
 一発百中の黒鞭だって、何もあなたの睾丸鞭で必死にマスターした飛び道具じゃ無いわよ。あなたを騙す女への恥骨鞭、男への睾丸鞭なのよ。私、一度もあなたに鞭してないでしょ。優しい、いざと為ったら<頼りに為る三拍子揃った良い女>でしょ。

 アハハ、それを、な~によ。私の女心も分からないで、あそこを両手で握り絞めて、白眼を剥いて<気絶>してるんだから、他人になんか、見せられない醜態でしょ。あなたは、本当にダメ男でしょ。馬っ鹿ねぇ。

 でもね、あなたの事を走馬灯の様に、懐かしく思い出して居る病床の女が居たら、過去は如何あれ、可哀そうでしょ、可愛いでしょ。そんな女が居るのなら、私はあなたの気持ち、心を、あなたを共有した女の誼として、ほんの少し、私の管理下でお裾分けして上げたかったの。
 長くない生命だったら、尚更の事でしょ。ウフフ、しても、しなくても良いお節介だけど、何故か、したくなっちゃうんだなぁ・・・ 私もあなたも、同じ馬鹿同士ですからねぇ。」

「相変わらず、好く喋る女だ。大したものだわ。いやいや、ナターシャらしいわ。俺の出る幕なんぞないですわ。」

「何~よ。それ。ハハハ、R、参ったか~。ウフフですね~。」

★実は、病人の善花が調子に乗って余りに<生意気な事>を言うから、一世一代のお説教をしたのである。

 女の過去を一切忘れて、自分の新しい人生をスタートさせようと結婚した。其処までは、好い。結婚生活が上手く行かなかったと云って、過去を都合良く思い出すと云う・・・その根性が、私には腹が立ったのである。

 男女がお互いに好意を持って結婚の道を進むのであるから、喜怒哀楽も絶えず身近にある。男と女、片方が面白くない顔をしていれば、そんな不快の空気は相手にも伝染するのは、当たり前の話である。女が男を詰(なじ)れば、男だって女を詰る。詰り合って居れば、お互い犬猿の仲に落ちて行くのは、慣性上の、ベクトルの力なのである。
 
 詰り合う感情の中でも、頭の片隅には原因究明をして、内部に在る諍(いさか)いの素に、対処しようとする意志がなければ、解決する物も解決しない筈である。それが面倒、嫌、自分の自尊心が傷付く、恰好悪いの感情の放置では仕方が在るまい。加えてその性悪さ故の・・・新しい代替物を求める愚挙は、絶対に頂けないものである。自分の欲求不満を外に求めようとする感情を<自分からの逃げ行動>と自覚出来ない様では、死ぬまでその繰り返しである。

 結婚をしたのであるから、その位の覚悟と努力をしないでは、人間の成長など有ろう筈も無かろう。<馬鹿野郎、そんなにまで自己肯定して、我儘道を歩んで如何するのだ。> 周囲に対する説得力の無い言い訳・強がり・行為・行動など、幾ら『自分が決めた事』などと開き直ったり、強がりを押し通しても、所詮は<心の安定域>になどに到達出来る筈も無かろう。 

※尤も、<自分の決めた事>の行に就いて、勢い余って、浅はかな人間に限って、自分の決めた事などと開き直る。自分の決めた前だけ見て居たら、一切周りが見えなくなって、躓くか、バナナの皮を踏ん付けて尻もち、後ろから体当たり、横から石礫、頭上からカラスの糞まで落ちて来る。
 前後左右、上下の確認歩きが、人間の歩きだろうと補足説明をした途端、善花から、それは、<幾らなんでも、言い過ぎ!!そんな事してたら、前に進めないでしょ。バカヤロー。>とピンクのスリッパが、天井に飛んで来た処でもあったのだが・・・ 

       まぁ、好い処であるから、その他は割愛する事として。
 痛てぇ~。自分で決めた道なら、進むも、止めるも、戻るも自分の決定事項だろうが。全く、頭の硬いのが、大馬鹿の証明だろうが。鼻は顔の急所だろうが。おお、痛ぇや。

 人間には社会性と云う或る程度の自分を客観視しなければ為らないと云う<良心も反省心>も、生活・生きる為の作用として持たされているのである。従って、どんな人間にも広さ深さの程度こそ違え、それを心の片隅に持って居るのに、それを素直に開示して相手と話し合えないのは、人間の質とレベルの未熟さでしか無い。
 自分が決めた事と<主張>したいのなら、結論に達するまでの自問自答の広さも深さも、相手に開示すべきである。自分自身が、その場面に遭遇した時に、掘り起こして耕して行かなければ、自分の力(自問自答力)には為り得ないのである。

「お前は、馬鹿か・・・自分の心を、相手の前に曝け出せる勇気の無い者が、俺の前で一丁前の面と言葉を吐くな。そんな物ぁ、10年早いぜよ。

<如何した。そのでかい目と頬の痙攣は。悔しいと思ったら、お前さんの手で、亭主と仲直りをして見せろ。馬鹿垂れが。結婚とは、その位の重みを持った男と女の覚悟と努力の合作物だぜ。甘ったれるのも、好い加減に晒し遣がれ。> あはは。」

 へへへ、私は融通の利かない時代遅れの男であるから、時としては・・・こんな物言いをしてしまう次第である。人間、伝えなければ為らない時は、意識的に怒って意見をしなければ為らない時だって在る物なのである。ザマァ見遣がれ、本当の事を言われて、悔し涙で反芻するが良いわさ。ギャハハ!!

★恥ずかしながら、現在の吾が身は、異界のライオン娘・ナターシャの管理下にある。この頃の善花夫婦の模様には、察する処、お節介傾向の強いナターシャが、恋愛フェロモンの衰えた男と女に、パラパラと<魔法の媚薬を散布>したのだろう。如何考えたって、私の言葉に説得力など有ろう筈も無いのであるから。異界のライオン娘・ナターシャは、深情けにして芸も細かい・・・

「そうだな。これで、善花夫婦も、有終の美を飾れるしな。夫婦仲が戻ったんだから、もう、俺達の出番は無しにしなくちゃな。<夫婦に失礼>に当たるわさ。お前さんの考えてる様に、病人を見舞いには来ているが、『恋愛』しに来ている訳じゃないからな。夫婦の仲に水を差すのは、要らぬお節介、野暮のする事だしな。ハハハ。お前さんは、偉い。心根が、立派だよ。サンキュー。」

「そうか、そうか・・・ナターシャの気持ち知って、あなた、私に惚れ直してるでしょ。ほら、顔にちゃんと書いてあるでしょ。私の前で、嘘は出来ないですねぇ。可哀そうですねぇ。アハハ~。」

「煩い、この馬鹿女。毛唐の魔法使いが、生意気に。<日本文化は、余韻の文化>なんじゃい。10の内、言うのは6、7に留めて置いて、相手に考えさせ、味合わせるのが、余韻の効用だろうが・・・ この生意気女が。ッタク、困った女だわさ。少しは、言葉をセーブする事をマスターしてくれれば、これ以上の好い女は居ないのにな。西洋神は、とんだライオン娘に、二物・三物を与えたもんだわ。糞っ垂れが。」

「な~によ。それ!! あなた、ウクライナのライオン娘を好きに為った。これ、ナターシャのスタイルでしょ。素直に、アイ・ラブ・ユー、勿論、ミィトゥでしょ。ウフフ。」

「何をこきゃがる。そうだ。お前さん、歌も上手かったわ。<百万本のバラの花>は、得意歌だったろ。基歌はロシアの歌だし、ロシア語で歌ってくれや。その後は、ロシアの国民歌・カチューシャを歌ってくれや。 

何しろ、牛に引かれて善行寺に因んで、<ナターシャに手を曳かれて善花寺参り、目出度し目出度し>だったからな。両方とも、日本語の歌詞も覚えてるから、俺も歌って見るか? 善行で、気分が好いからさ。」

「ノウノウ、あなたの音痴が、私に伝染しちゃうでしょ。そんな事したら、世界に冠たるロシアが汚染されるでしょ。あなた、プーチンのKGBに聞かれたら、<国家侮辱罪>で即銃殺刑よ。そんなに私と一緒したいなら、ハミングだけにして置いてよ。お願いしま~す。如何、参った? 私の口数とブラックユーモアには、あなた白旗でしょ。」

「糞っ垂れが、ニャロメ!! 何時も一言多いんだよ。黙って頷いて大人しく、白い歯を薄っすら覗かせて、笑みを湛えて居れば、オードリー・ヘップバーン並みの『侯爵ご令嬢様』なのに、そんな減らず口ばかり叩いて居るから、ローマの場末、ボッカチオのデカメロンに登場する<強か女>に為り下がるんじゃい。

しおらしいご令嬢様なら、裸にひん剥いて、羞恥の四つん這いのバックから、真っ白なヒップの割れ目に鼻の御柱押し付けて、舐め上げてヒィヒィ喘がせて、<無私の御奉仕>してぇんだが、そんな場末の強か女じゃ、デカイ黒ずんだ峡谷をグイグィ押し付けられて、終いにぁ<性質の悪い病気>を貰っちゃうぜや。」

「馬~鹿。何~よ。それ。あなた、それ大好きでしょ。スケベ、好き者。変態。私も嫌いじゃ無いから、好いわよ。此処でしましょうか~。
でも余計な糞、糞って、よくも言ってくれたわね。OKOK、その副産物・特大のメタンガスを、自慢の鼻先に噴き付けて上げましょうか~。
うん、グット・アイデアですねぇ。ヘイ、カモ~ン、ダーリン!!」

「ニャロメ。ああ言えば、こう来遣がる。したくたって、有体分離じゃ、メタンガスも出し様が無いだろ。アホんだら。俺ァ日本人で良かった。それが、ロシア夫婦の実態かね。・・・ラブジュースの洗顔中に、毒ガス噴射されるんじぁ~、<大和男はサッサと夜逃げ>するしか無いわな。アハハのハ~だぜや。あい~。」

「あなたも、相変わらず、口が悪いですねぇ~。シャラップ!! 覚悟して置きなさい。霊界のSEXは、異界でも修行と徳を積んだ特級霊にしか許されない秘術中の秘術よ。私が、今から異界と人間界を往復して、じっくり特訓して上げますからね。時間は、一杯あるんだから。ウフフ。気分が良いから、今度は、何歌おうかな。リクエストOKよ。」

「猪口才なライオン小娘が。云うに事欠いて、何が特訓じゃい。笑わせるな。お前さん、<調教>が魂胆だろうが。俺ぁ、未だ死にたくは無えやね。帰りに、ニンニクと十字架買って行くいね。その位の時間は、あるだろ。」

「あなた、何よ、それ。こんな良い女を、吸血鬼扱いするの? はぁ~、情けない、私が見込んだRさんは、<見掛倒しの男>だったか!! オー、マイガット。」

「アタボーよ。睾丸鞭と毒ガスのバック噴射と来た日にぁ、ドラキュラセットと土木用杭ぞもセットせにぁ為らんぜよ。顔に似合わず、怖い美形さんだぜや。洗脳打破・コンビ解消!! さぁ、この三行半にサインし遣がれ。」

「ノーノー、<その手は、桑名の焼き蛤。> 私には、時間はたっぷ~りある。短気は損気で~すね。ロシア女の深情けで、鍛え直して上げるのが、『ナターシャの女の道』ですよ。ウフフ。これで、当分、私の女の義務が、広がりますねぇ~。ホタル火の異界の世界は、退屈ですからね。アハハ。」

★何が魔女の癖して、抜け抜けと西洋オーマイガットじゃい!! 東洋日本じゃ~、<ぶんぶく茶釜で、屁で湯を湧かす。>って言うんじゃい。この~、アホンダラがぁ~。 

 待て待て・・・おいおい、そうじゃあるまい。夢奇譚・第八部を以って、このシリーズも終わりとしようと思って居たのに、

 何かい・・・これからはチョクチョク、<有体離脱の世界>にしょ曳かれて、秘儀中の秘儀を習得させられる為の<調教の連れ回し>が始まるのであるかえ?・・・ えらい事では無いか。人間界に隠れても、世を果敢無んで、首を括っても霊界住人であれば、天上天下に頼る当ても無く、ナターシャの軍門に下るのみであるか・・・とほほ為りや。

☆やっと、分かった見たいね。あなた、甘いですね。牡丹灯篭だけが、灯篭じゃないでしょ。世に稀な<ピッタンコ灯篭>だってあるのよ。こんな楽しい掛け合いが、ポンポン出来るんだもの。閉じ籠もりで、スカンポ脳ボケさせたら、睾丸鞭で気合い入れて遣らなくちゃね。嗚呼、私は、とても忙しい~。アハハ~のウフフよ。

「さぁ、お家よ。お婆ちゃんの面倒良く見て上げてね。もう、善花の方は、ハズバンドに任せて置きましょう。夫婦なんだから。また、別のリサーチして、呼びに来るからね。楽しかったですね。じぁ、ねぇ。オヤス~ミ。」

「オゥ、サンキュー。安心しな。俺は他人様の女房殿に間男なんて、下衆の仁義破りなんかしねぇよ。それより、頭に乗って、魔法を<悪さ>に使うなよ。何時でも、遊びに来いよ。じあな。」

☆ウフフ、お節介終了だ。サァサァ、ホームグランドの異界に一っ飛び。ゲーリー・クーパーさんに似た異界王に得意のウィンクとゴマスーリして、自由時間の拡大を申請しとかなくちゃ・・・ 
 Rさんは、こんな裏の私の健気な努力を知って居るのかな。関係を維持発展させて行くには、一途で健気な努力の前提がある事を、読者の皆さんも知ってて欲しいものだわ。アハハ、これって、ウクライナのライオン娘・ナターシャからのメッセージよ。

             スィー・ユー・アゲイン。チュッ・チュッ。

         2012/02/22  夢奇譚・第八部 ソウルの病室にて・・・完






心何処ーショート お天道さんの輝きはあるものの・・・
        お天道さんの輝きは、あるものの・・・2/27/12
 さぁ、お天道さんが出て居るから、風呂を沸かして洗濯をするとしようか。それにしても、酷い寒さである。風呂を老母に譲って、洗濯物を物干し竿に、玄関鳥達を廊下の日当たりに並べる。

 さてさて、散歩に出掛けるとしよう。確り着込んでの散歩であるが、一向に身体が温まって来ない。ジャンバーのファスナーを顎の下まで引き上げて、手袋の両手はジャンバーのポケットの中である。

 人の息遣いが後ろからして来る。スーと追い抜いて行ったのは、同じくショート・コートのポケットに両手を入れた190cmはあるだろうの若い白人男性である。いやはや、足の長さが丸きり違い過ぎる。繰り出す足のピッチには大差が無いのであるが、コンパスが違い過ぎる。私の方は、アホらしくなって一気にペースダウンの体たらくであった。

 川を見れば、水飛沫が凍って居る。風呂上りの身体であるから、お天道さんの温かさが期待出来ないならば、セッセとテクテク歩きを敢行するより他なしである。

 二日続きの雪であったから、本日は私同様の散歩日課者が、結構歩いて居る。へへへ、皆、重装備の恰好である。マフラー、マスクまでしているから、快晴下のお天道さんの慈愛を期待したものの、余りの寒さに背を丸めてのセカセカ歩きに徹して居るのである。

 斯く云う私も、酷い寒さに2/3程の所でUターンをして帰って来た処である。町内に差し掛かると、下から独特なウォーキング・スタイルを採る、幼馴染の大かんな女が歩いて来る。さてさて、親愛の情の籠ったご挨拶をして置かないと、石を投げ付けられてしまう。

「おいおい、風邪でも引いたかい? そんな恰好でウォーキングも無いだろ。布団の中で卵酒でも飲んでた方が、好いんじゃないの?」

「皆が、私の顔を見て、引き付けを起こしちゃ可哀想だから、目だけ出して隠してるんだわね。」

「ほぅ、63に為って、やっと、世間並の常識、自分の客観視が出来る様に為って来たって事だいな~。少しは、罪深かった自分の大半の人生を振り返る事が、出来る様に為ったか。幾つに為っても、自分を悔い改める精神を褒めて遣らなきゃな。アハハ。」

「こっちが下出に出てりゃ、えらい事言ってくれるじゃん。私ぁ、こう見えても、女だよ。」

「そう、カッカしなさんな。偶にぁ、俺にも、この位の事を言わせ立って、罰は当たらんぜや。今日は寒いぜ、セッセと歩かなきゃ、風邪を引くぞ。頑張って、日課をこなして来いよ。じぁな。」

 へへへ、如何だ、参ったか。俺だって、その気に為れば、この位の事は言えるんじゃい。

 さてさて、婆さんも風呂から上がって、息切れも収まった頃かな。昼は軽くパン食と致そうか・・・ それにしても、こう寒くちゃ、遣り切れませんわね。



心何処ーショート お寒い限りでありまする。とほほ。
           お寒い限りでありまする。とほほ。(2/25/12)
 インターネットは繋がった物の・・・いやはや、小雪舞う寒い日である。ポカポカ陽気の春日散歩の後の2日続きの冬日、加えて日曜日であるから、端から散歩はエスケープの段である。

 M氏によってネット発信・交信復活の段であるから、気分は落ち着いた物である。先頃、完とした夢奇譚第八部を挿絵の前飾り付きでアップしようと思って居たのだが、挿絵が上手く取り込めない。挿絵の前飾りがあった方が、訪問者さんには、何かと妄想力が広がる事であろうから・・・長丁場の本文と戯け挿絵の<セット>で投稿しようとの魂胆である。

 そんな事で、夢奇譚の校正に時間を割いている次第である。さてさて、自分の打った物語ではあるが、数日寝かして置くと、打ち手の脳味噌にも幾分かの酸素供給が回るから、何かと文章の落ちが浮き上がって来て、加筆箇所が生じて来る物である。
 今は昔と違って、PCと云う機械文字であるから、気分的には第三者の文章として距離を置いた読み返しが、出来る利点が在る。機械が故障しない限り、真に便利手軽なご時世に為ったと云う物である。

 これが字癖の悪い自筆文章なら、余りの汚さ下手さで、私の様な物臭者は見ただけで戦意喪失に陥って・・・<はい、それま~で~よ。>の体たらくで終わって仕舞うだけであろう。
 それが機械文字は個性が無いから、幾分寝かせて置くと<好い働き>をしてくれるのである。尤も、ロートルスカンポ脳であるから、何日も寝かせて置くと、物語を打って居た時の脳味噌の鮮度が、急速に落ちて来る帰来が在る。そんな次第であるから、二、三日の寝かせ具合が、頃合いの処なのである。

 そんな、お遊びをして居る間に、21頁が23頁と為って仕舞い、何時もの事ながら、自分の往生際の悪さに・・・苦笑いの態なのである。

 積りはしないが、西風の小雪舞う寒々とした外の様子は、如何にも堪らない冬色である。窓越しの道路にキジバト、ツグミ、ヒヨドリの姿が見える。路上にツグミが何かを見付けたのだろう。縄張りの意識の強過ぎるヒヨドリが、何かを咥えたツグミに、ギョエーと汚くも甲高い声を発して、体当たり攻撃を喰らわせた。

 ツグミとハイエナギャングのヒヨドリは、路面スレスレの低空飛行のまま、一瞬の間に、視界から飛び去って終った。穏やか気質のキジバトは、然程、驚く様子も無く、路面を小さな頭をコックリコックリ上下に揺らしながら、食糧探しの歩きをして居る。

 落ちて居た物は、何かな? 赤い実の南天の実かな、人間の口から落ちた食べカスかな、

 薄暗い小雪吹く窓の外は、寒さ運ぶ冬の色である。机上の金魚達も水温の低下に、上層の省エネ浮泳の形である。さてさて、炬燵部屋に移行して、殻付きピーナツでも、口にポリポリしながら、炬燵の潜って暫しの転寝でも致しましょうかね。


心何処ーショート
                PC故障中(2/23/12)
 ありゃりゃ、PCが壊れてしまった。2/20朝の事である。購入した家電大手店に持って行くと、メーカーに送って、3~4週間掛かるとの事である。毎日更新して、閉じ籠もり賄い夫の日課の中心を為して居たのであるから、ペースが完全に狂ってしまう。旧PCを繋ごうとしたが、上手く行かない。

 仕方無く、打ち進めて居た夢奇譚・第八部を進めて2/22の午前中に完了させて、浮いた時間は、挿絵を描いて過ごす。20日にはケアマネさんの訪問を受けたり、21日には長散歩の途中で58歳、糖尿病で息切れをして居るオヤジの話し相手に為ったりして、インターネットに当てて居た時間の穴埋めをして居た次第である。

 本日23日は、長々とテレビで国会中継を見た後、風呂に入って洗濯機を回して居ると、天気予報通りに、昨夜から降り続いていた雨が止んだ。散歩の代用として自転車で弟の会社まで、エッチラ、ホッチラのペダル漕ぎとする。ゴールデン・ウィーク前のフィリピン・ボラカイ旅行の手続きに、パスポートと飛行機代の支払いに行って来る為である。

 昨日の散歩も、本日の午後からの晴れ間と云い、春を思わせる様なポカポカ陽気である。

 買い物をして帰って来ると、<お父さん>と声を掛けられる。倅の嫁さんである。毎日更新して居るオヤジのブログが、3日も更新されて居ない。電話をしても出ない。

 何かあったのかの胸騒ぎで、オヤジの様子を見に行ってくれと頼まれて、来たとの事である。親父想いの倅に、感謝感謝の気持ちである。嫁さんの車には、母親、妹も乗って居るとの事であるから、<むさ苦しい限りですが、どうぞ、お入り下さい。>と吾が男部屋で、老母も加わって楽しい歓談をする。孫は、陽気の温かさで、はいはいのし捲りで愛想を振り撒いている。

★毎日、習慣でブログ樹海の辺境ブログの訪問者各位に在っても、倅同様の御心配を頂戴して居るやに思われるのではあるが、何しろ、斯様な事態で安否報告も出来ない次第なのでありまする。申し訳御座いません。老母、私ともに元気でありまする。

 明けて24日朝食後は、たっぷりと国会中継を老母と見る。へへへ、下衆の突っ込みも飽きて終ったから、双眼鏡、デジカメ、ラジオを持って、フラフラ散歩に出向く。まぁ、過去の確率から言って、こんな時は無駄玉に終わる事が大半である。

 河川敷から土手道に上がる土の傾斜面には、草の匂いがプ~ンとして来る。春を嗅ごうとして足を止めると、おやおや、黒地に赤のテントウ虫が動いている。小さな虫が、何匹か飛んで居る。この処の三日続きの陽気に誘われて、冬眠明けなのであろう。然しながら、またまた冬の戻りとの予報である。

 なかなか、被写体に与かられぬ。雪は日蔭の小さな雪を残してはいるが、視界には殆どない。この分で行けば、頑固なしがみ付き雪も、溶かされて無く為るしか無さそうである。来週に為れば、早や暦も三月に入る。

 ポケットの中の携帯が鳴って居る。おやおや、これは珍しい。M氏からである。毎日更新の吾がブログが更新されて居ないので、心配に為って<安否確認の電話>なのであろう。へへへ。心遣い痛み入りまする。M氏も元気との事である。弟から旅行の誘いを貰ったとの事で、金欠病の折、如何しようかと思案して居るとの事である。明日、何も無ければ、半年振りに顔を出すとの事である。

 被写体を探して、フラフラ、ボチボチの歩みをするが、カラ振りで帰宅する。野菜処理のシチューを仕込んで、旧PCを立ち上げて居ると、民生員のFさんが、お婆ちゃんの顔を見に来たとのご訪問である。はいはい、女は女同士の方が話が弾む事であろう。へへへ、親切な姉上にお任せして、自室でPC打ちを始める。

 25日は、ミゾレである。久し振りに、老母は体調が好いらしく、おやおや往年の美人さんで矍鑠(かんくしゃく)として居られる。朝食後は、寒いし、ネットが出来ない日々であるから、テレビを見ながら戯け独演会で俳優論をかまして居ると、11時頃に、次兄さんの登場である。

 Tとのスタバトークが控えて居るから、老母を次兄殿に譲って、部屋でコーヒータイムをする。

 ミゾレ混じりの雨も止んで、スタバの二階席は、満杯の態である。お互い、エアチケット代金を払い終えて、当ての無い貧民年金生活者のキンス(金子)のチマチマ遣り繰り談である。さてさて、来るべきボラカイのリゾートバカンスは、如何なる事と為るかである。今度行けば、三回目に為る。へへへ、手元不如意には、不如意の愉しみ方もあると云う物である。

 パッパ・タイムは、再びのミゾレであるから、社内喫煙としてホームセンター、スーパー経由のお開きである。お菓子昼食をしていると、アジァジァ、ミゾレはポタポタと雪降りと為って仕舞った。

 電話が鳴って、今度はM氏が顔を見せに来て呉れるとの事である。

 M氏は機械に明るいから、旧PCのネット立ち上げもしてくれるだろう。機械音痴には、氏は正にゴッドハンドである。ネットが通じて、積るよもやま話を隣室の炬燵でした次第である。


心何処ーショート 乱調日なり
                 乱調日なり。(2/20/12)
 今朝も冷え込みましたねぇ~。お天気は良かったから、エッイ、ヤッとばかりに寝床から起き上がったまでは、良かった物の・・・後が行け無かった。

 二日分の遅れを取り戻すべく、朝飯もサッサッと片付けて、二畳小部屋での<続き打ち>に入る。

 風呂に水を張って沸かそうとするが、異音がするだけで着火が出来ないで居る始末である。ガスボイラーの所に行って見ると、ポンプの空回り作動音だけで着火は見られない。本日もトイレの水に氷が薄らと張って居たから、二日続きの寒冷状態である。二畳小部屋から灯油ストーブを持って来て、ガスボイラーを暖める事にする。やれやれ、これは長丁場と為りそうである。

  この地は寒冷地であるから、年に一、二度は経験する腹立たしさである。

 そんな事で、窓越しの陽光の暖かさに打ち進めて居ると、今度はPCの作動がおかしな事に為って来た。ヤバイ、ヤバイ・・・こんな時に闇雲にカチャカチャ遣らかして仕舞ったら、とんだトバッチリを受けてしまう。何しろ、機械音痴の見本の様なロートルである。

 何度か、打った文章をパーにしている痛い経験が在るから、大事を取って小まめに保存をしながら試すが、コンニャローメで、一向に前に進まない。

 その間に、何度もボイラーを見に行く。まだまだ、凍結して居る個所が在るのだろう。きっとボイラー内の通水回路が、凍結で循環しないから、それを察知して着火が出来ないと云うよりも、安全装置が作動して、着火制御とかガスの供給が遮断する装置が、作動して居る仕組みなのだろう。
 一応の理屈は推理で来ても、文化系のロートルには手の施し様は無い。相手は、引火性の高いガスである。私は獣性が強い分、火には弱いのである。此処は故事に倣って、<君子、危うきに近寄らず>が、常識の範囲であろう。とほほ。

 小部屋のPCも臍を曲げて居て、言う事を聞いては呉れないのである。仕方が無い。メモリーに取って、四畳半定位置のPCに移して、先を打つしかあるまいか・・・ それでも、物は試しに一度電源を切って再挑戦して見るとしようか・・・ それが功を奏して、元へ戻った。さぁさぁ、夢奇譚テンションが萎えぬ内に、文字を残して置かねば、その後が続かないのである。文字の足跡さえ残して置けば、文字が文字を呼び入れて呉れるのであるからして・・・

 もうそろそろ、ガスボイラーも凍結解除かも知れぬ。風呂場に行って、追焚のボタンを押す。凄い勢いと音を立てて、ボイラー内に浴槽の水が入って行く。しめた!! 如何やら、ボイラー内の凍結個所が解けたらしい。ガスの着火音がして、風呂場のモニター版が正常表示されている。浴槽の取水・出水口から、モヤモヤした湯の揺らぎが確かめられる。

 ボイラーの作動を確かめて、灯油ストーブを片付けて、周囲に異常無しの胸の撫で下ろしである。

 遺憾いかん・・・今日は、散歩日和ではあるが、散歩時間を投入して続きを打つとしよう。先に老母に入って貰い、私は4頁から、進めて10頁までにコマを進める。

 こんなバタバタで、昼は大きく遅れての老母にはパンのあてがいで、私はコーヒーと干し柿を胃に入れただけの打ち進みである。漸く区切りが付いて、入浴である。

 洗濯物をして、アジャジャ、今度は5時では無いか。私も腹ペコである。ササッと手抜き夕食にして、洗い物を済ませて、本日分のブログ日誌打ちに取り掛かろうか。

 いやはや、完全にペースを乱されて、バタバタしている内に、無駄な時間の山を築いて仕舞った物である。誰に当たる訳にも行かず、トホホの乱調日であった。


心何処ーショート 同心円の一時
                同心円の一時(2/19/12)
 昨日は、頼まれ文章を打ってから昼寝をしようと、ピッチを上げる。これで、何時来てもOKである。コタツでウトウトし始めるが、文章の出来上がるのを待っていては、可哀想であるから、弟に電話をする。

 仕事が忙しいらしく、夕刻、寒い寒いと背中を屈めて部屋に入って来た。一か所、地名の処で達筆過ぎて、判読出来ない文字が在ったから空白にして置いたのであるが、彼も良く分からないとの事である。然らば、ネット地図で検索して置いたその市にして、可とする。

 一読して、<以心伝心>との事で、文面に挿入して貰いたかった行(くだり)と、相手の誠意の程を確かめるべく二段構えの文面構成に為って居る処に、流石の感心振りを示して、有難う有難うを連発して、早々に帰って行った。

 はいはい、そりぁ、好うござんしたね。人には、其々、得手不得手が在る。頼まれれば、自分の手の届く範囲なら応じるのが、人の道でもある。

 明けて今朝の冷え込みは、尋常では無かった。トイレの便器の水が凍って居る。ハハハ、今シーズン二度目の大寒波の襲来である。玄関鳥達は、飲み水が凍って、水入れ容器の前で身を丸くして居る。水を飲みたくても、相手は氷であるか。やれやれの段ではあるが、朝の始動開始をするしかあるまい。日曜のテレビは詰まらない。ついでであるから、トイレの,念入り洗い掃除までして、少々遅めの朝食とする。

 お天道さんが眩しいから、玄関鳥を廊下に並べ、昨日の寒さと、頼まれ文章作成で夜の二畳小部屋での夢奇譚の続きは、敢え無く断念してしまった経緯もある。従って、太陽の日差し満載の二畳小部屋で、続き打ちを始める。多少なりとも打ち足して行けば、先は見えて来る物である。

 おやおや、老母の部屋で、明るい大きな声が飛び交っている。手作りの昼飯自参で、倅ファミリーが婆さんに、孫を見せに来たのである。私のコタツ部屋の方がベットが無い分、広いから、部屋を暖めて移動しようとの老母の申し付けである。

 さてさて、区切りの好い処でOFFにして、灯油ストーブで部屋を暖める。箸、皿、お茶の用意をして、漬け物を切って家族の昼飯とする。約一ヵ月半振りのご対面であるから、老母様の舞い上がり様は大した物である。

 倅と老母は、無類の相性良しであるから、笑いの空気が上昇気流の沙汰である。小さい頃の共通の思い出話を交換し合って、兎に角、仲の好い祖母と孫の関係である。

「婆ぁちゃん、何食べたい? よそって遣るよ。」

「じぁ、お稲荷さんが美味しいから、貰おうかね。」

★あはは、吾が倅殿は、真に優しい。ニコニコして眼を細めて、婆さんの取り皿に、稲荷寿司、漬け物、高野豆腐の煮付けを取って、婆さんの前に出す。それをすっかり小さく為った婆さんが、ニコニコして両手で押し抱く様な仕草で、たどたどしく受け取るのである。

「お前は優しいね。孫を見せに来て呉れて、うん、本当に幸せだよ。こんな時が来るなんて、思っても居なかった。後、何回、孫の顔が見れるかね。」

「何言ってるだい。婆ぁちゃん、俺は、婆ぁちゃんの世話に為って居るんだもの。死ぬまで、長生きしましょや。ワハハ。」

「うんうん、ベットで一人居る時は、楽しかった事だけを色々思い出して居るんだよ。小さい頃は、一緒に好く遊んだね。本当に楽しかったねぇ。色々、辛い事も、楽しい事、面白い事もあったねぇ。」

「うんうん、色々あったねぇ。婆ちゃんは偉いねぇ。そう遣って、楽しかった時だけを、心の思い出にしてるんだから。俺も、見習わ無くちゃね。婆ちゃんは、好い事言うね。流石に、親爺を育てた人だわ。ワハハ。」

 いやはや、この二人は、名コンビ、好いコンビである。ラジオ深夜便では、<婆さん女優>として名を馳せた北林谷栄さんのインタビュー物があった。話を聞いて居ると、相当な婆ちゃん子だったらしい。私は祖父母は知らないから、祖父母と孫の関係は末体験ゾーンである。

 然しながら、倅と老母のゴールデン・コンビを見て居ると、北林さんの語り、想いが良く伝わって来る次第である。

「リョウスケ、お前の爺ちゃまは、面白いぞ。遊んで貰って、鍛えて貰え。散歩して、川で遊んで、魚取り、釣りを教えて貰うんだぞ。ついでに、勉強の仕方も教えて貰え。その代わり、メソメソしたり、間違った事をすると、直ぐ拳骨が飛んで来るぞ。おっかないぞ。

 父ちゃんは、見て見ぬ振りをするぞ。如何する~。大丈夫だよな。リョウスケは俺の子だからな。爺っちゃまは、男だぞ。怖いけど、優しいぞ。暖かいぞ。お前の好い処をちゃんと見抜いて、お前の個性を伸ばして呉れるぞ。良い人だぞ。

 スケベだけど、芯は真面目だぞ。真剣に当たれば、真剣に応えて呉れるぞ。凄い物知りだぞ~。勘も鋭くて、感性の豊かな人だぞ。話術も文章も絵も巧みだぞ。一杯、面白い事、為に為る事を教えてくれるぞ~。血の暖かい人だぞ。お前の中にも、爺っちゃまの血が流れて居るんだぞ。誇りを持てよ~。

 お前が大人に為ったら、俺と親爺が、大人の友達見たいな実のある話を普通に、淡々と話せる時が来れば、父ちゃんは嬉しいんだけどな。そう為れよ~。アハハ。」
 
「うん、そうだそうだ。この婆だって、テレビを見てて、色んな事を教えて貰って居るんだよ。手が掛らなく為ったら、此処に連れて来て、遊んで貰え。自由に遊んで貰え。男の子は、軟じゃ駄目だよ。人に云われて、考えるんじゃ無くて、自分で自問自答して、ちゃんとした行動が出来る人間に為るんだよ。勉強が出来る出来ないは、二の次だよ。生一本の性格に為って欲しいんだけど・・・ 人の気持ちが分かる、暖かくて、好い人間に為るんだよ。

 そうかそうか、お父さん、お母さんもその気なら、婆の眼の黒い内に、遊びにおいで。泊って行けば、もっと面白いのにね。この大婆は、それまで生きれるかな。もう、95だからね。

 でも何んとか、生きたいね。こんな婆だけど、ボクに記憶を残したいね。何か一つ位、教えたいんだけど、もう頭が呆けて来て、何も教えられ無いしね。若かった時は、これでも頭は確りして居たのにね。もう、馬鹿で情けないものね。」

「お婆ちゃん、何を仰います事やら。凄い事ですよ。こんなに頭が確りして居て、こんな風に、普通に話せるお婆ちゃんなんか、居ないですよ。遺伝子は確り繋がってますよ。
 それに、家には、お父さんが二人居るもの。本当に、そっくり。仕草、話し方、性格が、お父さんにそっくり。後は、隔世遺伝を祈るだけ。お父さん、このモツ煮も最高。」

 倅、嫁、老母ともに、リョウスケを私に預けて教育をしろとの要請である。きっと、面白い男に育つとの事である。左様でござるか。親爺も爺っ様も知らずに育った私が、これからの老後は、親爺、爺っ様の一人二役を演じ切らねば為らないのであるか。いやはや、頼まれれば、嫌と言えない小心者の善人だけが取り柄の男である。

 沢庵漬けを土産に、倅ファミリーは、来月のお彼岸に親爺の墓に参った後に来るとの事である。ヨロヨロと杖を突いて、壁に寄り掛かりながら、玄関で倅ファミリーを見送った老母は、高揚した体力回復の為に、早々にベットの中へである。

 倅ファミリーよ。アリガトさんよ。これで婆ちゃまも、ベットの中で楽しみのシーンをまた一つ加える事だろう。

 為る程、倅は私には出来過ぎた倅と云って良かろう。人生とは、喜怒哀楽の中に生きる物ではあろうが、楽しき思い出の同心円さえ持つコツを覚えれば、楽しき同心円の一時を共有出来るのが、人間の生きる業の一つなのであろう。

 小我を張って仕舞えば、其処には異心円の波頭が、逆巻くだけの感情波に揺れるヤジロベーの世界でしかあるまい。ふ~む、また一つ教えられた気持ちにも為る、愉しき一時であった。


心何処ーショート いやはや・・・とんでもない連中である事か。
       いやはや・・・とんでもない連中である事か。(2/18/12)
 いやはや、小雪の舞う寒い朝である。炊飯器を入れるのが遅かったので、朝飯はお菓子食とする。

 スタバの二階席は、空き空きとして居る。おやおや、こんな事は珍しい物である。干し柿を齧りながらのコーヒータイムである。そんな何時もながらのトークをして居ると、弟から電話である。一つ、文章を書いてくれとの事である。彼は、文章作成料として、一緒に昼飯を食べようとコンビニ弁当を買って来た処、私は既にコーヒースタバで不在との文句である。

 へへへ、<番から男子高のOB会>の様な物であるから、来ると云う。ゴールでウィーク手前で、フィリピンの観光名所・ボラカイ旅行との事であるから、二人とも、その心算で居てくれとの事である。Tのヤツは、ギョロリとした眼玉で宙を見る仕草で、その日程を頭にインプットした様子である。その後のニヤニヤ顔は、果たして、何の条件反射かは不明の処でもある。

 いやはや、またまた<好色ハチャメチャ談議>が始まって終った。この好き者が!!

   それにしても、傷心の吾が胸中に関しては、二人とも一言の脚下である。

「馬鹿野郎が、俺の<純な大御心>を、糞味噌にこきゃがって。手前ら、他人の不幸を楽しんで居遣がるな。嗚呼、俺ぁ、こんな薄情連中とは、一緒に旅行になんかにぁ、行きたくは無ぇわさ。フン。このド助平野郎共が。」

「何をこいてるだ。他の分野じゃ逆立ちしても、太刀打ち出来無ぇんだ。中国・韓国の諺には、<川に落ちた犬は、寄って集って棒切れで叩きのめせ>って云うのがあるだろう。千載一遇、絶好のチャンスだぜや。どうせ、俺達には他人事だ。この際、踏んだり蹴ったりして、下衆の勘繰り、ゲラゲラ笑いに興じるのが、人生の愉しみじゃ無ぇか~。なぁ~。」

「そうさや、日本だって、<自分の不幸は自殺物、他人の不幸は笑いネタ>だんね。Tさん、兄貴は幾ら扱き下ろしたって、しぶといから、死にぁせんわね。物を書く肥やしにすりぁ、好いんだわさ。あれずら、好い言葉がポンポン浮かぶずらよ。イヒヒ。」

「カァ~、なんちゅう連中だいな・・・ これじゃ、下衆集団の民主党に祖国日本を乗っ取られても、当然のベクトルだぜや。今、進行中の第八部の読書感想文を提出させて、確り赤ペン攻撃で、その腐り切った性根を糺して遣らなきゃ、死んでも死に切れんぜや。」

        何なに、何時に取りに来るってか・・・ 糞っ垂れが。

 まぁまぁ、コケにされるのは毎度の事である。頼まれ仕事は、人助けでもある。物を考えるのも、スカンポ脳の呆け防止のブラシアップにも為ろう。さてさて、パッパは寒いから、車内で吸って、ボランティアでも致しましょうかね。


心何処ーショート 見えるかな~?
                   見えるかな?

                 見えるかな~_001

 散歩の途中で、好い雰囲気があったから、絵にしようと確り頭に入れて来た風景である。一応、絵にして見た処、如何も収まりが付かない。如何したものかと煙草を吸って部屋を見渡して居ると、バルディナさんの写真が、此方を向いて笑って居る。好い具合の白い雲だったのであるが・・・単なる雲では絵に成らないと云う結果であったから、雲に彼女の顔を入れて見た次第である。

 何と何と・・・それをして見たら、不思議な事に絵として収まりが付いて仕舞った。大した御利益である。夢奇譚・第八部も打ち始めた事でも有るし、その挿絵としても使えそうである。

 何だかんだと云っても、お絵描き遊びは、予期せぬ事が在って面白い物である。彼女の頭の上に、何となく人間の顔の様な物も浮かび上がって居るから、仰天物なのである。意図して描いた物では、全く無い。

 これが写真なら、へへへ、・・・怪談話の稲川淳二先生が見たら、完全に心霊写真として、一話頂戴出来るかも知れぬミステリー・ゾーンであろうか。

 牡丹灯篭のカラン、コロンの下駄の音に惹かれて、私も夢奇譚ばかりに嵌って居ると、異次元世界に連れて行かれ放しに為って終う『危険域』に差し掛かって居るのかも知れぬ。

 小さな太陽の位置と天空の薄い青空とアルプスの白銀。それと盆地に蓋をする灰色雲のたなびきと、その中に浮び上がる白人らしき顔の意味する処は何か!!

       何方か、解説して下さるお方は、御座らぬか。

心何処ーショート 91と95、吾が将来は?
91と95、吾が将来は?(2/17/12)
 昨日は午後から、好いお天気さんで、気持ちの好い長散歩が出来た。途中、小学生時分の仲の好かった同級生の家が在る。良いお天気さんであるから、彼のおふくろさんが、通りに面した庭石の上に、チョコンと腰掛けて日向ぼっこをしていたから、声を掛ける事にした。

小学生の頃は、良く遊びに行った物である。二、三度、田植えの手伝いに行った事もある。丸顔で体付きもコロコロして居て、兎に角、ズケズケ物を言う元気なオバさんであった。彼は一人っ子であったから、オバさんとは違って実におっとりした性格であったのだが・・・オバさんも高齢域ですっかり小さく為って、高齢者特有の好々婆の風貌である。
 
立ち話をするが、へへへ、オバさんには私の記憶は無かった様子である。歳を聞くと91との事である。ご本人曰く、<もう大分、呆けが回って来た。>との事である。

オバさんと比べると、95の老母の頭の巡りは、驚異的な物が在る。口では<呆けて、生きて居るのが、情けない限りだ。>と体裁振って『人聞きの好い事』を言うのではあるが、チクリチクリと小心者の倅の胸中に棘刺すのであるから、脳の健全振りは、驚きの範疇に入る。

まぁ、私としては普通の声のボリュームで、私の普通の言葉・テンポで親子漫才が出来るのであるから、有難いお天道様の御加護と云った処である。良い母親の下で、反抗期も過ごさせて貰ったと云う処であろうか・・・  時々、不出来な倅の私は、特大の三尺玉の大花火を脳天に炸裂させてしまうのであるから、大所高所からすれば、大罰の誹りは免れない軽挙妄動なのかも知れぬ。依って、ギャハハ~の一過性で、逃げるしか方途はあるまい。

 本日は朝の内は、細かな白い物がチラ付いては居たが、それも止んで灰色の濃い雪雲がじっとして居る。金曜日であるから、母の入浴の為に風呂に火を付ける。ラジオの国会中継をBGM代わりに付けて、二畳小部屋の旧PC、四畳半定位置のネット接続PCの手垢で汚れ切ったキーボードを拭き拭きして綺麗にする。汚れが落ちると、キー打ちをしたく為るのが、単細胞人間の人情と云う物である。

 朝の予定だと、昨日から打ち始めた第八部の続きを打とうと思っていたのだが、それは後回しで良かろう。昨夜は、小水槽の流金が一匹、変な泳ぎをしてノビ掛って居たのを、隣水槽に入れて置いたのだが、正常に泳いで居る。先ずは、目出度しの感である。

中国語コメント爆撃も、漸くコメントに数字入れでの投稿の方法が分かって、清々した処でもある。現在だから正直に言うと、機械音痴のロートルには、置き土産の全数削除には、言いたくは無いが・・・一週間を要した根気仕事であったのである。とほほにして、『この下衆野郎、糞っ垂れ~!!』 の怒り心頭と疲労沙汰であったのである。

さてさて、風呂も沸いた事でもあろう。老母を先に入れて、私は洗濯機を回して、入浴後は浴槽洗いとするか。

心何処ーショート ニャロメ、一言多いんだよ。
      この糞婆ぁ~が、一言多いんだよ。とほほ為り。(2/16/12)
 
 朝食後のお茶の時間をして居ると、老母が言った。
「鳥は何年目だ?」

 会社を辞めてから飼い始めたのだから、四年なのだろう。それ以前に、旅行で家を空けても死なない魚を飼う事にして居たから、最初に飼ったのはグッピィであった。

 最初の頃は、水が合わなくて全滅、全滅の憂き目に遭いながら、川の水で飼う事を思い立って、水槽の水を全部川の水にして、二年ほどの誕生・死の生命循環のグッピィ王国を観賞する事が出来た物の・・・ その後は、とぼりにとぼってグッピィ、ヒメダカは机上の水槽住人からは、死に絶えてしまった。きっとその原因は、小水槽に住み付いて仕舞ったバクテリアの作用なのであろう。その後、グッピィ、ヒメダカを投入し無かった水槽である。

 最初からの金魚達は、順調に水槽住人の地位を築き上げて居たのだが、ある日突然の絶滅に成って終った。200円弱の金魚達が2000円前後の成長振りであったのに、何時もの様に餌を遣ったら、あれよあれよの間の<一両日の間>に、有ろう事か・・・絶滅の金魚槽の崩壊の様であった。その後の金魚達が、現在の水槽住人達である。

 魚は毎日の餌遣り、世話の煩わしさが無いから、旅行にも行ける。そんな事で、物臭の私には、重宝な目の保養と為る代物である。
 一方、小鳥は番いで飼って居れば、年に何回かの繁殖観察も叶うから、それなりに面白い目の保養に為るのだが、毎日の水替え、餌遣りが必要な処が面倒なのである。

 現在の三番いの金華鳥は、全て血で繋がっている間柄である。最初の親番いは、死んだか、部屋に入り込んだ猫の鳥籠ひっくり返しで逃げてしまったのか?は、定かでは無いが、同腹である事には間違い無いのである。

 老母の質問に、こんな事などを織り込みながら、小動物の飼育思い出話をした処である。

 さて、三寒四温の言葉を引き合いに出して、春のノック、足音を実感したい気分は山々為れど、何んと昨日の寒さであっただろうか・・・ 個人スーパーまでの歩きで、すっかり散歩細胞も委縮して仕舞った昨日である。寒さに堪らず、四畳半定位置を辞して、コタツ部屋で夢奇譚・八部の構想を万年筆で書き始めて居ると、蛍光灯が<寿命の点滅>をし始めて終った。口実が出来て、歩きで行くか、自転車で行くかの選択肢も、忽ちにして車選択に移行して仕舞った寒さであった。

 それにしても、本日も寒い。寒いと何事も億劫にして、面倒臭く為るのが、人情と云う物である。

「ああ、俺も偶には、世話をして貰いたいもんだわな。さてさて、早い処、洗い物と米を研いで、玄関鳥様のお世話でもするしか無いわな。餌が無ければ、鳥は直ぐ死んじゃうからな。はいはい、疲れたら、ベットの中へ入っておくれ。」

「ご苦労さん、人生、これも色々。」

 ニャロメ~、糞婆ぁが。ニヤニヤして、胸にグサリと来る事を言い遣がる。落ち目の三度笠、顔で笑って腹で泣いてるピエロ役者にして見ても、<人生経験の長さ>に於いちゃ、倅の私が逆立ちをしても、キャリアが違い過ぎる。怒って見ても、軍配は私には挙がる訳も無し・・・ 

  ♪幼馴染の観音様にぁ、俺の心はお見通し。背なで泣いてる唐獅子牡丹~。♪
健さんの唐獅子牡丹の唄じゃ無いが、相手が幼馴染の観音様以上の、母親なのであるから、倅の胸中のお見通しの眼力に、四の五のは言えませんわな。

   ★糞っ垂れが、俺ぁ、見掛け倒しとは、出来の土台が違うぜや。
      何のこれしき、理性とプライドで、乗り切るまでよ。

「はいはい、仰せの通り。人生、色々でヤンスよ。頑張るわいね。」

 台所仕事を終えて、玄関鳥の執事をこなして、底板の糞落としを外でして居ると、どの籠にも小さな白い卵が産み付けられている。へへへ、三寒四温の登場には、まだ間が在る物の・・・日伸びする春に向かって、玄関鳥達は繁殖に向けて始動を開始している様子である。

 さてさて、空も幾分明るく為って来た。気分一新に、散歩に出掛けて来ましょうかね。


心何処ーショート 本日、お天道様の無い日に成りそうである。
       本日、お天道様の無い日に成りそうである。(2/15/12)
 老母の洗面中に、パパッと掃き掃除をして、空気の総入れ替えをして朝食の用意をする。

 老母は昔人間であるから、私の作るモツ煮には箸を出さない。デカイ声じゃ言えないが、私の作る、ぶっ千切りコンニャクをたっぷり入れたモツ煮は、美味いのである。トロロ汁、漬け物、ハム、山海漬けで、小食の朝飯をゆっくり、ゆっくり食べる老母様である。

 へへへ、老母のスローモーさは、パパッと掻き込んで済ます私の倍以上の食事時間である。

 さてさて、朝飯も済んだし、飯も無いから、片付けをして米を研ぐとしようか。もっとゆっくりして行けとのお誘いではあるが、テレビに時間を取られるのは、馬鹿らしい。

 食事が済んだら、片付けて洗って終う。これは、Tのマメさを見習って、採用して居る新習慣の一つでもある。片付けて置けば、ゼロからスタートが出来るから、面倒ではあるが、ゼロスタートからだと腹も立たないのである。

 私は真にズボラで人間鍛錬が出来て居ないから、食器洗いからのスタートだと、何かと、何で男の俺がこんな事をしなければ為らないのか、世の中、不公平が多過ぎると、血が逆流して仕舞う事が、しばしば有った物である。そんなマイナスからのスタートの転換に、T方式がお手本に為った次第である。

 新しい米袋に鋏を入れて居ると、元気なヤクルト・コールである。おいおい、もう水曜日かいな。

「おぅ、もぅ、ビックラこいたわ。チョイと待っておくれや。」

 財布を取りに自室に行こうとすれば、おやおや、今日はマスクをしたお譲ちゃんと一緒である。左様であるか。先日の戯け画はお見せする事は叶わぬか・・・である。

「如何した? 風邪引いて休みかい?」
「インフルエンザで、学級閉鎖なんですよ。」

 ヤクルトママさんは、こんな処が母子の情愛が在って、優しい女性なのであろう。小学一年と云うお譲ちゃんは、大柄で顔付はきっと父親似なのであろう。人見知りの強い感じの子である。気分解しに、吊るし柿とタッパに沢庵があったから、それを持って来て、食べるかと聞くと、頷いて沢庵に小さな手を出して、口に入れた。ははは、流石に信州人である。

「如何だい? お母さんのと比べると、どっちが口に合う?」
「家のは、甘口で漬けてますから、美味しいけど、塩っぱいですよ。」

 へへへ、減塩・減塩傾向のご時世だけど、人間の味覚には、塩気は避けて通れない物である。その証拠に、お譲ちゃんはタッパの沢庵に、またまた手を伸ばしているのである。うん、正直で中々宜しい。娘は辛党、母親は甘党らしく、吊るし柿に手を出さない娘の分を、ママさんに持たせる。

 朝の冷え込みは無かった物の・・・日差しの無い曇天の風は、一向に暖かさを運んで呉れない。ファンヒーターを付けて、甘酢漬けのカブの漬り具合を試食しながら、アメリカン・コーヒーにウィスキーを垂らして、散歩に出掛けるか、様子を見るかの模様眺めである。何しろ、昨日の散歩は、酷い目にあって終ったのであるから。

 まぁ、ジャンバーでも来て、個人スーパーに駄菓子でも買いに行って来れば、良かろう。

心何処ーショート 嗚呼、拍子抜け。 
                 煙草と妄想

              嗚呼、拍子抜け・・・(2/14/12)
 起きると、雪が少し積もって居る。竹箒で玄関前だけ掃いて、ゴミ出しをする。寒くは無いから、直ぐ溶けるだろう。

「はいはい、飯は未だだから、寝てて良いよ。チョイと掃き掃除と、空気の入れ替えをさせて貰うからね。」

 そう云って、朝の始動開始である。風呂の用意をして、部屋部屋を掃いて回り、玄関鳥の餌と水の取り換えをする。親鳥番いの藁巣には、二つの卵が産み付けられて居る。国会の菅無理前総理の原発事故初動対応に対する証人喚問が、昨日のラジオニュースで報じられていたので、大いに期待していたのだが、そのテレビ、ラジオ中継も無さそうである。

 私としては、こんな大事な国会検証、国民検証を電波で流さない処に、日本国・日本社会の大きな問題が横たわって居ると痛感するのではあるが、・・・ とどの詰まりが、好い加減な世相を反映して居るのが、マスコミの正体なのであろう。

 仕出かして仕舞った自分の責任を真摯に反省して、再発防止に資する真っ当さも持ち合わせずして、殊更自分の不利、不利益な事には、ピンからキリまで、頬被りをして<人の噂も75日>を決め込んで居るのである。従って、史上最低の総理と云われただけの事は在る。

 どんな報道基準・序列があるのかは、一向に知る術も無いが、番組編成・放送者は表層的なバレンタインデーとかの軽い笑いで、番組行進をして行く。真に以って、ふざけた時代に成り下がって終った物である。

 仕出かして仕舞った大失態に関しても、その説明責任の言葉、態度も、<他に厳しく、自己に大甘。>の厚顔無恥・出鱈目コーナーの蔓延沙汰である。政治家・官僚・専門家・識者はもとより、個人の生き方一つ取っても、何が成人、社会人・組織人・父親母親、祖父母であるか!!

♪離すもんか、ソーセージ。折角、掴んだソーセージ、離すもんか、ソーセージ。
 痛いよ、痛い。赤チン付けても、治らない。クロチン塗ったら、毛が生えた。♪ 

<自分自身の行い姿>を鏡に映して、客観的自己存在との自問自答をすら、出来ない自己中心の行ない様の<見苦しき姿も自覚出来ない>様な連中が、自己防衛、自己保身の言を吐いて居るだけの実態では無いか!! 

 多分、渡部昇一先生の言葉だったと思うが・・・歴史とは虹を見る物にして、その距離と角度を間違うと、虹は見えず、個々の水滴が見えるだけとの事である。蓋(けだ)し、名言である。流石に、学者先生の形容である。

 古人が良く事象を喝破した様に、<木を見て森を見ず><一書、悉く信ずるは、書無きが如し>の渡部昇一バージョンなのではあるが、知性、判断力、行動の大本の自己存在・自己分析に関する『客観的思考の未発達さ』には、目を覆いたくなる様な世相の衰弱振りを感じざるを得ない処である。
 
 己が行く道、己が歩んで来た軌跡に際して、個々の自己主張の水玉を幾ら挙げ連ねたとて、自身の道、軌跡に一本の方向性すら描けずに居たとしたら、己が客観性、人格の成長は、満足するに足る行き方・生き方なのだろうか? 自分で、自分の絵を汚す事ほど、愚かにして寂しい事は無かろう。私には、大きな謎である。虹を見てこその自分に対する精神の安定は、得られるのでは無いだろうか。

 斯様にしてそんな軽薄の相手には、<冗談も、好い加減にしなされや。>と言いたくとも、日本中ピンからキリまで<自己中のオンパレード>に没して居るのであるから、『人間本来の真っ当さ』が弾き飛ばされて終って居る現状からすると、<我が人生、最大の恥辱と屈辱>を味合わされた吾が身としては、貝と為って殻を閉じるか、寝た振り老人で戯け話に興じるしかあるまい。

 こんな輩達には、異次元回線にてウクライナのライオン女・ナターシャの黒鞭で、男には睾丸鞭、女には恥骨鞭の大粛清の要請を報告して、祖国の精神の真っ当さを立ち直らせて貰いたいと、願う次第である。 
 
 朝食後は、地中海のハヤブサ映像をとっくりと見た後は、入浴・洗濯とする。

 さてさて、家にばかり居ると、何かと気の滅入る連想メルトダウン症候群と為って仕舞うから、軽めの散歩でもして参りましょうかね。

 出だし好調なれど、途中雪、更にミゾレ、コース短縮の帰りは雨である。部屋で暖房の熱々練乳コーヒーを飲みながら、外を見遣れば・・・水分多きカミ雪の大きな雪が、ザンザンと落ちて来て居る。どんなに降っても、積らぬ雪の儚さである。

  いやはや、散歩をして来て良かったと云う物である。とほほ・・・なり。


心何処ーショート これも、何かの作用か??
             これも、何かの作用か?? (2/13/12)
 今日は寒さも緩んで、日中は6℃まで上がるとの事である。お天気は下り坂の夜からは、雪または雨との予報である。薄陽の差した間に、老母の部屋を全開して真似事掃き掃除の空気の入れ替えをした後に、吾が居住区の手抜き掃除と空気の総入れ替えをして、朝飯である。本日の顔色は好いから、朝食後は馬鹿話で顔を解して遣る。

 さてさて、米が無くては、オマンマが喰えない。自転車で米屋さんに行く。甘過ぎるコーヒーを頂戴して、差し障りの無い話を交わして帰って来る。米を玄関上がりに置いて、動きついでであるから、土曜日に忘れてしまった安物イヤホンを買いに、スーパーに歩いて行くが無い。

 然すればチョイと足を伸ばして、コンビニに行くとしようか。然し、此処でも無い。為らば、思い切ってホームセンター迄行き、散歩の替わりにするしかあるまい。

 こんな羽目に為ると、脳細胞よりも運動末端細胞に扱き使われている様で、苦笑いしか出ない。ホームセンターでは文房具類を買って、街場の河川敷に下りて、ボチボチ帰って来る事にする。雪の消えた葦原に、アオサギが翁の様な格好で佇んでいる。

 米屋さんに向かった時は、綺麗な流れではあったが、こんな工事濁りでは、流れの獲物の姿形も見えまい。アオサギからしたら、人間はとんでもない事を遣らかす動物なのであろう。

 この辺りは、上のアスファルト道をテクテク歩くだけである。下りての河川敷散歩はしないから、今まで気付かなかったのであるが・・・ この辺りには、マメな老人が居て良く河川敷のツツジ、サツキ、花壇の世話をしている姿を良く見掛ける処である。

 ツツジのベルトは、私が通常散歩する辺りは、灌木の伸び放題のベルトと為って居るのであるが、この辺りのツツジベルトは、下刈りの手が入って下がスッキリして、上に枝葉が繁茂している。為る程、植木、植栽に覚えのある人の手に掛ると、こんな風に整えられて行く物なのかと・・・大いに感心させられた。

 橋の架け替え工事も完了して、上下に在った仮橋も取り外されて風景が変わって仕舞った感じがする。レジ袋をプラプラさせながら、河川敷の細道を歩く。薄曇りの太陽の隠れたお天気さんではあるが、無風の歩くには暑からず寒からずの、丁度良い気温である。

 不図、十年、二十年前の川の流れが思い出される。そうだそうだ・・・此処には大きな抉れ場所があって、その深場には大ヤマメが居て、何度も糸を切られた物であった。大きな野鯉も居て、そんな野鯉を釣って鯉こくにして食べた事も有った。落ち込みの前にも深場の流れが在って、その瀬際をテンカラを振り込めば、大ヤマメのジャンピィングに、興奮して、病み付きに為って居た物であった。

 そんな事に気付くと、流れは反対側に移って居るのであった。現在流れている流れの高さは、大分高いのではあるが、現在の流れを刻んだ川床は、そんな事にはお構いなくスムーズに、何年も変わらぬ流れを見せて居るのである。
 自然下の流れの激変様に想いを馳せると、こんな街場の小さな流れでしか無いのであるが、何故か、それがズームインされて来る物である。グゥとズームインされた流れの変化を、今度は小さな流れを荒涼たる大地の拡がりに拡大して行くと、今度は違う様相に見えて来る。

 拡大と縮小の視点交差をして行くと、妄想は既に時空の規制枠を飛び出して、脳内収納庫の引き出しを開け始める。

 そう云えば、シルクロードで有名な楼蘭に纏わる話として、東トルキスタンの東部ロブ砂漠には、彷徨える湖・ロブ・ノールが在って、湖の移動に依って、中継貿易で栄華を極めたと云う楼蘭は、何時しか砂漠に埋もれた廃墟に為ったとの歴史も在ったそうである。そんな本を、読んだ記憶すら蘇って来るから、人間の記憶の一瞬の蘇り作用とは、真に以って不可思議この上ない物である。

 この辺りは、日常的に散歩して居る一帯なのに、不思議な事に今日の今日まで、一切、頭に過去が浮かんで来なかったのに・・・である。

   へへへ、脳裏に暫し遊ぶのも、散歩の効用と云うべき物であろうか。

 米屋さんで長居をして仕舞えば、イヤホン買いの気も起らなかったかも知れぬ。スーパー、コンビニでの空振りが無ければ、ホームセンターまでの足伸ばしも無かった筈である。
 色んな組み合わせ、配合で、無意識下の脳内収納庫の扉が、不図開放されて共通項の連鎖で、面白き脳内散歩も叶う人間の脳味噌の仕組みとは、実に興味深い装置と言わざるを得まい。


心何処ーショート 窓から庭を眺める半日かな。
           窓から庭を眺める半日かな。(2/12/12)
 暖かい日ではあるが、大きな雲が浮かんで居るから、太陽が隠れると寒い。二畳の小部屋から、窓越しの外を眺めながらのラジオ聞きである。庭の半分は日陰であるから、雪が薄っすらと残って居る。私だけが日光の恩恵に与って居ては申し訳ないから、玄関鳥を廊下の日当たりに置いて遣る。

 散歩の折には、兎角、河川敷の方々に、モグラの土盛りがボコンボコンと見えるし、樹上のカラスの姿が頻繁に見える。日の長さの進捗は、<繁殖の時告げ>でもある。適当サイズの藁巣が無いから、餌入れ容器を代用して居る処であるから、容器の上部に目隠しの覆いを付けて遣る事にする。とは云え、紙を折ってのガムテープ貼りの好い加減さである。

 朝の凍って居た地面も融けて、濡れた地面に苔の緑を陽に膨張させている。如月の陽の中に、風にそよぐ木々の揺れは明暗を分けて居る。時折、風に舞う乾涸びた楓の落ち葉の小ささが、まだまだ風の冷たさを伝える次第である。

 老母は炬燵で喉自慢を見て、私は殻付きピーナツを割ってポリポリさせながら、ラジオでそれを聞いて居る。小部屋の軒下に、鳥籠一つを吊るして、ピーナツポリポリを続けて居る。これを遣り始めたら、中々止まらないのが奇妙な処なのである。

 風に吹かれて、空は一面の青空にも拘らず、中天に移動してしまった太陽の恵みは、通り過ぎて小部屋の温度を下げて居る。空を風に煽られて、トンビの飛翔が南から北へ流されて行く。日陰小部屋に、喉自慢の放送と殻を割る音と最終者への合格の鐘の音が鳴る。

 さてさて、本日休養日の日曜である。火の気の無い日蔭部屋から炬燵部屋に移動して、転寝誘いの漫画本でも読みながら、午後の一時を遣り過すと致しましょうかね。

 福島東電原発は、ドジョウ総理の低温停止宣言をした物の、水温上昇は未だ収まらぬとの事である。困った事ではあるが、民主党政権の<一事が万事の体たらく様>を投影して、遅々として進まない震災・原発事故の政治、行政のモタツキ振りを曝け出して居る。
 全てが映像報道の現代に在って、パフォーマンス政治は避けて通れない現実には違い無かろうが、パフォーマンスに走り過ぎると、結果として<赤っ恥>を掻かされると云うのが、世の習いなのであろうか・・・

 イチイの密集した枝葉の中に、動く物を発見。おやおや、ウグイス殿では無いか。左様であるか・・・先日は、早春譜では一番の主役がウグイスの登場であったから、お礼に姿見せに遣って来てくれたのかも知れぬ。へへへ、人間界よりも、律儀の世界かも知れぬ。


心何処ーショート イッヒッヒ!! 一枚の絵為り。
           イッヒッヒ!! 一枚の絵為り。(2/11/12)
 洗い物を終え、布団を敷いて、・・・湯たんぽを入れて、コタツ部屋に移って、ラジオ深夜便を聞く。温泉ミネラルウォーターの熱い湯で、お茶代わりの極薄アメリカン・コーヒーを啜りながらの一服の一時は、好い物である。

 落書き帳の一枚を切り取り、シャープペンシルのお遊び時間としようか・・・である。

 さてさて、就寝の瞼の重さを待つまでの間の呆け~タイムの過ごし方ではあるが、別段、何を描きたいの思いも無い。でも、何か描く対象を決めなければ、落書き帳の毟り取りは、白紙のままでしか無い。

 へへへ、 そう云えば閉じ籠り賄い夫の水曜日の主役は、ヤクルト・ママさんである。ママさんを対象とした戯け画は、未だ一枚も無かった。然すれば、戯けトークの雰囲気画でも、描いて見ようかの段である。ひまじん兄貴の<34歳、ヤクルトママ、一度顔と体が見てみたいです。熟れごろですね。あっ、よだれが・・・>のお言葉も在ったのであるからして、ヤクルト・コールのトーク・ムードでも戯け活写して見ようか・・・である。

       さてさて、如何なる戯け画に為る事やら・・・・・

 ラジオでは国民総幸福度指数を標榜するブータン王国についての、坊さんにして大学の先生のお話である。シャープペンシルの線画も出来て、色塗りのお時間前の一服タイムである。真面目な精神、哲学のお時間に、吾が身は大きな口を開けて助平笑いをするノドチンコに、あろう事か・・・とんでもない物を入れてしまった物である。

 遺憾いかん・・・これでは、ブータン国使が飛んで来て、スカンポ脳を素手でポカリと遣られて終い兼ねない。余白を何んとかして、アレンジの工夫で<ギャハハ逃れ>をするしかあるまい。

以上で、有難いお話も時を失しては、修正の利かない後の祭りと云う事である。

 明けて本日、朝の内に薄らと雪である。困った今冬の寒さである。Tのお誘い電話を受けて、本日は先週の分の干し柿をポケットに4つ入れて、女店長さんへ貸し出し用の夢奇譚小冊子、Tの奥さんの囁き<Rさん、沢庵漬けはドンドン持って来てよ。家で全部消費するからね。>であるから、それも漬け物容器から出して、用意をして置く。

 季節柄か、本日は大変な混み様である。光の中には、一足早い春の色が出て来ている。ブラインドの下がった窓際席に座るが、矢張りこの場所は暑い。真面目に勉強して居る学生達の姿を見ると、自分にも、そんな時期が在ったのだと・・・些かの苦笑いと、エールを贈る気持ちにも為って来る。

 深夜に描いた絵を開いて、Tに見せると。

「ひまじんさんも面白い人だ。凄いインテリ紳士の筈なんだけど、ポロリ、チョロリと落とす<とぼくれた味>が、奥の深い人物だもんなぁ。その人が、この絵を見たらどんな顔して噴き出すのか・・・ まぁ、良くもまぁ、こんな白ばくれた絵を描けるもんだわ。
 
 そうそう、ナニワの♪さんも、彼女も只者じゃないわな。<きゃはは>で始まって、<要経過観察><こぼれ種>なんて、軽快なテンポで笑いを残して行くんだからなぁ~。

 ブログ読者としちゃ、お前の云う様にブログ本文だけを読んで居ちゃ、書き手の<他所行き一面>しか見れないんだけど、コメントに現れる往復文章には、本文からは中々見えて来ない、其々の人柄が垣間見れて来る。その両方が見えて来ると、一段とブログ世界が面白く拡がって来るんだから、ほぅほぅの面白さがあるんだよな。

 コメントの遣り取りを覗き見るのも楽しみの一つなんだけど、コメント数が圧倒的に少ない皆無状態の処が、Rのブログの切ない処だわな。アハハ。それで、コメント爆撃の瓦礫処理は終わったのかい? あい~。」

「3・11から11カ月の経過だけど、遅々として進まないのが東日本大震災の被災地じゃないのよ。信州松本へのピンポイント重爆撃機の被災地ザマですがな。片付く訳が無ぇじゃねぇか。面見たら、頭から煮え滾った黄金水の肥え桶をぶっ掛けて遣りてぇわさ。

 怒り心頭、恨みのガンガン節よ。護国神社の大松に、藁人形に五寸釘で呪詛しに行きたいのは山々為れど、こう寒くちゃ~、丑三つ詣でなんか出来ねぇんだわさ。重爆撃で弱った身体じゃ211万人のインフルエンザ患者の一人に加えられちゃうのが、落ちだべさ。」

 何分、付き合いの長い腐れ縁の好色ヤクザもどきのコンビであるから、Tにして見たら私のブログに眼を通すだけで、魔法使いの霊視女ナターシャ以上に、脳内霊視が直ぐ様、回り始めるのだろう。へへへ なのか にゃはは なのか コンニャロなのか、先回りをされて、アッシャ~、はい、何も申せませんわね。
 
 外でパッパタイムをした後は、ホームセンター、スーパーと回るが、先日大量買いをして仕舞った後であるから、コンニャクだけ、コンニャクだけと呟きながら、スーパーから出て来た次第である。

 T曰く、託児所の園長先生の様な物であるから、童歌を唄って居るとの事である。

 ★胃無し男、スタミナ不足の品行方正の日々為れば、勃起つか、タタルカン!! 
 ★タチュケテ~のニゲルカンに墜ちるか~?? 

 へへへ、孫中心の来宅と為れば、<然もありなむ。>であろう。早春譜は、まだまだ、幼児には早過ぎて、♪明かりを付けましょ、ぼんぼりに~で、今日も、デレデレ。

 細君に、<じぃ~じは、孫に甘過ぎる。良い悪いは、ハッキリ教えて遣らなくちゃ行けないのに、大甘で、もうもう、見ちゃ居られない。少し、お説教をして遣って下さいよ。>のスケジュールなのである。


                 ヤクルト・トーク図


心何処ーショート これも、老母と倅の一コマなり。
          これも、老母と倅の一コマなり。(2/10/12)
 昨日は車で来たついで、少々遠回りをして食料調達をして行こうと思った。貧民の家計費に占めるエンゲル指数は高位置を占める。このスーパーは、ボリュームの大きさで差別化して居る店である。老母と二人の生活であるから、少量多品が合理的には違いないが、如何しても<目先の欲の衝動買い>をしてしまうのが、貧民根性と云うものであろう。きっと育ちが、悪過ぎたんでしょうかね。とほほ。

 その貧民の浅はかさで、マタマタ大量買いをして終った。貰い物のジャガイモも、消費しなければ為らない処であるから、シチューを作ろうと考えて居たのだが…大きなパックのロープライスと為ると、忽ちに籠は重く為って仕舞うばかりである。
 さてさて、夕食後は食器洗いに、米を研いだ後は、台所仕事で野菜の皮剥き、トントンでシチューを仕込みながら、魚の煮付け二種でもして置くしか有るまい。今冬は、兎に角寒い。松本は雪から遠い土地柄ではあるが、低温注意報が頻発する寒冷の地である。従って、天然の冷蔵庫の中に居る様な物であるから、何かと作り置きが利くのである。

 作って置きさえすれば、寒い台所の回数並びに所要時間が少なくて済む。これも、賄い夫生活の知恵の一つでもある。沢庵漬けも工夫次第では、別の味付けも叶う。味の濃いキュウリ、ナスの古漬けタイプの味噌漬けが、時々個人スーパーに並ぶ。人気が高いから、入荷した時には纒買いをして冷蔵庫に保管して居る。実に美味い漬け物ではあるが、如何にも甘さがきつ過ぎて、パクパク食べる庶民の漬け物では無いのである。

 そんな事で、我が家は<高級料亭・吉兆>では無いから、その味噌漬けの使い回しをして居る。タッパに自家製沢庵を胴を二つ割りにして並べ、その上に開封した古漬け味噌漬けを並べ、その上に沢庵漬けを並べると云ったサンドイッチをすると、ビニール袋の味噌も捨てる事無く、好い具合に<味噌漬け風味>が、自家製沢庵に移って馴染む。これなら、一石二鳥の別味沢庵の誕生と為るのである。
 白菜漬けも無く為って来ると、同じ漬物容器に塩を加えて、新たな白菜を二玉ぶち込んで、上に漬かった白菜を乗せて、石の重しを掛けて置けば白菜漬けの回転が叶う処でもある。毎日何年か賄い夫をして居れば、この位の手抜き工夫も覚えて来る物である。ギャハハ!!

 夕食時の7時からのニュース、クローズ・アップ現代では、大雪、豪雪地帯の過疎の村で頻発する高齢者の屋根の雪落とし、雪搔き時の事故死多発を社会問題として捉える視点で解説されて居た。

「おいおい、婆さん聞いたかよ。これが、好い歳かっぱらったインタビューアナウンサーと専門家学者先生のお言葉かいね。人手、機材技能、費用が要素分析の三要素だと思うのなら、その三要素を機能的に結び付ける専門家のアドバイスとして提示する事が出来なければ、如何しようも無かんべさ。こんなお手軽解説じゃ、笑い殺されるぜや。

 片やNHKのアナウンサーでしょうが、NHKと来れば歳末寄付金、儀援金の窓口としてのノウハウを持って居るんでヤンしょう。そんな物ぁ、日本の唯一の公共放送NHKの得意技だろうに。自治体の除雪予算が底を尽いて、特別予算計上が必要と時間を浪費している惨状が、阻害要因と為って居るのなら、儀援金キャンペーンを即刻打てば良いんだわね。

 デフレ不景気で、中小零細の建設業界が、不景気で青色吐息をして倒産・倒産寸前の業者が、日本には五万と居るのでヤンすよ。仕事が在って、金銭が入って来るのなら、除雪隊として参加してくれる業者は、きっと目白押しでしょうが。
 それを役人根性で予算が無いと深刻面かね。それを、見るに見兼ねた善意の素人のボランティアに頼るのは、余りに脳が無さ過ぎるじぁないの。芸が無さ過ぎる。

 恒例化して歳時記と化した<歳末助け合い寄付金>と云う社会風土が定着して居る日本社会なら、毎年、必ず遣って来る除雪の難題を金銭面で応援する<除雪助け合い寄付金基金>を立ち上げて、いざと云う時の資金源に活用するのが、助け合い、儀援金の思想上の工夫でしょうが。生意気にシナジー効果なんて言葉を多用する癖に、物事を相乗して、有る物を作り上げて行くと云う視点が乏しいって云うのは、一体、如何云う脳細胞をして居るのかね。

 相手が自然の雪害なんだから、余ったら翌年度に繰り入れてさね。大雪・豪雪で足りなかったら、スポットで儀援金寄付の大キャンペーンをしてさね。ニュースの下に<振り込み先のテロップ>を流しゃ、効果覿面だと思うんだがね。
 NHKがそれを遣れば、民放も一斉に右倣えで遣らざるを得ないでしょうが、三位一体、三位一体なんて、キリスト教徒の国じゃあるまいに、散々、小泉・竹中コンビの時は、大連呼して居たのにさ。人手・機材技能・費用の三位一体の方が、余程説得力が在るんじゃないのさ。

 除雪隊が、企業経営上、背に腹は代えられんと、遠征して来れば同じ会社の社員で除雪隊のチーム編成も叶うから、仕事のはかも行くし、安全面でも目配り・気配りも、素人集団よりもズーと上でしょうが・・・
 遠征除雪隊が稼働すれば、除雪に来てくれた人達に、お願いする独居者、高齢者は感謝感謝で、我が家を宿泊所として、どうぞ自由に使って下さいと買って出るのが、日本人の日常文化でしょうが、点、点に散らばって展開する除雪隊に後方支援する為に、食糧物資の線とも為る道が、除雪隊とセットに為る。それが社会の非常時パターンと為れば、使い勝手の好い仕来たりとも為るのにね。

<システムを作るのが重要なのだ>と云う位は、好色戯け者の俺にだって言えらぁね。政治家・役人・学者・マスコミが、こんなお座成り報道をして居て、好くも恥ずかしくも無いものだわね。アホらしいから、俺ぁ、台所仕事をして部屋に帰るわね。」

「ほぅ、お前は、好い事をズバリ言うね。言われて見れば、その通りだ。」

「あいあい、俺ぁ、婆さんの倅だぜね。この位の暗算が出来ないと、勘当されちゃて居るからね。疲れたら、テレビはベットの中から見てましょや。はいはい、それじゃ、グッド・ナイトさんよ。」

「はいはい、ご苦労様でした。暖かくして遣っておくれ。」

    こんな一幕もある、95+63の老母と倅の日常の一コマである。

 明けて本日、お天道様の輝きも在るから、入浴後は長散歩に出掛けて来る。太陽光線は、春の色を見せ始めている。ジャンバー無しで来たのだが、これでは歩いている内に、チョッキを脱ぐ羽目に為るだろう。半分程の距離に来ると、流石に暑く為って来て、帽子、手袋、チョッキを脱いでのテクテク上り勾配の歩きと為った。

 それでも、折り返し点の辺りまで来ると、今度は寒く為って来た。お天気さんは西から変わると云うだけあって、西の空からはドンドン灰色の雪雲の進攻が早まって来る。再び、帽子、手袋、チョッキを着て、下り勾配をテクテク歩きとせざるを得ない。

         いやはや、早春譜とは良く言った物である。

春は名のみの風の寒さや。谷の鶯、歌は思えど、時にあらずと、声も立てず。時にあらずと、声も立てず。

氷解け去り葦は角ぐむ。さては時ぞと、思うあやにく、今日も昨日も、雪の空。今日も昨日も、雪の空。

春と聞かねば知らでありしを。聞けば急かるる、胸の思いを。いかにせよとの、この頃か。いかにせよとの、この頃か。




心何処ーショート 外は寒の戻りに、ブルブル。
           外は寒の戻りに、ブルブル。(2/8/12)
 おやおや、ヤクルトママさんは、多少、皮下脂肪の女のマロ味が出て来た。こうで無くちゃ~、折角の美人さんが台無しである。

「幾つに為ったいね。女には二通りのタイプがあってさね。結婚・子育てで三十代から、肉が殺げ落ちて張り無し潤い為しの<鳥ガラタイプ>と、皮下脂肪が付いて、ぽちゃぽちゃマロ味の<天平美人さんタイプ>と有るんだけどね。
 俺は、女のペチャパイは許せるけど、裸にひん剥いて、うなじ、首、背中、腰に繋がるマロ味ラインが、観賞域なんだけどさ。へへへ。」

「34に成りました~。ええ~。私、太りました~? 大変だ。体重測らなくちゃ~。」

「何を言ってるだい。そんな勿体無い事しちゃ駄目せ。好いねぇ~、女の熟れ時。好いマロ味線が出て来たんね。堪らんですなぁ。こうで無くちゃ、家庭持ちの落ち着いて<女の熟れ時>の味は、出て来んからね。」

「またまた、Rさん、そんな助平な目付きで~。ジロジロ見ないで下さいよ。今日は、これ以上、近付きませんからね。ヤッパ、私は好い女ですか。褒められるのは、歓迎ですけど・・・危ない危ない。アハハ。」

「大丈夫だんね。俺ぁ、他人様の女房、母親様にぁ、一切手出しはせんわね。至って、<世の中の男の掟>は心得て居るぜ、安心しましょや。俺ぁ、一物も硬いけど、倫理観・筋も硬いぜね。イッヒッヒ!!」

         さてと、風呂に入って洗濯をするべしである。

 洗濯物を軒下の物干し竿に掛け終わって、一服して居ると、ガス屋さんの集金である。約束の物を用意をして置いたから、本日はコタツ部屋で、私の戯け画の講評を頂戴する事にする。

「いやいや、好い環境で趣味に没頭して居るんですね。文章書いて、絵を描いて・・・見るからに、落ち着いた好いアトリエじゃないですか。嗚呼、私も老後は、斯く在りたい物ですわ。じゃ、早速、一か月分を楽しませて貰いますわ。」

「ふ~ん、毎度の事ながら、好い線行ってますね。これをブログに投稿してるんでしょ。見に来る人も、張り合い、楽しみだ。コメント一杯来るでしょう?」

「やぁやぁ、それがさっぱりでせ。云って見りゃ、センズリ投稿見たいな日々だわね。他のブログさんには、コメントが多いんだけどね。
 絵も文章も、投稿してしまえば、俺とは別な生き物に為るから、第三者の目からしても、俺なんか、すいすいコメントしちゃうんだけどね。世間様の観賞眼は、想像を絶する程、<お目が高い>って言うのが、現実見たいだんね。
 まぁ、これも世間様の客観的評価って事だから、文句は言え無ぇさや。へへへ。」

「何を仰います。これだけ生きた絵が描ける感性と力量は、完全に<個展級>ですよ。首の絵、トカゲの眼、インコ、ワニの絵、土人の戦闘絵、この馬上のアマゾネス絵の躍動感、この酒宴の絵なんか、助平想像力が刺激されて、思わずイヒヒの笑いが出てしまいますよ。

 こりぁ、並の感性、想像力、思考力じゃ、表現出来ない境地って物でしょうが。これが、全部、物語の挿絵に為ってるんですね。本当に、Rさんは、羨ましい程の生活空間と時間空間を持っているって事でしょうね。さて、何を借りて行けば、好いでしょうかね?」

「そうだわね。そうだ。この四部の<戦国初頭にて>の方が、面白いかも知れんね。夢を題材に最初は打って居たんだけど、切り口を変えて、歴史なんかを所々に挿入して、幅と頁数を増やして行くというスタイルの始まりだからね。
 それがユーラシア大陸の歴史行に為ったり、中米ユカタン半島のマヤ・異次元トリップに繋がったんだし・・・<新路線開拓>の切っ掛けに為った経緯があるしね。じぁ、これを持って行きましょや。」

 こんな話しを交わして居ると、珍しく電話が立て続けに鳴る。明日行くと答える。ついでであるから、昼飯を誘おうとは思ったが、相手の嫌々ながらの顔が浮かんで、止める事にする。

 さて、散歩に出掛けるとしようか。外に出て、5分もすると、風呂上がりの身体には、余りにきつ過ぎる寒さである。こんな事で、風など引いて仕舞ったら大事であるから、あっさり断念して、明日分の文章でも打つ事にする。

 以上が、昨日の文章であるが、久し振りに車で用足しに入って来て、唯今、帰宅した次第である。窓からは、矢張り春の太陽光線の色であった。高校時代の同期の桜と久し振りに顔を合わせ、艶々、元気溌剌に見えると云う。何をこきゃがる・・・俺ぁ、賄い夫の閉じ籠りロートルだわね。少しは、親と向き合って遣らずして、何とするか~。

 へへへ、些か、お説教を垂れて遣る。田舎言葉丸出しで、ズケズケ物を言い合えるのも、同期の桜の所以だろうか。田舎に暮らす跡取り息子の日々には、高齢化社会の実践が存在して居るのである。施設送りなんかしたら、お天道様の罰が当たるわさ。ニャハハ!!

 時間が有ったから、Tの所に寄って、<立つか、タタルカン!!タスケテ~。>の読書感想を聞いて来る。肖像権に対するクレームは無かった事からして、安堵した次第である。夜霧のブルースと同期の桜の挿入歌が、戯け文章の中で効果的に光っていたとのお褒めのお言葉を頂戴して、・・・ 左様であるか・・・ウッシッシのお土産であった。


心何処ーショート これ、調子に乗り過ぎて、豚死するで無いぞよ。
       これ、調子に乗り過ぎて、豚死するで無いぞよ。(2/8/12)
 私とTは、好色ヤクザもどきのロートル・コンビで、紳士淑女様達の顰蹙買いを頂戴して居る処である。然しながら、世の中には、常軌を失した<人間もどき>が居るんでしょうかね。

 コメント爆撃とやらの一点集中攻撃を頂戴して居る有り様である。昨日の夜の時点で、800近くの嫌がらせの山々、また山々の変態染みた執拗さの捌け口に為って居る模様である。昨日は、私も迎え撃って居たのであるから、その削除数は700位に及ぶ事だろう。一日の総数が1500では、全く以って、何をや言わんかである。

 これでは、偏執狂様の勝利宣言を贈呈しても良かろう。へへへ、困った輩が、抜けシャーシャーと、この世に存在する物である。下衆貧民の日々更新するだけの、何も取り柄の無い弱小ブログでしかない物を・・・何をシャカリキに為って隠避の哄笑を仕出かして居る物やら・・・物好きにも、程が在りまするわね。

 投稿者名はアルファベット26文字を大文字、小文字でタダ組み合わせるだけの無限大の投稿者面を決め込んでいる。それに、省エネ精神の持ち主らしく、本文がap.tx.5:10で全て同じなのであるから、これは殆ど個人集中型の嫌がらせ行為と断じても良かろう。

 こんな輩は、自分は高IQ者、大天才とでも病的な錯覚or自己陶酔して居る輩なのであろう。私は現代の個人自由偏重主義者では無いから、五感も喜怒哀楽も思考回路も、実に古臭い人間である。
 そんな古いタイプの人間には、こんな輩を形容する言葉としては、<馬鹿と鋏は、使い様。><気違いに刃物><常軌を逸した負のナルシスト>位の形容句しか、ボキャブラリーに無い処である。つくづくと、人類はIT文明に毒されて凶器・狂喜・狂気の精神枯渇の21Cに雪崩れ込み始めて居ると、深い諦観を持って仕舞うばかりである。

 私はシバシバ打って居る処ではあるが、常識者と非常識者が、一対一で対峙したら、常識者は、非常識者には到底敵わないのである。その理由は、常識者は自己の中に客観性を留保しつつ、事に当たるのであるから、其処には当然として<自分の独り善がりオンリーの感情・主観を抑える脳回路の作用>が働いて仕舞うからである。
 言葉を変えれば、社会の客観性為る物のルールを持ち込んで、事に当たると云う躾けを受けて、社会参加の日々の内に、それらを習い性として人の未知の常識・常道に同調して行為・行動に及んで居るので在るからして。

 私の好きなプロレスラーの一人に、<足四の字>を得意技とするザ・デストロイヤーが居た。デストロイヤーであるから、ぶっ壊し屋と云うのがその意味する処であった。

 何事も、作るまでには相当な労苦を伴なう物ではあるが、いざ壊すと為れば簡単である。それも片付け行為を一切伴なわない<壊し逃げ>ほど、楽な物は無かろう。例えば、噛み付き専門のプラッシーとか血だるま修羅の道を得意としたアブドーラ・ブッチャーとか、悪役レスラーがラインナップされて居た時代に、ルールに則った足四の字の使い手・ザ・デストロイヤーは、拍手に値する実力者人気レスラーであった。

 まぁ、余談はこの位にして、そんな事なので対抗策として、現在コメント表示は<承認待ち>の形にして居りまする。場合に依っては、折角の有難くも希少貴重なコメントを入れて下さった方々には、非礼・失礼をして仕舞う事も在りましょうが・・・何分、件の如し故に、どうぞ、お許しの程を・・・

 本日、そろそろの美大出のガス屋さんの集金日と為るやも知れず、先月約束して置いた<挿絵入り夢奇譚>の全部を印刷・小冊子作りをして居る次第でありまする。

 私の生きるモットーは、<無味無臭・人畜無害の目立たない生き方で日々を過ごす事>で在りまする。目立つ事だけが、生きる行き方とは思えないのでありまするが、目立ってナンボの芸NO人のショーマン・パフォーマンスの意気がりたいだけの悪臭には、付いて行けませんわね。

 まぁ、この位打てば、私の気持ちも収まりまする。本日、晴天為れば、風呂に入って、洗濯をして、散歩に出掛けて来れば、私の気分も正常域に戻りましょうぞ。

  本日・現時点で20×12+1=241である。遣り為され、遣り為され。


心何処ーショート ふぅ~。やれやれ。
                 ふぅ~。やれやれ。(2/7/12)
 ふぅ~、冷や汗びっしょりの一時間強のバック探しであった。布団を敷き湯たんぽに湯を入れて、首尾は上々。さて、書類記載をして寝ようと余裕綽々の筈が・・・ 通帳番号の記載欄に、通帳・印鑑等の入ったバックを出そうとすると、所定の場所にバックが無い。

          一日の最後の最後に来て、???である。

 おお、そうだ。場所を変えたのであった。考えて見れば、<置き場所>を偶には変えようとしたのである。灯台下暗しで、○○の上の隙間に隠した覚えが在った。

 どれどれと、徐(おもむろ)に探すが、アジャジャ・・・それが、無いのである。おいおい、そうじゃあるまい。

 この前の用足しの折りに、持って行ったのであるから、よもや車の中のシートの下に隠したままなのだろうかと、雨の降る外に出て、車の中を探すが無い。何しろ、生活の綱・通帳と印鑑も一緒である。

 嗚呼、どないすべ~や。貧民の拠り所、通帳と印鑑が無いと為れば、餓死が近未来図である。再び家の中で、思い当たる所を片っ端から探して回るが、見付らないのである。

                えらい事っちゃ~・・・・ 

 青く為って、精神統一~、頭の中に、その日の行動経路を辿る。部屋に絶対に在る筈である。そう自分に言い聞かせて、二度三度と同じ所を再探しをするが、全く見付からない。

 既に、脳味噌は大パニックに為って居る。暑くも無いのに、身体は汗を掻いて居る。半纏を脱ぎ、形振り構わず寝そべって、机の下、引き出し、押し入れの中、コタツの中、隣部屋・・・etc、ETC・・・無い、無い、無い、無い。色を失って探すが、一向に見当たらない。

  好い歳をカッパラッテ・・・深夜のウロタエ、足掻きの惨めさである。

 ノミの心臓男の私は、既に仮想ドロボーの仕業と、オロオロして居るザマである。
 嗚呼、情けない。悪い方へ、悪い方へ・・・妄想が、私を導き始めている。

 自分の落ち度を棚に上げて・・・遺憾いかん・・・ 無暗矢鱈に、仮想ドロボーをでっち上げて、被害届を出したら、赤恥を掻くのは私自身である。

 時間が、時間である。こう為れば、自分の記憶を信じて脳裏の<此処だったら、盲点・死角だから>の思い付きシーンが、脳裏に有り有りと在るのであるから、『絶対に、この部屋に在る筈だ』と自分に言い聞かせて、再々再、再々の探し出しに徹する事にする。

 俺は慎重な性格だから、絶対に在る筈だ。思い出しても見ろ。女買いをしたマニラのホテルでパスポートの入ったバックを仕舞い忘れて、散々デパートのラーメン屋、両替所の立ち回り経路を辿って、結局は部屋の中に在ったと云う<痛くも苦い赤っ恥経験>も在る。落ち着け落ち着けと、自分に言い聞かせる。俺は至って、用心深い慎重派なのである。

                  有った!!

 安堵の一瞬であった。一気に冷や汗が噴き出て、疲れがどっと出てしまった。書類は明日の朝に記入すれば良かろう。

 ★へへへ、見付かったから、好い様な物であるが、こんな事は、皆さんにも、一度や二度有るんでしょうね。私の呆けを他山の石として笑わずに、大事な物の保管には、落ちの無い様に気を付けましょう。とほほの深夜の探し物の一幕で有りまする。

 安心の布団入りとは為ったが、今度は夜来風雨の声では無いが、季節外れの雨音が耳に付いて、中々寝疲れない。

 朝に成っても、雨は好い音を立てて降り続いている。朝食後の定位置でのモーニング・コーヒーを飲みながら、PCをONにすれば、またまたコメント爆撃の大攻撃中である。私も、キーボードを操縦桿に見立てて、ホイホイホイと消去に取り掛かる。

 この糞ッ垂れ野郎が~、負けて堪るか~、この下衆野郎が!! おいおい、この下衆野郎が、本気で俺様を、おちょ喰って遣がるな~。糞っ垂れが~、
 どっこい、俺は、時間に追われ無いロートルのお払い箱の身じゃい。さあさあ、根比べじゃい。

 とほほ。やれやれ、午前中を費やして仕舞った。性懲りも無く、爆撃中の沙汰である。

 雨も止んだ事でもあるし、散歩方々、添付書類、証明書を貰いに行って来る。大分距離が短いから、今度は夕食の不足材料を買いに、再び出掛ける。最初の散歩時には、温い温度ではあったが、時間を置いての二度目の散歩時には、気温がグ~ンと下降して、お寒い限りで有った。

 昨深夜のドタバタがすっかり祟って、調子崩れの一日が、いとも早く過ぎ去ろうとしている。さてさて、このブログを打ち終えたら、夕食までの時間を、不貞寝でもさせて貰いましょうかね。嗚呼、吾が身は時差ボケの身体の重さである事か・・・

心何処ーショート ラジオを耳に、のんびり時間を遣り過ごす為り。
       ラジオを耳に、のんびり時間を遣り過ごす為り。(2/6/12)
 朝の内は、時々陽が差していたが、雨である。これでは、本日の散歩はパスの成り行きと為ろう。

 昨日は、温泉ミネラルウォーターが欲しく為って、温泉銭湯に行って来た次第である。客は少なく、二人湯であった。スキンヘッド、髭を剃って熱々の湯に浸かって、背中を垢擦りでゴシゴシ遣って居ると、背中を洗って遣ると言われて、甘えさせて頂いた。歳を訊ねると69歳との事である。隣市からの遠征であるとの由。

 時間に自由と為ると、車があるから、温泉の多い土地柄も手伝って、温泉銭湯巡りをして、自分に合った温泉銭湯を見付けて通うのが、ロートルの習慣と為るのだろう。温い温泉、熱い温泉、湯花の多い温泉、無臭透明の温泉、銭湯の造り、混み具合・・・etcで、それらの組み合わせで、自分好みの温泉通いが決まって来るのだろう。歳の割には、堂々たる体格のお人は、浅間温泉、美ケ原温泉の湯について、良く経験を積まれている処であった。

 私の持参したペットボトルの数に注目して、今度は自分も持って来るとの仰せであった。熱い湯ではあるが、入って仕舞うと、この熱さが好い気持ちに為るのであるから、不思議な物である。それでも、お互いに季節を選んでの利用として居る処が、共通点であった。背中流しの謝礼として、熱い湯調整の奥の手を伝授して別れた次第である。

 本日は、朝から参院の国会論議が始まって、緒っ鼻からヒートアップしている。衆院と比べると、断然、参院が面白い。

 万年野党から政権与党と為って仕舞った民主党の経験不足、能力不足は、街頭演説なら未だしも、論戦を張るには<耳を覆うばかりの素人、幼稚さ、鈍感さ>である。全然、自信が無いから、当然に、官僚作成の答弁書の棒読みに終始してしまう。官僚作成文章の最大の特色は、これ一重に<言質を取られない総論抽象論>に終始するのは、当然の成り行きとも云える。
 
 数字と工程表を具体的に示したら、それを言質に取られて、パンクして終うのが、世の落ちである。言質を取られて、結果が出なければ、寄って集って、『石飛礫』を浴びるのが世の倣いである。
<狡猾な官僚の言質逃れ>に踏み込んで、大ナタを奮って行政の実行の尻叩きをするのが、国会と政治家の一番の役目にして<政治主導>の筈なのであるが・・・その自覚の無い政党サラリーマン議員群像であったら、世の不条理、根本の効率、根本の格差是正、根本の国家指針、外交指針を具現化して行く国政は、一切回って行かないのである。←いやはや、とんだ連中ばかりが、数の微温湯(ぬるまゆ)に浸かって居る物である。

 それに対して、長らく政権与党に在った<族議員>から構成された自民党議員先生達は、官僚の手の内を十分知り尽くしているから、総論は元より、微に入り細に入り、これ見よがしの執拗為る口撃をする。

 官僚出身者の未だ若過ぎる古川大臣と官僚出身の脇議員との対決は、新旧の官僚対決に見られる<経験・格の違い>をマザマザ見せ付けて、旧官僚のエキスパート脇議員の完勝に終わった。
 
 こんな遣り取りを聞いて居ると、<官僚の質の低下>が予想以上に進行しているのだろう。言葉がハイテンポでポンポンと飛び出すばかりの官僚上がりの若い大臣は、言葉が踊れば踊る程に、その内面性、経験不足が、返って浮き彫りにされて終う。
 増してや、総務省出身の虎之助先生の前では、何をかや言わんかの<小僧っ子扱い>をされて終うのであるから、民主党大臣の陣容など、<笑止千万の薄さ>だけが浮上されて来るだけである。

 こんな様は、一体、古人(いにしえびと)は何と表現して居たのだろうかと・・・必死に、『世界のことわざ辞典』を、指に何度も唾を付けて必死に捲って居ると<巧言令色、鮮し仁>為る物が、見付かった次第である。ふ~っ、浅学非才の吾が身には、言葉のチョイスは、真に以って時間の掛る物である。へへへ。

 さてさて、雨である。退屈でもある。夢奇譚の一、五、六部の返却があったからして、偶には此方から出向いて、読書感想の<強要>をして参りましょうかね。玄関鳥の鳥籠の糞落としをしてから、斜向かい色白吟さんの所に行って来る。

 六部・神域にてのユーラシア、地中海、青ナイルの歴史行の話が、面白かったとの事である。モウコ草原のシルクロードを夢想して、二度読んだとの事でもあるから、まぁまぁの合格点域だった様である。

 用事があると云う先輩様の前で、アッシャ、軒下の雨宿り形式での読書感想のお言葉を拝聴して来た次第である。とほほ為り。

 午後は婆さんの薬を貰いに、町医者に行く。具合は如何?と聞かれるが、日々進む老衰であるから、週の内2~3日は、殆どベットの住人であると答える。今度、診察が必要との事であるから、薬の切れる頃に連れて参りますと答える。

 老看護婦さんが、パソコンを新しくしたから、私のブログ名を書けとのメモ渡しである。<心何処―ショート>or<アガタ・リョウ>とメモ書きして、お渡しする。

「いや~、読んでてくれただかいね。そりぁ、有難い読者様で~。へへへ。」
「そうよ、だって、ブログ、面白いからね。アハハ。」
 
 いやいや、よもや、こんなエールを頂戴するとは、世の中、捨てる神あれば、拾って下さる神も居らっしゃるのである。ウッシッシ~!!

夢奇譚・第七部、後篇 妄想は、アナコンダ王国を救うか?
      夢奇譚・第七部、後篇 妄想は、アナコンダ王国を救うか?
                 夢奇譚タイトル絵
   再訪王&妃内・外の兵士目下の心象画
   戦闘戦士疾風黒鞭戦い済んで、女族の酒宴新文化の萌芽


         夢奇譚・七部 後編・危うしアナコンダ王国
 <その1>
 この現世次元に戻って来れば、温暖化防止、温暖化防止のCO2削減の地球規模連呼は、一体何処に雲隠れしてしまったのかと・・・全く恨めしいほどの『寒冬の居座り沙汰』である事か・・・本日も、灰色雲からは、雪が舞っている次第である。

 云うまでも無く、現世次元と異次元の世界とでは、時の進み、文明・文化の食い違いは、想像を絶する程の身体・精神の乖離が横たわって居るのは、現実の問題でもある。従って、日頃の飽く無き妄想修行をして居ない者にとっては、到底、搔い潜れない異次元世界の在り様なのである。デカイ声では言えないが・・・ 妄想流門下生と為って、師範代の高見に上り詰めるには、大変な訓練を要する至難技と云って好かろう。

 後を託したアナコンダは、多分、あのジャングルに遺棄された石造都市に全く新たな息吹を吹き込んで、アナコンダ王国を築きつつあるのだろう。
 暦学の支配する<決められた運命の中>に、凄ましい限りの人間生贄を捧げる事によって、文明そのものの維持を図ると云った『血の文明』から、人間の努力によって土に命を吹き込み、土の再生産を図り自然の森羅万象の理と静かに向かい合う。その中から、額に汗を掻いた分の分け前を自然、生物から収穫して、社会構成員に公平に分配して、<総体としての王国のレベルの向上>に進めて行って欲しいとの願望が、私には在る処であった。

 アナコンダ王国が、あの熱帯ジャングルの中で、そんな風に社会形態を革新させて行く過程の中には、きっと幾多の周辺からの襲撃と、人口の呼び込みの過程は必要にして、絶対に避けて通れない筈である。それが行われつつあるのが、あの次元世界であろう。

 アナコンダの孤立した空間の中では、その規模が小さい時には襲撃を受け、規模が大きく為れば、否応無しに攻撃を受ける<現文化・仕来たり対新文化の戦闘>に立ち向かわなければ為らない段階に遭遇する事でもあろう。

 幾ら異次元世界の夢奇譚での事とは云え、情に絆(ほだ)されて『種送りの儀式』を挙行してしまった私としては、・・・これは多分に真っ当に血の通う<吾が真面目さ性向>からの所以であろうか・・・ 如何しても、アナコンダ王国のその後の行く末が、大いに気に掛かる今日この頃なのである。

 増してや、夢奇譚の最大のシンパシーを送って下さるコメントには、<妄想が世界を救うか?>の一節も頂戴した処でもあるからして・・・ 熱帯バクテリアに抗して、腰は果たして持つのか? との有難いお心遣いを頂戴して、異次元からの帰還後も、長散歩と腰回しのイメージト・レーニングに励んでいる日々でもある。

 然しながら、この頃見る夢の中では、決まって戦闘シーンが出て来る始末である。ユカタンの熱帯ジャングルの樹海に、人知れず新文化が産声を発しようとしているのではあるが、如何せん・・・多勢に無勢であるから、些か頭を抱えて居る次第で、伝説の王・ククルカンの名代が敢え無く、熱帯ジャングルの熱帯のジャングル樹海に、跡形も無く没してしまうの図だけは、何としても阻止したいのである。

 そんな諸々の危惧を抱いて、悶々と寝るれぬ夜を彷徨い歩いて居るのが、この身の切ない処なのである。然らば、此処は夢奇譚の登場人物にSOSを発して、ククルカン王の一騎当千の軍団を招集して、彼の地・ユカタン半島はアナコンダ王国の確立に向けて、加勢に乗り出すしか有るまい。・・・そう、固く決心した次第である。

 まぁ、私とTは、近くに居るから、一緒に出向くとして後の軍団員は、それぞれ、現地集合の触れ回りで好かろう。

 <その2>
「Tよ。この前打った後編なんだけどさ、女子供だけだと何かと心配でさ。置いて来たアナコンダ王国の助っ人に、俺と一緒に先遣隊として行って欲しいんだけどさ。一応、あの当時のマヤ族の武器は、棍棒、ハンディ投石機、弓矢、吹き矢の類なんだけどさ。黒曜石のナイフは貴重品中の貴重品だろうから、精々がお偉いさんのシンボルだと思うけどな。」

「吹き矢って事は、毒針って事かよ。そりぁ、毒消し薬見付けとかなきゃ、お陀仏こいちゃうぜや。あい~。」

「主役は死なねぇから、大丈夫だぜや。軟膏とタコの吸出しで我慢しとけや。」

 まあ、相変わらずのこんなゴタ助話を交わしながらも、Tの合意を取り付け簡単な必要物の意見交換に入る。鉄器の無いマヤ文明下での異部族間の人狩り戦闘を想定すれば・・・

「棍棒には、木刀。黒曜石ナイフには、刀と槍で対抗して、弓には、チョイと洒落てアーチェリーで脅して遣るかね。
 そう云えばさ、早落ち城の武器小屋には、結構、調達してあったわな。あれを使おうか。運び屋は、馬子の呑太を使おう。あいつは、二度までも命を助けて遣って、最後は隠れ里の首領にして遣ったんだから、嫌とは言えんだろう。
 ついでに、隠れ里の懇ろに為った女達を連れて来て、銃後の女とするわな。Rは、ロシアのアマゾネス軍団が途中参加するんだろうから、好いけどさ。俺には、そんな夢奇譚の登場人物は居ないからな。」

「あいあい、女の取り合い、女の浮気で、心友同士が巣分れしても、禍根を残すだけだから、是非、そうしておくれや。ついでに呑太に牛馬を番いにして、牛二番い、馬二番いのキャラバンで来て貰おうか。ついでに鍛冶屋道具一式も持って来て貰おうかい。」

 いやはや、二人は早くも隠れ里の共同お館様の実績から、真に人使いの荒い算段をして居る。嵩張る物、重い物、厄介な物は、全て<夢奇譚三部の戦国初頭にて>の下痢ピー黄色フンドシ男の呑太に丸投げの手配で事済まそうとして居るのであるから、好い気な物である。

「処でさ、お前さん、鉄鉱石の見分けは出来るんかい?」

「そんな物ぁ、出来る訳無かんべや。俺達が強力磁石持って、現地で砂鉄集めすりぁ良いんだよ。後は木炭をフイゴで高温にしてさ、砂鉄ぶっ込んで、トテチン、トチテン叩いていりゃ、鋼が出来るわね。そうすりぁ、黒曜石ナイフよりはマシな矢じりも、槍の穂も、刀、長刀だって出来るずらよ。あい~。」

 まぁ、根が好い加減な戯けロートルにして、好色ヤクザもどきの戦闘に対する青写真など、たかが知れた浅知恵しか浮かんで来ない処であったが、二人の当面の持ち物としては、土曜スタバ協議の末、双眼鏡、木刀一振り、サバイバルナイフ二丁、アーチェリーと矢、大量の抗生物質、蚊取り線香、軟膏、タコの吸出し、カットバンソコー、通信用として用いる魂胆の手鏡、サングラス、大量の100円ライター、塩、調味料、その他でしか無かった。
 
 それでも、用意をせずの異界連れであっては、アナコンダ王国への先遣隊の任務は務まらないのである。場合によっては先頭の真っただ中に放擲されてしまっても、文句が言えない異界の決まり事なのである。そんな異次元体験を重ねて来ると、<用意に越した事は無い>の先人達の訓えに倣うのが肝要である。従って、私もTも、それらをザックの中に入れて、絶えず身近に置いて居た次第である。
 
 <その3>
 そんな或る日、現世ではロートル好色ヤクザもどきコンビ、異次元戦国初頭にての雑兵コンビは、欝蒼と続く熱帯ジャングルの樹海が、地平線の彼方にまで広がる緑の海を一望する神殿ピラミッドの玉座に立って居た。

 正に、伝説の王・ククルカンとその相棒が、物語風には絶対無二の降臨シーンの主役としてピラミッドの頂上に立って居るのである。此処まで来ると、全てが異次元世界を取り仕切る見えざる管理者の御技のお導きの凄さと云うより他無い。

 私とTは自然な行為として、二礼二拝一礼を天に捧げた次第である。恭しく、それをした後、我々は双眼鏡で、見渡しの利く『王の玉座』から、アナコンダ王国の全容をつぶさに追って行く事にした。

 王国の耕地には、埋め尽くすばかりのトウモロコシの緑の湖が、湖面を幾筋もの風が渡る様に、緑の戦ぎを見せて渡って居る。緑と白の風の渡りが、頭上の暑い太陽に反射して、云うに言えない色と動きのシンフォニーを奏でて居る。

 トウモロコシ耕地を取り囲む様にして、植えられたバナナの風除け林には、双眼鏡の焦点を絞り込んで行くと、巨大な雄蕊(おしべ)なのだろうか・・・それは雄々しいほどのペニス状の物をゾロリと下降させて、その巨体な神聖にも思えるペニスを取り囲むようにして、無数のバナナの子房を塊として並べ立てて居る。実ったバナナの木もあれば、青々とした房を持つ木もある。後は名も知れぬ・・・何種類かの果樹の木も、混在して居る。

<三ぽ農法はと?>見遣れば、広大な耕地の一角には、イグアナ、野ブタ、七面鳥、野鶏を放し飼いにした様な家畜場があり、その脇には、分解発酵熱をモウモウと立ち上げる堆肥の2m前後の山々が幾つも見える。休耕地の更地には、完成した堆肥の黒々とした小山が点在して、それらが、捲き時、鋤き込み時を待つかの様に、灼熱の太陽の下に在る。

 子供達であった者達は、皆、成人に成長して、其々が一人前の王国の農業技師の様な振る舞いで、それぞれの部署でテキパキと指示をして居る姿が見える。
 首から双眼鏡と腰にはサバイバルナイフを差した中年の女が、其々の技師達を回って、何やら指示を与えて行く姿が見える。レンズの焦点を合わせれば、かのアナコンダの顔であった。

 私の横で、双眼鏡を覗くTが言う。
「ほぅ~。生徒達が良かったらしいな。良い進捗具合じゃないか。ざぁと見た処、平和そうだな。心配、危惧の気配は無さそうに見えるけど、如何なんだろうね。」

「でもなぁ~、伊達や酔狂に俺達が、異次元世界には飛ばされて来ないだろう。異次元管理者様には、それなりの魂胆がお在りなんだろうよ。何しろ、還暦オーバー組なんだから、青年期、壮年期と違って、体力も気力も、即本番モードで全開と云う訳にも行かんわさ。還暦ロートルの体力、気力の範囲内で、先ずはアイドリングで行くしか有るまい。そんな事も、<想定済みのお召>なんじゃないか。見えざる手の実態、実力に、疑を挟んだら、命取りに為るわさ。あい。」

「そうかいね。そっちの方は、異次元体験の豊富なRのお見立てに従うわいね。」

 双眼鏡に休耕地の一角で、アナコンダに神殿ピラミッドを指差して居る女の姿が見える。アナコンダが、首から吊るした双眼鏡をこちらに向けて、私達の姿、顔を確認した様である。私は、自分の顔から双眼鏡を外して手を振ってから、再び双眼鏡を覗くと、白い歯を綻ばせて、盛んに手を振って居る40代半ばのアナコンダの顔が在った。

 矢張り、異次元世界の時の進みは、想像以上の速さの様であった。10代後半の裸族の娘が、30年弱の間に自らの統率力でジャングル樹海に遺棄された石造りの都市に、新文化の種捲きとその収穫の基盤を築きつつある姿を、こんな風に目に見える形で進行させているのである。Tが感心する様に、最初の入植者達の出来の好さを愛で、褒めて遣るのが良いだろう。

 アナコンダに何事か指示された女が、大声で何かを触れ回る姿が耕地を走る。走るアナコンダが、この神殿ピラミッドの建つ旧都市の中心を仕切るジャングルの中の通路に消える。

 アナコンダに続いて、新王国の住民達が方々から走り寄り、神殿ピラミッドを仰ぎ見る。広場に全員が集まるまでには、そう時間は要しなかった。その数150人前後であろうか。皆、若い。そして子供、赤ん坊達の数もである。王国の指導者アナコンダが、下で手を振って、伝説の王・ククルカン125世の登壇を迎えるポーズを取る。

 私とTはその歓呼に応え、神殿ピラミッドの玉座からピラミッド中央に設えられた広い石段を、並んで一歩一歩ゆっくり下って、石段の地上部から1/3程の所で足を止める。

 新都市民の湧き上がる<伝説の王・ククルカン>の歓呼に、両手を高く差し伸べて応える。そして、その手を下にゆっくり下げ、静かに右手をゆっくり上下させて、ククルカンの言葉を発する。

「吾とその心友・タタルカンは、王国のその後の歩みを巡回しに舞い戻った。皆の者は、吾が名代アナコンダの統率の下、吾が教えに忠実に応え、土に新たな息吹を吹き込み、着実なる王国を築かんとして進んでいる。今日までの皆の努力を、吾等、ククルカンとタタルカンは、可とする物である。
 
 この嘗ての人間の生きた心臓を神への生贄として築かれ、遺棄され続けたユカタン、マヤのおぞましき文明・文化を一掃して、再び弱小部族の民が、謂われ無き理不尽の悲哀、非業の目に遭わぬ様にするのが、この<王国建設の意義>である。

 この王国にも、人口が増え、遺棄された耕地にも命の糧トウモロコシの緑が、吹き渡る風に緑の波が豊かに、広く流れて居る。嘗ての血の儀式からでは絶対に維持されなかったトウモロコシの豊かさは、作物畑、家畜畑、堆肥畑のローテーションにより、皆の者達の勤勉さで、生産性の向上を齎せている。

 過去を振り返るが好い。不条理に、ジャングルの少数の集落は、強国の人狩り集団に蹂躙され、非業の死を遂げる。これは取りも直さず、蟻の入る隙間も無い程に、精緻に積み上げた歴学を編み出し、それに自らを呪縛され、拘泥仕切ったマヤ文明の悪弊である。

 その強者の文明・文化の間違いを、ジャングル樹海の弱小部族の民、人狩りによって命からがら逃げた流浪の民達の中から、この新しき文明・文化の王国が、マヤ族が遺棄したこの地で産声を上げ、成長しようとして居るのである。

 然しながら、皆がこのククルカンとタタルカンの再臨に際して、一抹の不安を感じて居る様に、吾等もこの新生間の無い王国に、善からぬ、悪しき者共の息遣い、足音をジャングルの奥深く、また、川の下から音も無く忍び寄る邪悪な櫂の音を聞く処でもある。
 この王国は、今まで小さきが故にジャングルの樹海に小さく形を潜めて、成長の時を稼いで来た処である。

 然しながら、あれから30年弱の時を持って、赤子、幼児の段階から、少年の時代に入った。この王国が遠い未来に於いて、伝説の王・ククルカンを引き継いだアナコンダの伝説の王国として、公正なる歴史にその名を刻むまでには、これからが正念場の歩みと為ろう。その一回目の試練が、今来ようとして居る。

 吾が思いからすると、その時期が予想して居た時よりも早く来ようとしている。耳を澄ませば、人狩りの軍人達のジャングルを徘徊する足音が聞こえて来る。まだまだ、人の数も、物の数も圧倒的に足りない王国の力である。
 
 追々、加勢が馳せ参じる事ではあろうが、それまでの間は、吾等は一心・一丸と為って、防戦に備えて、決戦の時を待とうでは無いか。皆の者!!」

「このアナコンダ王国の生みの親、守護神、伝説の王・ククルカン、その友・タタルカンの下に、吾等は、死に物狂いで戦い抜きまする。二人の王よ、何なりと、御下命、御下知を~!!」

 と、アナコンダの声に続いて、大歓呼に揺れる新王国民の姿である。

★傍らのTが視線を王国民に向けて、物静かに手の振りの陰で、茶化しを囁く。

「おいおい、俺がお前のククルカンに右倣えで、タタルカンかよ。大学時代は、ノンポリ学生だったのに、何処でこんなアジテーションを覚えたんだか・・・よくもまぁ、吹き出しもせずに、口から出任せ演説を仕出かす物だわさ。俺の喝破通りに、スケコマシか、詐欺師に針路変更してりぁ、別な生き方も出来た物を。あい~。」

「何をこきゃがる。俺から、品行方正を取ったら、何も残らんわさ。それを言うなら、<無私無心の本番一本勝負の冴え>って云うんだわね。ニャロメ!!」

 <その4>
 異次元世界と云えども、上限の滞在時間は、決められて居ると推測した方が良いのである。前回の事もあるから、悠長に歓待を鼻の下を伸ばして、受けて居る訳には行かない<時の有限性が在る。> 今回は、好色ヤクザもどきコンビの実力が、問われる異次元行なのである。

 相手は、襲撃・殺戮・拉致連行を専門とする<人狩り遠征隊>を組織して、ジャングルの弱小部族を探索してる時代の『血に飢えた蛮族集団』なのである。当方、戦闘素人集団が、おっ付け刀で互角に立ち向かえるほど甘くないのである。相撲で云えば舞の海が、巨象・小錦と対戦する様な物である。

 考えて、考えて、防備・作戦で交わすしか無いのが、内実ククルカンとタタルカンの苦しい台所事情と云う物である。私には、長散歩の傍ら考えて来た策が、幾つか在った。

 翌朝からの大作業が始まった。王国とジャングル堺には、蔦のネツトを張り巡らせ、王国侵入を縦の侵入経路として、蔦のネットで一人幅の通路を迷路状に仕組んで、当方は茂みに隠れて長槍で一斉に、侵入者の横腹を突き貫く。詰まりは、誘い込んで仕留める。ジャングルを活かしたゲリラ戦を挑む作戦である。

 その一方で、硬い木を削り木刀を作り、木刀の振り方の訓練をし、Tは柔道の手解きをして回る。神殿ピラミッド、天文台には双眼鏡を置いて、交代制で見張りを置く。これは少年少女、子供達の仕事である。耕地の何箇所かには、物見櫓を押し立てて、伝達の手鏡信号、煙信号のサインを徹底させる。

 そんな毎日が始まった。早朝は全員で体力の要る力仕事に当て、熱い日中は、ジャングルの中で、班割りをしたそれぞれに対して、T指導の下、戦闘シーンを想定しての槍突き、木刀、柔道組手の時間とする。
 私の方は、組織は意思伝達の優劣に関わる一個の有機体とも言われる所以であるから、伝達の効を上げるべき手鏡通信の幾つかのパターンを考え、<来た。><配置に付け。><東西南北。><加勢に向かえ。><攻撃せよ。><退却。>などの光反射サインの徹底と、伝令班を作って、その方法を考案して訓練をして行く。

 王国の民は皆若いから、新しい物への好奇心と自分達の王国を守ろうとする緊張感と、組織立って動く事への参画意識で、兎に角、覚えが早い。そんな毎日の進歩振りに、私はつくづくと、人間、組織にとって目前の危機に対する緊張感が、如何に効率的な組織だった一体感を構築して行くかを、まざまざと肌身で感じている次第であった。

   そんな忙しげな日の中で、ククルカン王妃の洋々が、漸く姿を見せた。

 <その5>
 それから、数日が経っての事である。今では一日のノルマとタイムスケージュールが出来て、神殿ピラミッド内部の涼しい部屋で<昼寝のハンモック>でうとうととして居た時である。

「王!! <得体の知れぬ侵入者あり!!>の伝令です。」
「うむ、分かった。」

 この部屋は、階段状ピラミッドの上部に位置する部分を、広く内部の石積みを除去して作った食糧庫兼大広間にして、作戦本部として居る。従って外部からは殆ど見えないが、内部の明かり取りの石の小窓からは、王国の眺望が利く造りに為って居る。
 伝令少年の指差す石の小窓をカモフラージュする蔦を除けると、この神聖広場の一直線に伸びるマヤ式コンクリート道のジャングルから抜けた辺りを、大型の大八車を牛馬に引かせた荷駄隊の様な物が進んで来るのが見えた。

「ありぁ、呑太の一隊だわな。いやはや、あいつも真面目な男だ。ありぁ~、凄い物資輸送隊だぜ。迎えに行って遣ろうや。」

「まぁ、二度までも俺達に命を助けられ、俺達の後の隠れ里の首領にまで<大出世>したんだからな。へへへ。伝令、あの者達は、吾等が味方である。持ち場配置者を除いて、皆で出迎える様に伝令伝達せよ。」

「御意。」

 アナコンダを先頭に、王国民が整列して<戦国初頭にて>の隠れ里首領の荷駄隊を待つ。

 整列して一行を迎えるのは、牛馬も車も見た事の無いマヤ文明下の者達である。度肝を抜かれつつも、伝説の王・ククルカンとその友・タタルカンの神がかり的大デモンストレーションの光景は、神殿ピラミッドの威容をバックに<信仰的クライマックス>を迎えようとして居た。

 雑兵甲冑の屈強な身体の若者が四人、隠れ里の女が三人、番いの牛四頭馬四頭と荷駄の車四台分の武器と物資の数である。荷駄隊の首領・呑太が背筋をピンと伸ばして、ピラミッド中段に威厳の腕組みをして待つ私とTの下に、しずしずと上って来る。そして、目礼する。

「両お館様、お下知の品々を運んで参りました。どうぞ、御見分の程を。」
「うむ。遠路遥々、大義御苦労であった。」

「はっ。然しながら、此処は一体、何処の地でありましょうや。この粘り付く様な暑さ、あの途轍もないほどに広がる、緑濃き分厚な葉が重なり合う樹海の様は、とても尋常な景色とは見えませぬ。
 それに、この見た事も無い石造りの大建造物の威容さ、下の者共の裸同然の姿と色の黒さは、私の目には異界の世界にしか見えませぬ。一体全体、時空を神出鬼没で縦断、横断するお二人は、一体何の化身様であることか・・・ただただ、平伏するのみでありまする。」

「これこれ、そう畏まるで無いわ。俺達とお前の違いは、些かの<住まう時の違い>だけだわね。文句が在ったら、このRに言えや。
 こいつの変な妄想が、まかり間違って異次元元締様のお目に適っちゃってさ、不意に召し出されちゃってるだけの事さね。命に心配は無いから、安心して協力して行けや。好い事も在るかも知れん。あい~。」

「まぁ、簡単に云えば、Tの言う通りだ。呑太も此処では、神々の一員だから、何か命名するしか無いわな。俺は此処では、ククルカン。Tはタタルカンよ。従って、お前さんはドンクルカンにしとけや。
 デカイ声じゃ言えないが、俺達はその名を名乗った以上、此処では神々の一員だからな。それなりの威厳で接しておくれや。ギャハハ!!」

「はい、ククルカンにタタルカン、そしてアッシがドンクルカンですね。何か、日本人から唐人(モロコシジン)に為った様な気がしますいんね。ヘヘヘ。」

「おい、R聞いたかよ。モロコシジンだとよ。ついでで云えば、此処の主食オマンマは、三度三度のモロコシだぜや。」

「えっ、お館様、アッシァ、モロコシ喰うと、腹の調子が悪くなって、下痢ピーの口なんですがね。こりぁ、困った。腹押さえて、草叢で黄金水ほとばらして居たら、ヤオラ、R様の長槍突き出されて、・・・・ あの二の舞にだけは為りたく無いですいね。勘弁して下さいましよ。お願いしますよ。えらいこっちゃ~。」

「これ、ドンクルカンよ。喰うもんが無いから、下痢ピーの前に、一杯食べて、慣れるしかあるめいよ。イッヒッヒ~。」

★まぁ、こんな内緒話は、オフレコ中のオフレコなんでありまするが、武器・物資・人数が揃って、目前に迫りつつある王国侵入者達にとっては、この王国の大進歩は、愈々もって魔境域への足取りを確実な物にしつつあった。

 屈強な従者の中には、加治屋技能を持った若者が居たから、川砂から磁石で砂鉄を集めて来るのは、幼児集団の楽しいお遊びの中の仕事とも為って行った。
 
 荷駄の中には、斧、鉈、鋸、鎌の類が少なからず入って居た。それに、何にも増して、牛馬によるジャングル開拓には、絶大なる威力を発揮したし、隠れ里と云う隔絶した自給自足の社会生活の知恵は、温帯日本と熱帯ユカタン半島の気候の違いはあっても、その開拓・自給自足要素に於いて共通する物が在ったから、小さいながらも王国の文化の進み具合には圧倒される程の進化スペードが在った。

        ★これは飽く迄も、現代人の私の感想である。

 従って、このアナコンダ王国の住民の目からすると、此処の住人は強部族による人狩りによって、集落を焼き払われ難を逃れて、ジャングル樹海の中を空腹で流離って居た者達が、その殆どであった。そんな住民達の眼からは、伝説の王・ククルカンの現実は、正に異次元の<神の御技>と映り、嫌が上にも尊崇と畏怖の戦慄が走る『奇跡』と見えて居る様であった。

 何時しか、熱帯の気候に順応を強いられて、私達は現地インディオ達が虫除けに全身擦り込む草をすり潰した汁を塗る事で、褌一枚の裸族の身為りに移行して居た。

 郷に入ったら郷に従えでもあり、必要は対処の母でもあるからして、裸族には裸族で居られる各種の虫除け手段、バクテリア菌に対する処方の数々もあった。云うまでも無く、此処では吾等は神格を持った<やんごとなき存在>であったから、それなりの対処法に長けた従者が、1~2人付いて居た処でもあった。

 <その6>
 王国の防衛網、戦闘能力も日に日に倍増して行った。そんな或る日、ジャングルの要所要所に配置された物見から、伝令が来た。東のジャングルに、人狩り軍団、その数30、肩枷で数珠繋ぎにした捕虜男女50を急き立てて、此方に向かって居るとの第一報が入った。

 私は、日頃から妄想癖が旺盛な性質であるから、こんな事も当然の近未来図として二案を想定して居た処であった。

 A、最初はきっと偶発的な小戦闘と為ろう。それについては、相手も大戦闘を想定して居ない筈である。偶発的な出会い戦闘なら、此方としては手の内を見せないで、撃退するのが得策である。従って、蔦のネットを張り巡らせたジャングルの中で、ネット狭路に誘い込んで、潜伏待機する手勢で、号礼一下、一斉の槍衾(やりふすま)で殲滅撃退する。この戦法ならば、戦闘未経験者集団であっても、十分な戦果と<実戦体験>をさせるに足る効果がある。

 B、ジャングルを難なく抜けさせて、遺棄された王国の広場に差し掛かった処を、ピラミッドの後ろに布陣させて置いた牛馬を先頭に立て、<伝説の王・ククルカン、ククルカン!!>の連呼と打ち鳴らす太鼓・笛の音響効果をも加味させて、一糸乱れぬ一気呵成の攻撃を仕掛ける。戦意喪失の期を捉えて、殲滅するも良し。よしんば取り逃がしても、伝説の王・ククルカンの降臨王国への<畏怖の念を流布>させる事によって、誕生間もない王国防御の時間稼ぎとするも良しである。

 勿論、A作戦、B作戦にしても、一長一短はある。A作戦とすれば、50人の捕囚の身の安全面は確保出来難い状況が生まれる。彼等、彼女等は解放されれば、王国新住民と為り、新王国の発展に大きく寄与する人間達である。二次三次の本格的攻撃を想定すれば、手の内を隠す必要面からすると、A作戦は良い作戦である。
 B作戦は、云って見れば<心理戦>であるから、恐怖感の植え付けと伝説の王・ククルカンが現在の文明を滅ぼしに、再臨するとの<神話・ポポル・ブー>と暦学の運命論に呪縛され続ける文明への脅迫心理戦なのである。

 伝令報告では、人狩り部隊の人数は30の規模である。戦闘消耗を算定に入れれば、出発時の数は、40~50の規模と見て良かろう。仮に50の規模の軍人部隊の未帰還と為れば、当然に国家の一大事であるから、その調査隊が派遣されて調査結果が、王の下に報告される事は必至の処であろう。

 常時50人規模の人狩り部隊を、ジャングルの東西南北に展開する国力と為れば、人狩り部隊員数は200で、それを軍隊の二割とすれば、1000人規模の軍隊を持つ国力であろうか。報復戦にその五割を差し向ければ、500の軍勢と闘わねば為らない結果が予想される処である。500の軍勢に立ち向かう為には、初戦の段階から、手の内を見せるのは、小国の国力から云って<墓穴を掘る極み>と云って好かろう。

 作戦会議など、必要なかった。日頃の訓練の最中で、<賽が振られた>だけの事である。

「よし、者共、かねてより訓練して来た効果を、実戦で確かめよ。戦果を待つ。者共、掛かれ~。」

 A作戦を下知して、私とTは、アナコンダ、呑太、その従者を伴って、戦闘開始の鏡信号の反射方向に、大股で歩く。
 取り逃がした兵士が、本国に帰り報復戦の戦士部隊を連れて来るには、時間が掛かる。同様に捕虜とした戦士を拷問して聞き出せば、情報も得られるし、それに基づいての作戦も立てられる。

 東のジャングルの中央近く、戦闘の声が響く。それは、怒気を込めて槍衾を繰り出す大声と、不意を付かれて断末魔の声を上げる凄惨たる空気の立ち上りを感じさせていた。

「さあ、此処からは、戦闘域じゃ、鞘を払え!! 一兵たりとも、逃がすな。必ず止めを刺せ。この人狩りの悪しき文明に、仏心は仇と為って帰って来るまでじゃ。吾等、鬼神に為ろうぞ。」

 ジャングルの中央では、既に決着は付いて居た。茫然としゃがみ込んで、わなわな震える捕囚の首枷を解いて、安心せよと触れ回せる。50の捕囚には、軽い怪我は有った物の、重傷者は居なかった。夥しい血の海に、痙攣を引き攣らせる半死状態の人狩り兵士が、蠢いて居る。その数、28である。2人が逃走した勘定に為る。

 一番軽い怪我の兵士を残して、私達は小刀を捕囚の者達に与えて、<父母、夫、妻、子、友人達の仇を討て。>と促す。マヤ文明を記した本の一節に、不倫・不義密通を働いた一方の配偶者は、自分の配偶者並びに相手に対して、如何なる方法手段を持って、殺す事が許されて居た社会が、マヤの社会であったとの事である。<死が本体に在る異文化>に在って、異文化の風習・仕来たりを満足させるのは、感情を超えた或る一方の理性でもある。

 人間声とも思えぬ声を張り上げ、小刀を握り締めて、或る者は喉を掻き切り、心臓を深々と刺し貫き、或る者は、狂った様に刀の先で突き捲る。血と内臓の臭いに、気持ちが悪くなる光景ではあるが、これは避けては通れない血の復讐心が、人間を駆り立てる修羅の場でもある。きっと、この様な殺戮が繰り返されて居た普通のシーンなのではあろうが・・・見たくは無い獣性の世界である。

           穴を掘らせ、絶命した骸を埋めさせる。

 既に放心状態の捕虜一名を引きずって、神殿ピラミッドに向かう。引き立てる者達は、嘗て人狩り戦闘集団に身内を殺され、引き立てられて、奴隷にされ、神殿ピラミッドの生贄に供された遺族達である。勝者と敗者の凄惨さの中に、一つの光明を見出して、このアナコンダ王国建設に参画して居る者達でもある。

 こんな凄惨なシーンの当事者と為って仕舞った私とTの心中は、グラグラと奈落の底に回転して落ちて行くだけである。どちらともなく、大きな溜め息の下・・・・

「此処は、どうしようもない世界だものなぁ。この世界に、<現代の俺達の尺度>を持ち出す訳には行かんからな・・・」

「そうだな。この世界には、この世界の遣り方、仕来たりが在る。行き過ぎたお節介は、この王国の<中心力さえも崩壊>させちゃうからな。・・・」

 捕虜尋問の報告が入るまでには、それほどの時間は要しなかった。王国への旅程は、二週間との事である。帰るに二週間、報復軍勢を整えるのに一週間として、到達するのに二週間。都合、最少で五週間である。軍の総勢は、意外と少なくて600との事である。然すれば、半数を動員したとしても、300~400規模であろうか・・・

 <その6>
 人狩り兵士のただ一人の捕虜に対しては、戦闘の殺戮が済んでしまえば、私もTも、洋々も現代人である。現代国家では、軍隊・警察・裁判・執行機関も別個独立して、日々、その職務が行われて居る。一般人がそれらの実態を、身近で見る事は先ずあり得ない。税金負担と云う間接参加という形で、社会・国家秩序の中で、文句は言うが、嫌な事、危険な事には、一切、われ関せずの傍観をして居るに過ぎない。

 従って、生々しい処刑の執行者に為るのも、その立会人に為るのも・・・ 如何にも後味が悪く思う処である。然りとて、この異次元世界では<歯に歯を、目には目を>と云う報復刑が、極普通の社会の掟である。別に野蛮、酷いと云う範疇に入る訳では無い。
 中米ユカタン半島のジャングルを流れる川には、ワニ、ピラニア、カワイルカも数多く生息する。私は粗末な丸木舟に数日分のバナナを与えるが、櫂を与えずに川に流す事にした。人狩り兵士は、命乞いも余りせずに、黙って丸木舟に座って流されて行った。

 運が良ければ、岸に流れ着きジャングル樹海を浮浪者として流離うも良し、流れの最中に、流れに没するも良し。生き永らえて、復讐を誓うも良し。全ては自業自得のなれの果てとする。

 命を助けられ、奴隷にもされないと聞かさた全解放の50人の入植者群は、幸運の奇跡と感じた。一日の休養日を与えると、陰日向なく、進んで苦役を買って出てくれた。そんな彼等に、居住区の一角を与え、等しくアナコンダ王国民の身分を与えた。
 
 一ヶ月余で、300~400のマヤ強国の精鋭部隊が攻めて来る。新入植者を加えても、アナコンダ新王国の人口は、200でしかない。戦える者を総動員して男女混成軍を組織しても、戦闘前線に動員出来る数は、精々が100強であろうか・・・
 マンパワーと云うハードの脆弱さは、ソフトの作戦で補完するするしか手立ては無い。私は、ピラミッド神殿の上に立ち、熱く欝蒼と続くジャングル樹海の中に、ポツネンと浮かぶ王国の本丸を守る外堀と見立てる事を思い付いた。

 早速、Tに考えを説明して、知恵を突き合わせて具体図を講じた。王国を取り囲むジャングルを新たに外堀とすべく、周辺のジャングルを50m幅で焼き払い、その中央辺りに3~4m幅の堀を掘って巡らせ、川から水を引き込む。堀にはワニ、ピラニアを追い込んで味方の戦力補強とする。堀に掛ける簡易なハシゴ状の橋を作り、いざと為ったら橋を即落とせる様に、燃え易く油を浸み込ませて置く。味方が渡り、敵を呼び込んで橋を落として、再び退路を断って、堀に落とし込んでワニ、ピラニアに襲わせる。

 見てくれ度外視の急拵えの有事の防御堀ではあるが、平時に於いては乾季を潤す用水路とも為る。岩、石の無い土ではあったが、厄介な根の除去には呑太の運んで呉れたオノ、ナタ、クワ、牛馬の働きは、鉄器、大型家畜の存在しなかったこのマヤの時代、新文明の驀進ザマであった。
 ジャングルの焼き払いで、膨大な木材が入ったから、砂鉄取りの子供達は、早朝から夕刻まで実によく働いてくれた。それらはフイゴの送り出す空気の中で、溶かされ赤々とした銑鉄を作り、叩き上げられ真っ赤な鋼を作った。鋼は来るべき大軍を迎え撃つべく、木槍の鋭利な穂先、弓矢の矢じりに作られて行ったのは、当然の流れであった。

 自前の王国建設と限られた明確なタイルリミットを持たされた人間の働きは、正に予想を超えるスピードで、物を作り上げて行く物である。そんな日々の光景を見るに付け、組織構成員の中に沸々と燃え滾る、協働の物心両面の連帯感の凄まじいばかりのエネルギーは、人間だけが持つ特権と思い知らされる。

 ★これは決して、我々人間の努力に依るものでは無い。見えざる大いなる意思の後押しがあったればこその、加護の手の中に在る現実と云う証拠なのであろう。

 これはアナコンダ王国の民と見えざる大いなる意思に感謝しなければ為らない実感であった。私達は、神殿ピラミッドの長い石段を伝説の王・ククルカンに感謝と来るべき大戦闘での勝利を祈願して、儀式の大デモンストレーションを強行するに到った。
 伝説の王・ククルカン125世の私と王妃洋々、その心友・タタルカンとその愛妾達、アナコンダ女王、ドンクルカンとその従者達が、太陽の国の半裸族の褌一丁の姿で、顔には灼熱の太陽光線に伍して派手な原色極彩色のペインティングと同様の羽飾りを頭に付け、打ち揃って静々と石段を登る。

 神に命の土とそれから収穫されたトウモロコシ、鍛え上げたばかりの鋼、それから造られた武器を奉納して、石段の半分程の所まで下りて、ピラミッドの下に整列した民の労苦を讃える。

「男も女も、子供に至るまで、歯を食い縛って、短期間で良くぞ完成させてくれた。近日中にも、血塗られた、血に狂ったマヤの強国の軍勢が、この年少国アナコンダの国に報復の大侵攻をして来るだろう。

 この戦いは過去を打ち破って、未来をお前達の力で切り開く神聖な戦いとも為ろう。お前達が、このユカタンのジャングルの中に開いた歴学の自縄自縛の、ただ決められた運命の中に生まれ、死んで行くの他動的生き方から解放されて、自らの才覚と努力で、与えられた土に、土の再生産の命を吹き込み、育てて来たトウモロコシの緑の海が広がる王国を、一歩ずつ作りつつあるのだ。そして、歴学の自縄自縛を脱した現在に、お前達はハッキリと居るのだ。それを確りと、心に刻むが良い。

 さぁ、皆の者、来るべき侵攻者に、勇気と誇りを持って壊滅の結果を示そうでは無いか。お前達自らの力に依って、マヤの強国の軍勢を壊滅させて、伝説の王・ククルカンの名の下、揺るぎ無い自主独立のアナコンダ新王国を、皆の手で作るのだ。

 今日は、家族、愛しき者と存分に楽しむが好い。そして、戦いに備えよ。但し、酒は飲むなよ。以上である。解散せよ。」

「あなた、何時も口上手ねぇ~。二人だけに為ると、<遣らせろ遣らせろ>しか言わない人なのに、あなたの中には、二人の人が入ってるの~、うんうん・・・」

「煩い、無駄事言うと、上の口に、杭ぞ~、ぶち込んで黙らせるぞ。その時々の役柄を演じるのが、男の役目ぞい。男は、いざと為れば、頭も立つんじゃい。馬鹿垂れが!!」

「お館様~。今日一日だけの伽(とぎ)為れば、仲良く4人で致しましょうぞ。おほほ。」
「う~む、御意。お前達のサービス、テクニックの順で、女乗馬を致すとするか。Rよ、俺は短時間で3人を相手にしなければ為らんから、先に時化込むぜや~。イッヒッヒッヒ~。」
 
「嗚呼、励み過ぎて、<ぎっくり腰の戦列離反>はするなよ。そんな体たらくしてたら、一物を黒曜石ナイフでちょん切って、神殿ピラミッドの生贄の台に放り投げて置くぜや~。」

「大丈夫、俺だって今回は、用意する時間があったぜやな。乾電池式の大人の玩具を幾つかリュックの中に、忍び込ませて来たぜや。ギャハハのハッ。」

 ★ニャロメ、Tの野郎、便乗道具を持参とは、芸が細かいわな。野郎、バイアグラもチャカリ、持って来てるだろうな。ワン、ツー、スリーラウンド。見事、たつ(勃起)か、タタルカン。俺は、ワンラウンドだから、終わったら覗きに行って遣らっか。イッヒッヒ~。

「あなた、何、羨ましい顔して、Tさん見てるよ。セックスは、見る物違う。する物でしょ。早く部屋に帰ってするわよ。うんうん。」

 ★俺以上に、皆はスケベ丸出しでは無いか。う~む。アナコンダと呑太の奴は、お互い惹かれ合って居る様じゃ。『種送りの儀式』では、子が授からなかった処であるから、何も遠慮は要らぬ。楽しむが好かろう。私としては、現地女の園に巣作る熱帯ジャングルバクテリアには、哀しいかな抗体は無かりせばの体たらくじゃての~。  

 そうかそうか・・・Tのヤツも、物凄い学習能力の持ち主である。入院見舞で、ちゃんと肝を押さえて、安全パイの隠し里の愛妾三人のリクエストと尺八ロシア女の名指しリクエストとは、・・・う~む、伊達や酔狂で、現役時代の副業が<女遊びの指南役>と呼ばれては居なかったと云う事であるか。
 
 アナコンダとの儀式では、別段変調は無かった処ではあるが、何しろ現地時間では20数年の径時変化と云う事もあるし、呑太氏も前身が下痢ピー黄色褌の顎外し男なのであるから、事の後は、観察して知るべしかも知れぬ。へへへ。

 <その7>
 ジャングルの要所要所に配置した物見からの信号では、一日旅程の辺りから光の信号が知らされ始めて居る。早ければ、明日の未明時に戦闘の火蓋が切られるかも知れぬ。

 未だ、明け切らぬ早朝、私は一人起きて、神殿ピラミッドに登って、王国を見渡す。来るべき猛攻撃を受ける王国の外堀の様子を見に、歩を運んで居ると、Tの姿が見える。既に気配を察して、私にもTにも、三人の少年従者達が付いて居た。言葉の直接の交換は、従者の手前、予期せぬ事にも波紋を呼ぶ事も、多々あるのが、この世の煩わしさでもある。

     青い夜霧に、灯影に赤い。どうせ、俺らは独り者。
    夢の四馬路(スマロ)か、虹口(ホンキュー)の街か、
        ああ、波の音にも、血が騒ぐ。

    可愛いあの娘が、夜霧の中へ 投げた涙のリラの花。
        何も言わぬが、笑って見せる。
        ああ、これが、男というものさ。

   花のホールで、踊っちゃいても、春を待たないエトランゼ。
    男同士の 相合傘で。ああ、嵐呼ぶよな 夜が更ける。
 
 いや~、好いねぇ。次、唄おうか。

    貴様と俺とは、同期の桜。同じケンリョーの庭に咲く。
   咲いた花なら、散るのは覚悟。見事散りましょ。心友の為。
 
 同世代番から男子校の硬派の男には、矢張り、こんな唄が自然と出て来る物である。こんな唄を低く唸りながら、私とTは、堀、そして背後のジャングル、橋、堀を挟んで最初の殺戮場と化すであろうジャングルを焼き払って、黒々とした更地の戦闘場を見て歩く。

 次は本丸を隠すジャングルの残り、そして本丸前の遮る物の無い神聖域の広大な広場に誘い込んでの壊滅作戦の主戦場などの、頭の中のしっかりと刻み込まれた戦局、戦局の一つづつを脳裏のスクリーンに映し出しながら、長としての点検の厳しい視線を走らせながら、王国を一周して点検の目を注いで歩く。

「へへへ、如何も俺達は貧乏性だいな。如何だい? 作戦手配、手筈に落ちは無いかや。」

「う~む。<人事を尽くして、天命を待つ>の心境かね。まぁ、俺達は優等生の後方将軍の柄じゃ無いからな。武闘派の獣性で、流れを指揮して、流れの中で戦局を勝利に導くのが取り得だからな。指示、命令のタイミングにこそ、俺達の働き場が在るんだわさ。」

「そうだいなぁ~。熱く為らない内に、最後の作戦フォーメーションの動きを、確認だけして置くとするか。」
「ああ、そうだな。此処まで来たら、ドタバタしても始まらんからな。昼マンの時間も下知して置くかいな。へへへ。全ては、明日の一戦で決まる・・・」

 <その8>
 夜は、明けようとして居た。マヤ強国の軍勢を呑み込んだジャングルは、静まり返って鳥の声も、ホエザルの声も無く・・・不気味なほどの消音の、未だ色彩の無い世界の背景として横たわって居る。ジャングルの底に太陽が、今日の運行を開始して居る。モノトーンの世界に、鈍く薄い色彩が現われて来る。ジャングルに光の端が見えて来る。

心臓の鼓動が大きく打ち始め、これから繰り広げられるだろう殺戮の壮絶なシーンが、脳裏を目まぐるしく走り、嘔吐を催す。恐怖が広がり、血流が今度は、一斉に内部の心臓に逆流して行く。此処で怯んでしまったら、それで終わりである。
 退いた血流の全てを、肺活量一杯に呑み込む。呑み込んだ血流が、凝縮されて行く。その内部圧力が頂点に達すると、心臓のポンプがドクドク、ドクドクと力強いリズムで、身体に充填されて行く。その血流の送り出しは、徐々に毛細血管の隅々にまで、充填されて行く。声を発したい衝動を再度、肺活量一杯にまで呑み込んで、静かに吐き出して行く・・・そんな繰り返しを数度して、肩からの力を抜いて、私とTはジャングルの一点を見据える。

 ジャングルに、光信号が光った。それに呼応して、光を発信する。ジャングル全体を揺るがすような人間の声とも思えぬ弩声と共に、合戦の火蓋は切られた。

 双眼鏡には、第一次戦の舞台であるワニとピラニアの蠢く水堀を挟んで、ジャングルを焼いた更地での戦闘が始まって行くのが、ありありと見える。

 シュミレーション訓練の手筈通りに、光信号が飛び交い、光伝令に従って、ジャングルの南北に待機させていた弓矢隊が横一列に並んで、マヤ軍勢の背後から、弓矢の高射砲を浴びせ掛ける。

 敵軍勢は、突撃の体制を取って居るから、そんな後ろ矢には目も呉れぬ様に<怒涛の突撃>を敢行して居る。内堀のジャングルの中からは、味方勢が迎え撃つように一列横隊で長槍隊と弓矢隊が矢を放ちながら、ゆっくりと進んで行く。

 歴戦の勇者達で構成されたマヤ強国の軍勢の目には、それは距離感すら掴めない無駄打ちばかりをする<素人の烏合の民>にしか見えないらしい。<この勝敗、プロ集団の吾等に在り>の凶暴にして傲慢そのものの動きで、軍勢は素人集団を一気に殲滅せんとして、迫っているのが歴然として双眼鏡に写し出される。

 先頭集団が消えた。勢い余って後続者が次から次へと、水堀の中に呑み込まれて行く。

 ワニとピラニアの蠢く水堀の上には、蔦ネットの上に椰子、バナナの葉などで地面のカモフラージュを施して居たのであるから、獰猛なプロ集団の軍勢は不意を喰らって大パニックに陥った。

 戦闘の第一ステージは、早くも勝敗の決した阿鼻叫喚の殺戮現状と化して居る。此処で、マヤ軍勢の数を半減させなければ、味方に勝利は無いのである。

 マヤの軍勢を400と見れば、吾が勢力は、精々が少年少女男女を集めても100前後でしか無い。その内の40を第一次戦に展開してる最中なのである。牛馬を先頭に、隊列を組んでピラミッドの後ろに待機してある本体の数は、従って60にしか過ぎない。

 現代人の姦計に嵌まって、阿鼻叫喚の堀越えをして来た敗走軍勢を壊滅させるには、少なくとも200対60で真っ向勝負を掛けて、一気に殲滅させるのが、私の役目である。

 精神が混乱する軍勢に整除立って太鼓・笛で<伝説の王・ククルカン、ククルカン~>の大連呼と囃し立てて、呑太のドンククルカンの一団に依る牛馬の縦横無尽の敵軍勢の撹乱の内に、一気呵成の殲滅戦法を仕掛けるより道は無いのである。

 双眼鏡には、堀の粘土質の土は、水飛沫と血糊で滑りに滑って、這い上がる事を妨げて居る様がありありと写る。

 気弱に為って怯んでしまえば、待ち受けるのは堀の上の鉄器の武器で、突かれ切られ、棍棒で頭蓋骨を叩き潰される。死体の埋まりを幸いに、それらを足蹴にして、3~4mの生死の掘りを飛び越えて、一目散に内堀たるジャングルの中に逃げ込むしか、マヤの軍勢には一息付く場所すら無いのである。

  <情け無用、徹底的に殺戮せよ!!> と光信号を飛ばさせる。

 数と時を見計らって、外堀の背後を守った手勢を、堀を渡らせて<内堀のジャングルに向かって、ゲリラ戦に移れ。>の光信号を従者に送らせる。

 ジャングルの中には、前回人狩り手勢を殲滅させた蔦ネットの迷路が張り巡らせてある。

 休憩は人間に冷静さを、呼び起させるものである。相手が、戦闘のプロなら、それは尚更のセオリーである。間髪を置かず、阿鼻叫喚の恐怖感を与え続けて、敵勢を盲動・盲進に追い立てるのが一番である。見た処、少なくとも、第一ステージで、150の戦果は挙げた処だろうか。

 ジャングルゲリラ戦で、少なくとも50~60の戦果を挙げると共に、ジャングル脱出の時を分断させて、アナコンダ正規軍の待ち構える戦場に、敵勢の数の集結をさせてからのガチンコ対決は、相手の軍勢が小さい方が、吾が方に対しては有利である。

 ジャングルの中での闘いぶりは、双眼鏡には写らないが、戦況を知らせる木上の光伝令が、有利・不利・苦戦の状況を知らせてくれる。有利に事は進んで居る様である。

 然しながら、軍勢の多さに、その内に迷路の蔦ネットは破られ、軍勢がジャングルの外に姿を現すのは、時間の問題だろう。何しろ、相手は退路を断たれて、必死の猪突猛進のエネルギーだけで、前進を敢行するしか手が無いのである。

  そうこうしている内に、軍勢の先頭集団がジャングルから、姿を現した。

 目前に広がるのは、日頃自分達が生活するマヤの石造りの神聖域の大空間である。然しながら、人っ子一人居ない、静寂のスポットであるから、彼らには茫然の態が見て取れる。

 思わず、腰を下ろし、肩で大きく息を付いて居る兵士達の姿が双眼鏡に写る。次から次と、命からがらジャングルから脱した兵士達の数は増して、100位に為った。ピラミッド背後に待機した本体に、伝令が発しられた。

ドン、ドン、ドドドーン、ドン・ドン・ドドーン、ピィ~ヒャララ・・・ 
<此処は。伝説の王・ククルカンの休息所。ククルカンの眠りを妨げる者に、死を!>
 ドンドンドン、ピィ~ヒャララ、ピィ~ヒャラ、ドンドン、ドンドコドン・・・
<ククルカンの軍勢見た者は、死があるのみ。鬼神のククルカン、いざ参る。>

 度肝を失って、ワナワナと腰を抜かすほどの驚愕の世界とは、正に双眼鏡に写るマヤ強国の敗残兵の姿なのであろう。

 それでも、人狩りをして、生きた人間を生贄とし、兵士同士、闘士同士を、競技場で戦わせ、負ければ命乞いも虚しく、神殿ピラミッドの生贄の台で、生きたまま心臓を黒曜石のナイフで抉り取られ、その骸は、民への施しとし霊験あらたかなる人肉とされる<社会の番犬>として生きて来た軍人達なのである。

 勝利の無い現実を悟って、生きるも死ぬも同じである。為らば、最後の潔さを飾りたいの気持ちを必死に鼓舞して、隊列を整えようとして、檄が飛んで行くのが見て取れる。

 吾が本隊の先頭に立つのは、馬上の戦国初頭の下痢ピーの黄色褌改め、ドンククルカンの率いる4騎馬の勇者達である。

 後顧に憂い残さず。異次元、異文化にあっては、情けは無用である。ただひたすらに、獣性に立ち還って、決戦に向かうのが肝要である。

「掛かれ!! 完膚なきまでに、殲滅せよ!!」

 天に一斉に放たれた矢数が、マヤ強国の軍勢に襲い掛かる。

 その矢数をバックに、アジア馬の木曽馬が、猛り狂う様に、自信を喪失したマヤの軍勢に切り込む。馬が魔物、馬上の人間が魔人に見える。その恐怖の中に、マヤの軍勢を縦横無尽に撹乱させて、<戦国初頭にての雑兵達>が、鬼神の如く疾走して行く。

 逃げ惑う裸族兵士は、既に纂を乱して蜘蛛の子状態である。それを矢が追い、長槍が突き貫く。刀が、鎌が空を鳴らして、襲い掛かる。

 そんな事とも知らずに、内堀のジャングルからは、難を逃れて次の兵士達が、戦闘の決着の場に追い立てられて来る。

 その中に、横一列に並んだヨーロッパ種の大柄な体重は1tは有ろうかと思しき、四騎の一団が、横一線で黒鞭を縦横無尽に振り回し始めている。前後を魔物と魔人が、凄まじい勢いで疾走して行く。
灼熱の太陽の下、既に錯乱状態に陥って居るマヤ軍勢を、羊の群れを追い立てる様に、黒鞭を奮う騎馬の一団が、中央の戦闘の渦の中に追い立てて居る姿が見える。

 レンズの焦点を合わせると、灰色の毛皮甲冑に身を包んだ、ナターシャ、バルディナ、ヤナ、イリーナのロシアンアマゾネスの騎馬隊である。

 距離の関係で、その目にも止まらぬ黒鞭の冴えは、丸で柔道の三船久蔵十段の空気投げ?の妙技にして、次から次と屈強なマヤ兵士を、空中に飛ばして悶絶の山々を築いて居る。 

 主戦場での勝敗は、瞬く間に決着が付き、横一線に並んだ吾が軍勢が、長槍を前方に構えて、堂々の前進を進めて居る。

 内堀のジャングルに逃げ込んだ敗残兵を、追ってのローラー作戦に移行して居る。ジャングルを槍衾に追い立てられ、彼等は再び殺戮の阿鼻叫喚の水堀の場と化した最後の場所に追い立てられて行くのであった。

   マヤ軍勢が壊滅したのは、太陽がギラギラと中天に座った頃であった。

 戦場処理の動きは、既に始まって居た。死体を荷車に積んで牛馬に引かせ、川に流す。そんな死体処理が行われて行く。

 早くも死臭と血の腐臭が、立ち込める処理現場をTと見回りながら、ジャングルを抜けて、堀を埋め尽くす死体の現場を見て回る。

 大勝利の高揚感など一切湧かず、然りとて、戦闘、殺戮の虚しさも湧いては来なかった。

 これが、現実の重さなのであろうか・・・ 一歩間違えば、其処に転がって居る骸は、この私達なのであろうし・・・人狩り軍勢に生け捕られて、首枷に数珠繋ぎされて、奴隷か、生贄の台に乗せられて黒曜石のナイフで心臓を抉り取られて、絶命したのかも知れぬ。

 現代的に考えれば、これは常道を逸した犬畜生にも劣る冷血の行為であるが、私は敢えて<皆殺しの方法>を取った。これが、この時代の、この文明文化の常識なのであろうから・・・

 どんなに文明・文化の科学・哲学が進んで居ようとも、新しき物に付いて来れる<基礎の前提>が無ければ、それは神のマジックでしか無い。何歩も先の事を示した処で、それは民の基礎とは為るまい。
 精々が半歩先を示して、時と云う先を待つしか無いのが<人の学習能力の限界>とも云われる所以であろう。時代錯誤のエエカッコしいの似非進歩者を偽善的に振る舞う事など、私にとっては笑止千万の行いである。

 御承知の様に、アナコンダ王国は誕生したばかりの小さくも幼い<人狩り被害者達、集団>から成り立つ社会集団にしか過ぎないのである。従って、アナコンダ王国の成長までの期間には、この欝蒼と取り囲むジャングル樹海の中で、外部には決して知られずに、成長して行く時間が必要なのである。

 きっと、そんな異次元世界の管理者の見えざる手が働いて、今回の<夢奇譚・第七話、ユカタン、マヤにて>の出演が、私の処に回って来たに過ぎまい。

 まぁ、私としたら、モンゴロイドで繋がるアジア人種の一員として、<人狩り集団の不条理>にジャングル樹海を彷徨って、若き命を樹海の骸と化して居た幾多のインディオ達が、一人の人間として、余りにも不憫であった。
 何も取り得も無い、好色ロートル男の身ではあっても、人生60の蓄積知恵も少なからず持って居る。そんな諸々の雑学の具体化として、彼等に生活の場と人間の創意工夫の一端を実践で示す事が出来たのである。

 ★嘘も方便の詐欺行為ではあったが、伝説の王・ククルカン125世として、時の風化の中に去って行ければ、それで良しとすべしであろう。

 どうやら、これで今回の夢奇譚行も所定の目的を達した筈であろうから、還りのお沙汰も遠からず訪れる事であろう。それまでが、漸くの羽伸ばしのバカンスと為ろう。

 <その9>
 シャワーは無いが、灼熱の太陽は水をお湯にしてくれる。云わば太陽温泉である。専用の水路を設けてあるから、蛇口は無いが木板の上下の開閉具合で、温度調整も出来る。それに氷は無いが、トウモロコシを発酵させて作った酒もある。酒の相手をしてくれる侍女達は居ないが、呑ん平のロシアン・トリオが居るし、歌の上手な洋々も居る。

 牛のステーキは無いが、活きの好いイグアナステーキもふんだんにある。それに、私達はこの王国では、人格では無く<神格>を持たされている。神聖域の重厚な石造りの天文台は、古代の迎賓館の様にリフォームされて居る。朝な夕なに、身の周りの世話、食事を運んで来る係が居るから、兎に角、VIP待遇なのである。

 人間の衣食住は、その属する気候風土によって決まる。上下のフロアをTと分けて使用して居るから、Tのフロアで行われて居る男1:女4の交歓の一部始終は、分からぬ処ではあるが・・・ 時々、昼夜を分かたず、獣じみた女の声が、風に乗って聞こえて来る時もある。

 然しながら、出歯亀に行くのも無粋であるから、時々、吾がフロアでは、顔を見合わせて、腹を抱えて<笑いの種>にしている次第である。

 私のフロアと云えば、ロシア女は身体の作りが寒国仕様に出来上がっているらしく、熱い太陽には、反射対応なのだろうか・・・・それとも、ヌーディストの気が在るのか、全裸スタイルである。
 最初は、貧乳コンプレックスを女の嗜みとして<全裸スタイル>をハシタナイと嫌がって居た洋々ではあったが、一人だけ着て居る訳にも行かず、裸族の仲間入りを果たして居る。尤も、豊乳は如何しても引力の作用で垂れる構造に為っているらしく、汗疹(あせも)対策に女達は、太陽温泉を日に数回使用する。
 そんな時、洋々は澄ました顔をして、<大きければ、好いって物じゃ無いわよ。>と、汗疹の無い胸部を誇るのである。

 ★はい、左様でゴザリまする。何事も一長一短が、世の倣いである。私は、女の乳房の大小よりも、バックから眺める頭、うなじ、背中、腰、ヒップの総合曲線が女体鑑賞の対象なのではあるが・・・
 加えて言わせて頂ければ、口さがないエロ事氏の見立てによると、中の物を掻き出す<ジョレン魔羅>などと、一方的に決め付けられている吾が不肖の倅である。ピストン運動時の浅・浅・深の三拍子に連動する白い双丘の下る背中の下の辺りの、ヒキツキの喘ぎを一番の鑑賞処として居るのである。イッヒッヒ!!

 まぁ、こんな枝葉末節な記述は割愛するにして・・・ モロコシ酒を酌み交わし

「でもなぁ、俺はびっくりしたよ。余りにも、ロシアの助っ人が来ないから、あいつら俺の体を好きなだけ散々、<玩具>にした挙句、生死に関わる戦闘には、知らん振りを決め込んで居遣がる。全く<冷たい連中>と恨んで居たんだぜ。
 それが、あの場面で最高のタイミングで登場してくれたんだから、本当に、味方の死傷者も最小限に済んで、感謝感激の驚愕のシーンだったぜよ。それも、黒鞭とは決まっていましたがな。あい~。」

「そうでしょ。何時も、頼りに為るのは、このナターシャでしょ。言ったでしょ。私、魔法の力持ってる。霊視で最初から全部、見て知ってるんだから。あなた、何も心配要らなかったんですよ。ふふふ。
 それに、今回は、洋々が夢奇譚初登場でしょ。私達は、三回目の登場だし、青ナイル源流への歴史行で十分バカンスして来ましたからねぇ~。三人で話し合って『女の仁義』で、今回は脇に回る心算だったのよ。
 あなたの作戦も悪くは無かったから、私がヤナ、バルディナ、Tさんのイリーナに乗馬、黒鞭の特訓をして居たのよ。ねぇ~。私達は、あなたの守り神よ。
 神様には、神様の大好物のお供え物は付き物でしょ。これ、当然の報酬でしょ。アハハ、あなたは、相変わらず、馬鹿ですねぇ~。」

「そうそう、そうですよ。あなたは一人じゃないのよ。何時も、私達応援団が付いてるんですよ。今回は、あなたは直接戦闘シーンに出て来なかったから、双眼鏡では見えなかったでしょうけど、私達の鞭捌きは一点集中攻撃の睾丸鞭だったんですよ。オホホ。
 男の急所中の急所鞭だから、一発の鞭入れで、大の男がギァッで一瞬の悶絶よね。口から泡吹いて、白眼で気絶しちゃうんだから、男なんて口ほど手も無く、チョロイもんよねぇ~。オホホ。」

「そうよ。私達は、み~んな、一発百中の得意技睾丸鞭を振るうアマゾネス美人・美形衆よ。好物のお供え物は、滞在中は確り頂いて行きますからね。アハハ~。」

「何をこきゃがる。偉そうに~。頭脳労働は、肉体労働の何倍も疲れるんじゃい。戦いすんで、そんな物騒な美人・美形さんは、願い下げじゃい。洋々だけ残して、お前さん達は、ウクライナ、ロシアに帰りな。有事で死なず、平時で撫で殺されたんじゃ、身も蓋も無かんべや。おお怖い。」

「あなた、何言うか。中国女には、中国5000年の秘儀・握りキンタマあるよ。うんうん・・
 でもねぇ、皆、好い女達よ。これなら、皆と仲良く出来るよ。皆三回。私だけ、まだ一回よ。やっぱり、ナターシャから鞭の使い方教えて貰うよ。ふふふ。」

 そんなVIP待遇の日々が何日か続く平穏を取り戻したジャングルのアナコンダ王国であった。そんな或る日、マヤ強国の情報が、密偵から持たされた。
 
 命からがら逃げ帰った戦士から、マヤ強国精鋭軍が丸で<邪悪な魔術>に掛かった様に、半日で壊滅してしまったとの詳細が、王・神官・天文学者・将軍に伝えられたとの事である。王はポポル・ブーの伝説の王・ククルカンが、直ぐ様、軍勢を率いて自分達を滅ぼしに遣って来ると<恐怖の中で観念>したと云う。王は、即刻、王国を焼き払って、ジャングルの中へ集団移動を始めたとの事である。

  その報告を受けて、私は夢奇譚の旅も近々に終わりを告げると感じた。

 呑太に訊ねて見ると、現世に還っても、戦国の世は、益々過酷に為って、隠れ里の離散も時間の問題との荒み様との事である。還るも留まるも、同じ乱世為らば、好いた女のアナコンダと共に、此処に残り隠れ文明・文化の国作りに一生を賭けたいとの事で、一緒に来た者達と意志が固まって居るとの事である。
 為らば、熱帯ジャングルの中に、幸いにもマヤ強国が打ち捨てて行った都市が一つある。アナコンダを伴って本格的なドンクルカン王都を造るのも好かろう。Tと私の<戦国初頭にて>と<ユカタン、マヤにて>の足跡が在る。
 それを元に、工夫を凝らして独自のジャングル文化を築けば良かろう。欝蒼とユカタンの熱帯ジャングルの中に、新文化を切り開こうとするドンククルカンとアナコンダの兄弟国が、生まれようとして居るのである。嬉しい限りである。礼とエールを送った次第である。

「Tよ。斯く斯く云々だとよ。如何だい? お前さんも残って、現地に同化してタタルカン王国の開祖と為って、後世の歴史に名前を刻んだら・・・悪くは無いチャンスだぜや。あい~。」

「何こくだ。お互い、爺っさ、婆っさの賄い夫が、まだ残ってるわいね。今回は、緊張しくまって居たから、熱帯バクテリアだって取り付く島が無かったんだろうけどさ。
 お役目が済んで、VIP待遇に為った途端、何かキンタマの辺りが、むず痒く為り始めて居るんだわさ。
Rの二の舞には為りたくないから、冬のとびっきり寒い信州に、早い処帰還して、この熱帯バクテリア軍団の先兵を凍死させにぁイカンずらよ。緊張と指導、労働の日々だったけどさ、殺戮の世界は、如何も俺達には居心地が悪いからな。
 還えらして貰うべや~。あい。夢奇譚の脳内スケッチ、インプットは、抜かり無いだろうから、俺を当てにするなよ。ヒヒヒ。」

 ★この野郎、体裁振り遣がって、胃無し人間の限界を超えて、朝な夕なにホエザルじゃあるめいし、度が過ぎたんだぜや。愛妾三人だったら、<お館様、御無体な、おほほ。>でスローペースの楽市楽座が出来た物を、欲を掻いて、尺八イリーナなどと云う猛者を<便乗リクエスト>するから、女に主導権を握られ、習い覚えた睾丸鞭で脅されるんじゃい。
 朝な夕なに、ジャングルを渡るホエザルが、<タスケテ~>とは泣きぁせんぞや。見え透いた腎虚逃げとは、この事であろうか。

 デカイ声じゃ言えないが、吾がフロアには霊視のナターシャ様が居らしゃるのである。霊視模様を特大の水晶玉に写すって言うのは、映画・ドラマの常套シーンではあるが、ナターシャは、そんな事をしなくとも、黒い瞳にその様を、いとも簡単に写し出して見せる程の魔法力を持って居るのである。・・・ギャハハ~。

 まぁ、こんな気持ちで、帰還組の私達は、中天に位置する灼熱の太陽を避けて、ジャングル風の通る木陰にハンモックを並べて、各人各様の異次元飛びを待って居る次第である。

                        2/3/12
                   夢奇譚七部・マヤにて続編・・・完。










心何処ーショート 明日の予告編為り
              Tと一足先のお遊びなり。(2/4/12)
 昨日の洗礼を受けてしまうと、今朝の暖かさは、異常温にも感じられる始末である。さてさて、本日土曜コーヒータイムである。コーヒータイムまでの時間を、完成させた夢奇譚・第七部、後篇<危うしアナコンダ王国・・・妄想は王国を救えるか>の読み直し、校正に充てて居る処である。前飾りのイラストも一枚加えて、合計8枚の大判振る舞いである。

 沢庵漬けをレジ袋に入れ、シーリーズ<妄走>も手伝って、この処、一気に挿し絵画が溜まって仕舞った。スタバスタッフさん達も、私には希少な吾が絵画ファン層様なのである。忘れずに、玄関上がりに、ファイル2冊を出して置いての、読み直しを進めて行く。

 素人の下手な小説もどきの文章であるから読めば、如何しても手が加わって仕舞う。半分ほどのお遊びをしていると、Tのお車である。

 スタバ二階席は満杯であるから、太陽熱ムンムンの窓際席に座る。二冊持って来たから、一冊をS大仏文科の教授先生にお渡しする。へへへ、恒例と為って居た、苦いコーヒーのお伴・吊るし柿をポケットに入れて来るのを忘れてしまった。些か、根の詰め過ぎである。

「やいやい、疲れちまったいな。Tが主役の後篇はさ、Tに粗相が無い様にと、細心の読み直しをしている間に、頁数が嵩んじゃってさ。26~27ページ位に行っちゃうぜや。
 今は調子こいちゃってるから、もう大変さね。午前、午後、深夜と時間帯を区切って、夢奇譚、日記ブログ、挿絵描きと・・・俺も、好い根性してるわさ。これが今回の挿絵オンパレードさね。」

「おいおい、オーバーヒートせんで、よう遣るわ。」

「いやいや、自分で文章打って、自分なりに物語のその記述のイメージシーンってヤツを想定しながらじゃないと、文章は進んじゃ行かんのさ。何事も、脳内イメージから、文字は繋がって行くってぇのが、普通の線だからな。何事も、イメージ先行だいね。
 ただ、上手く絵が描けないから、手足胴体を持った全体像は、力が無いからパスするしか無いんだけどさ。

 遣って見ると、これが面白くてさ。イメージを絵に現わすってのは、生け花とか、盆栽見たいな物に通じるんだろうな。チョイスとアレンジ、レイアウトなんて脳味噌の創造部分も刺激されて来るから、面白いものさね。これも余暇利用のボケ防止だわね。へへへ。

 尤も、有島武郎先生の<生まれ出ずる悩み>じゃないけど、スンナリ出て来ない時の方が圧倒的に多いんだけどさ。それが、面白いんだよ。それを何んとか物にしようと、構想したり、構図にしたりする足掻きが、長散歩のお伴に為ったりしてさ。

 この<戦い済んで、女族の酒宴>なんて絵は、如何遣って物語の好色ロートルのとぼくれた雰囲気を出すべやと、すったもんだして漸くの<お出まし絵>ってものさね。
 こう云う戯け画ってヤツは、描いた本人が言うのはなんだけど・・・悪戯遊びの延長見たいで、助平魂胆を色々仕込ませてあるから、真面目腐った訪問者さん達が、各人各様の想像力、妄想力を駆使して、戯け画の魂胆部分を点検して行く・・・そんな見えぬ相手を想像、妄想して遊ぶのも、一興ってもんさね。

 それに近々、美大出のガス屋さんが来るから、またまた、戯け画を介して、<お笑い小劇場>が出来るって処が、またまた、面白い処さね。ギャハハ!!」

「そうかい、この前飾りの8枚の下に、後篇26~27頁の一挙大公開かいな。トイレ、台所も凍る『祟る寒』じゃ無くて<タタルカン>が俺で、黄色下痢ピー呑太がドンタルカンって事だな。
 27頁か・・・長いねぇ~。二日に分けて読むとするか。どうせ、お前の事だ。スケベ男に描かれて居るんだろうな。女房、子供にぁ読ませれねぇわな。あい~。」

「馬鹿こいちゃ行けねぇわさ。VIP待遇で、立つ(勃起)か、タタルカン!! 立たぬか、タタルカンの<大エール付きの主演さん>だんね。
 第四話のコンビニ弁当とペットボトルのボランティア・エキストラとは、破格の花舞台だぜや。但し、尺八イリーナの場面で、タスケテーが、ホエザルの声と錯綜しちまっただけだいな。イッヒッヒ。」

「馬鹿野郎が、四話のバケツ水の仇を取ろうとしてるな~。とんでも無ぇ野郎だ。」

「何を仰います。監督さん。俺ぁ、あん時は、本番に至らずのバケツ冷水と白眼視の罵詈雑言の晒し者だったじゃ無ぇか。こんだぁ、別フロアの1:4のタスケテーだぜ。文句があったら、読んでから言いましょや。あい~。」

「今日か、明日か。」
「今日は、この話を打って、明日の予告編とするわいね。」

 さてさて、ホームセンター、スーパー寄りをして、明日に向け、残り半分の校正を施して、本日は早めに布団の中に入りましょうかね。
 

 件の事為れば、明日の訪問者さん達は、大変な長駄文のお付き合いと為って仕舞いまする。へへへ。


心何処ーショート 長散歩に、好い気分。
               長散歩に、好い気分。(2/3/12)
 いやはや、この寒さは明日まで続くと云う。本日は、トイレ、台所が凍って仕舞った。因みに、松本は氷点下12・7と云うのであるから、これも当然と云った処であろう。街場の測候所測りであるから、此処は軽く13℃超えであろう。水槽にも氷、玄関鳥の水容器は、冷凍庫で作るカチンカチン氷である。

 斯様にして、松本は立派な寒冷地なのである。従って、慣れているから、<アッジャジャ、凍ちまったぞい。>の苦笑いで、ドタバタと朝の水出しに回るのである。水道管が破裂しなければ、良しとすべしなのである。一日、家に居る者の開き直りである。

 放射冷却の作用であるから、こんな日に限って、澄み渡る青空が拡がるのである。灯油をケチって日当たりの二畳小部屋でPC机の向きを変える。太陽光線の中に身を入れて、物語の締め括りに向けて、打ち進める。<その9>を打って、後篇23頁とした。前飾りのイラストも深夜のコタツで何枚か描いたから、読み直しの校正をした後に、近日中の一挙放出と云う形に為ろう。へへへ、第七部は、シリーズ最長の44~46頁に迫ろうとする妄想文である。

 寒い事、夥(おびただ)しいが、椅子にばかり座って居ると、<番からロートル>の名を穢して仕舞う。コタツの中に入れて置いた毛糸の帽子も乾いた事でもあるから、正規ルートの長散歩に、足を踏み出す。未だ、台所の給湯経路は、凍結したままである。精神痩せの体重は、リバウンドもせずに好調である。

 空一面の青空に、東の山端にたなびく白雲の白さとボリュームが、目に眩しくも実に清々しい。アルプスの山々は幾分、頂上辺りが吹雪いて居るのだろう。白銀の雄姿は見られない処である。今シーズンの最低気温を更新した川には、氷が張って、その上をセグロセキレイが歩いて居る。氷の上には、氷で流れがとぼった水の嵩増しで、氷の上を流れが進行して来ている。時々、張り詰めた氷の割れる音が聞こえて来る。

 何時も着ているチョッキも洗濯して仕舞ったから、太鼓腹は、すっかり消滅してしまって、スッキリした物である。体重が軽く為ると、矢張り動きが好く為る物である。犯人達を、完膚無きまで半殺しの目に合わせて遣りたいのは山々為れど、これも<人生総べからず、塞翁が馬>の喩えと云えなくも無い。一、二日長散歩をサボって仕舞った処ではあるが、正規ルートの長散歩をしないと、体細胞も気分も堪能しないのである。

 折り返し点の早落ち城址下のH橋辺りの川の様子は、氷に満ちている。水量の細い山水は、完全に氷の堆積層を為して居る。山水、日蔭水の悲哀その物の様相である。

 ジャンバーのファスナーを目一杯に上げての散歩ではあるが、無風の好天に足が、ドンドン前に運ぶ。

 誰も歩いて居ない山際の日当たりの好い道である。作中の<夜霧のブルース>を、小さく鼻歌で歌う。気分が好く為って来たから、今度は唇を舐めてから、声を出して唄いながら歩く。
 三番辺りまで来ると、後ろから人の気配である。まぁ、其処で中断するのも大人気無いから、追い越して行くウォーキング小母さんの背中に、向けて三番を<唄い贈った>次第である。男も還暦を三年も過ぎれば、音楽1の音痴唄とて、何も恥ずかしがる必要も無かろう。耳のイヤホン・ミュージックだけが、唄じゃ無かんべよ。ギャハハ!!

 長散歩から帰って来て、漸くの給湯経路の開通である。先ずは、目出度しである。


心何処ーショート 居座り低温、何も無くても、何かある物だ。
       居据わり低温、何も無くても、何かある物だ。(2/2/12)
 寒さが定着と云うか固定してしまうと、大変な事に為る物である。洗濯機の排水チューブがコチンコチンで、水が退いて行かない。

 思い出せば、去年はそんな事があって、洗濯後はマメに排水チューブをガタガタ動かして、水の溜まりを吐いて居たのである。いやはや、すっかり忘れて居たものである。まぁ、こんな時に重宝なのが、ポータブル電気ストーブである。

 いやはや、本日は調子こいて、夢奇譚の戦闘シーンを打ち進めて、風呂も、老母に「今、調子に乗って居る最中だから、先に入ってくれ。」と頼み込んで、<その8>を打って21頁に進んで、明日辺りの『完』に漕ぎ着けての入浴であったのである。
 入浴と洗濯は、私の場合セットであるから、洗濯機を回しながらの風呂入りなのである。次の洗濯に向けて洗濯機の排水をすると、上述の始末なのである。それも、四時を回っての事であるから、トホホの段である。

 コチンコチンに成った蛇腹ホースの氷をポキポキ折って居ると、ポキリといともあっさりと、ホースが裂けてしまった。アッジァ~、このしゃら寒い時に・・・なんちゅう事を仕出かして仕舞った物であるか・・・スキンヘッドを剃り上げて、毛糸の帽子は洗濯機の中である。

 嗚呼、急がば回れ。真因を除去しなければ、同じ事は繰り返すの<大反省>である。スケールで洗濯機の足の幅を測って、洗濯機の下にブロックをかって、下駄を履かせ水溜りを無くさねば為るまい。車のキーを持って、外に出る。おお~、しゃら寒い!! じゃゴザンせんか。ホームセンターに行って来るしかあるまい。ニャロメ~の段である。

 切り取った蛇腹ホースからは、氷が解けて床は水浸しである。雑巾に洗濯水を浸み込ませて、バケツの絞る繰り返しである。嗚呼、冷たい、冷たいの段である。洗面所でクマ男がゴソゴソ動いている私の様子を見に、老母が杖をついてフラフラと顔を出す。

「もう暗いから、明日遣ったら、如何だい?」

★明日も今日も、遣るのは俺だわね。ちょろちょろして、転んで怪我、湯冷めで風邪引かれたら、その分、俺の負担が重く為るわさ。はい、95はベットか、コタツが定位置だぜや。←これは、当然に胸の呟きである。

「これが終わってから、飯にするから我慢して呉れや。大体、出来上がって来たから、大丈夫だわさ。コタツでテレビ見てましょや。邪魔だよ。」

 続きの洗濯物をぶち込んで、脱水に掛けた洗濯物は、軒下の物干竿に掛ける段に為ると、早くもコチンコチンの進み具合である。ああ、手が冷たいでゴザンスわね。折角、風呂で温まったのも束の間、鼻水が垂れまするわな。

 そんな事にバタバタして居ると、老母様は、ヨタヨタと台所で、昼の食器洗いをして呉れている。洗濯物を片付けてからの夕飯で良いとの事である。←感謝感謝。

 全国ニュース前のローカルニュースでは、北信の大雪が大変な事に為って居る。それに、50歳の知的障害のある女性が、銀行強盗に入って100万円を女子行員から強盗した物の、店外に出て処で、直ぐ様御用に成ったとの事である。犯罪責任能力は、早くも疑問との事である。

 ふ~む、これは笑い話には出来ない。事情がある筈であろう。女が50なら、その娘の世話をしている親は、20の時の子なら70、30の時の子なら80である。いずれにしても、高齢である。親の年金暮らしで、親の口癖が<金が無い、金が無い、生活が苦しい。>の親の経済力を不憫に思って、銀行なら、一杯お金が在ると思って、刃物をチラ付かせて、<オイ、金を出せ>と言って終ったのかも知れぬ。

 思わぬ成功で、100万円を手に、ニコニコと店内を出た途端、雪に足を滑らせて、銀行敷地内でスッテン・コロリと転んだ処を、行員多数に取り押さえられて仕舞ったのかも知れぬ。
 余程、行員の目からも<知的障害の程度が高く見えた>のだろう。詰まりは、隙だらけの女強盗犯であったのだろう。そんな女強盗の動機とは、若しかすると親孝行に依る凶行と云うよりも<直行>だったのかも知れぬでは無いか。

 そんな想像を働かせると、こいつぁ、馬鹿だねぇなどと、健常者が笑い話で一笑に付す三面記事には為るまい。美談と悲劇は紙一重、喜劇の中の悲劇は、世の常である。

 高々、何秒にも満たないローカルニュースではあったが、こんな話しをして遣ると、倅、良くぞ言ってくれた。見方を変えれば、真実の可能性も無い訳では無いと頷いて居るのかも知れぬ。生真面目な老母は、すっかり私の言い分にウンウンと、身に摘まされる話様に何度も何度も頷いて居る始末である。

 へへへ、母親のこんな純な気持ちを引き継いだのが、何を隠そうこの四男坊なのである。

 親子とは、こんな処が正に面白い処なのである。先日は、吾がマグマ溜まりの最高潮に達した処で、事もあろうが<お上人面>を晒す物だから、売り言葉に買い言葉の癇癪玉・三尺玉が炸裂して、倅のに私に<こっ酷く>罵詈雑言を浴びせられ、『食欲不振の不貞寝の山姥状態』を何日か維持してのブツチョウツラを晒していたのである。

 それでも、血の半分は、母親の自分の血が流れて居るのである。突風の一過性男の私には、意地の面では甚だ面白く無かろうが・・・長く拗ねて居る吾が身が恥ずかしく為って来たのだろうが、<この糞ババァが、好い歳こいて、何を遣っとるんじゃい、馬鹿もんが>と怒り心頭に為る時も在るが、母には反省の色と行動が在るから、私は母が可愛く見える時もあって、総体に好きなのである。つくづくと親子の関係とは、複雑怪奇の綾文様と云うべきか・・・であろうか。

 へへへ、ローカル三面記事に、親子の心通じた一幕でもありましたぞえ。


心何処ーショート へへへ、またまた、お出でなさった。 
         へへへ、またまた、お出でなさった。(2/1/12)
 夜半からの強風の凄まじさが耳に付いて、中々熟睡のロングタイムが取れずに、寝返りばかりをしている間に、・・・・ 迎えてしまった朝である。勢い収まらず、日蔭の屋根に凍り付いて居る雪が、強風に煽られて白いブリーザードの様相を見せ付けて居る。

 そんな痛い様な外界を見て仕舞えば、布団から抜け出せと云うのは、人非人の云う台詞である。腕だけ伸ばして、コタツ上のラジオのスイッチを入れる。

 益々、寒さの真っ只中に引き込まれて行く様な物である。四畳半の窓下のアジサイの茂みに鳥影である。窓から下を覗くと、案の定、ジョウビタキのバルディナが、私の顔を見ても、逃げもせずに尾羽のタクトを小刻みに振り振りして居る。寒風逆巻く外気温は、殊更に身を刺し貫くのであろう。すっかり縮み上がっての羽毛の逆立て姿である。

 さてさて、昨日は台風並みの強風の騒乱で、すっかり寝付き時を奪われて、完全なる時差ボケの様な重い限りの身体状況である。そんな中で、打ち進めているストーリーに想いを巡らせていた部分も在った。
 時差ボケ状態のこの寒さであるから、本日の散歩は意識的にボイコットをすべしである。きっと、日中のどの時点かで、コタツの潜り込んで睡眠調整をしない訳には行かない。そう為れば、記憶も生物であるから、二畳小部屋での足掻き打ちをして置いた方が良かろう。

 本日・ヤクルトコールの水曜日為れども、どちらを優先させるかと為れば、時差ボケ同然の生物=記憶の残滓を、活字変換して置く事の方が、優先順位が高いのである。515円を添えてメモ書きして玄関上がりに置いて、小部屋のストーブを付けて手抜きの朝食として、旧PCに向かった処である。<その7>に打ち進めて、17頁としてPCをOFFとする。

 さてさて、大分、瞼が下がって来てしまった。24時ギリギリのブログ日誌打ちは、負担が大きいから、ダウン前に打って置くと致そうか・・・PCをONにすれば、数日前からの中国語コメントに混じって、再び横文字コメント爆撃の嫌がらせが始まっているではないか。世の中、懲りない悪趣味者が居られる物である。

 もうもう、限界である。隣部屋のコタツで国会中継のラジオをBGMにして、暫しの爆睡を致しましょうぞ・・・では、では、後ほどに削除を致しまする。

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